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解答 受験生特集号の目次   引越し

東北大実戦模試に挑戦!
新聞部員の実力やいかに!?


受験生特集号3面

「駿台予備学校主催、東北大入試実戦模試に現役東北大生が挑戦!大学入試の模擬試験を受験業界から足を洗った現役大学生が受けたらどうなるか。」

こんな企画に新聞部の有志四人が名乗りを挙げた。

経済学部一年、生田。四人の中で唯一、現役で合格。得意科目は生物、苦手は国語。選択式問題の正解率は他の追従を許さない。かつて「記号問題の鬼」と呼ばれた。

理学部一年、佐藤。唯一の理系。得意科目は地理、苦手は生物。一つだけでよい第二外国語を二か国語受講するなど、一般教養を無駄に取りすぎてパンクしている。

文学部二年、深沢。企画の発起人。天才を自称する。「俺は人気者だ」と主張するが誰にも相手にされない寂しい奴である。中国語を履修し、専門科目で漢文を取る。白文を読みこなす。

法学部二年、延野。元駿台生の威信をかけて臨む。普段、授業にも出ずに後輩のノートを搾取して単位を浮かせようとし、自身は部室でマンガを読みふける。

試験当日、駿台に着く。制服を着た受験生に囲まれて緊張するも、自分が浮いている引け目をかなぐり捨てて若返った気分になる。

一教科目、理系の佐藤は理科。化学と生物を選択。まず概要をみる。生物の第三問、環境問題だ。これは行ける。瞬殺。続いて、得点源だった化学に移る。さっさと方を付ける予定だったが、知識の抜けた無機化学にはまる。

文系は国語から始まった。深沢は漢文から取り掛かる。ここは外せない。というか、専門でやっているのに間違えたら大恥だ。漢文の鬼教官の顔が横切る。延野は現代文からあたる。評論。文章の構成が掴めない。小説。設問すら解読せず、フィーリングで解答。古文と漢文も勘に頼る。生田は…試験会場に姿がない。試験前日にリラックスし過ぎて寝坊。五分ほど遅れて入室。とりあえず現代文の小説に集中。古文と漢文は勘で答案を埋め、評論は漢字だけ真剣にやって終了。解答欄を埋めた深沢は「これなら七割固いな」とほくそえむ。

昼休み、延野は「こんなのじゃ、俺の知性は測れない」などとさっそく試験を批判。一方、生田はマクドナルドでチーズバーガー七個を黙々と食らう。

二教科目、英語。この科目は大学でも必修だが、大学生はしばしば勉強を怠けがちだ。佐藤はとりあえず英作文に手をつける。生田はまず記号問題を押さえる。延野はおぼろげに英文を読み出すが、昼食直後で眠気に襲われる。そのまま夢の世界へ…。深沢は英作文を何のひねりもない答案で仕上げて終了。

三教科目、数学。延野が得意とした科目だ。しかし、それも今は昔。微分積分の公式すらおぼつかない。取りあえず確率問題だけ解くが、他が全然解けない。深沢は…「さっぱりわからない。」時間に迫られてがむしゃらに書き進めてみるものの、途中で計算が滅茶苦茶になって行き詰まる。生田は樹形図を用い、試験時間のほとんどを使って確率問題を完答。他は適当にやって終了。佐藤は目を付けた三問を手早く処理するも、そこで失速。時間一杯まで粘る余力は既に無かった。

結果発表。延野は法学部前期、B判定。国語のできが悪い。全てのジャンルで平均点以下となり、国語が二〇〇点配点の六七点。新聞部で何をやっているのか。佐藤は三〇〇点配点の理科が一三〇点。生物が空欄だらけで三七点と、目も当てられない惨状だ。それでも、A判定を死守。生田、深沢もA判定。生田は評論と古文・漢文で得点率が三割程度で足を引っ張るが経済学部で総合8位。深沢は数学が確率以外散々たる結果で五一点ながら文学部で総合3位と上位入りを果たし、「やっぱり俺は天才だ」などとうぬぼれる。しかし、国語が一〇四点。七割到達には程遠い。さらに、漢文が四〇点配点で二五点。延野に「専門で漢文やってるくせに」と突っ込まれてしょげる。

◆ ◆

四人が全く対策も立てずに好成績を修めたのは、決して彼等が優秀だからではない。自信を持って楽な姿勢で臨んだからだ。しっかり準備してきたあなたは、肩を張ることはない。試験前に本紙を受け取るだけの余裕、そしてこの記事をここまで読み通すだけの忍耐をもって試験に臨んでくれ。健闘を祈る。  


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