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「世界選手権疾走記録 5」


3月20日(火) 失速(男子ショート)
泊まっているユースホステルのロビーには集まって話ができるようにテーブルがあり、新聞もある。スポーツ面には「Fallen guys」とサンデュー君、エルビス、ヤグディンの転倒写真。ページをめくると予選1位の本田君について「ヘルシンキでブレイクしたものの先シーズンはスランプで伸び悩み、そこから復調した」という書き方になっている。
先シーズンはスランプだったのか?成長し続けていたと思うのだが…まあそういう考え方をする人もいるということで。

メインのリンクで競技をやっている間、練習用リンクのPNEでは他の種目の公開練習が行われている。今日はアイスダンスのコンパルソリーと男子ショートの公開練習の時間が見事に重なっている。PNEは少し離れた所にあるので両方見るのは結構きつい。どちらを見ようか決められず、日本にいる時からずっと悩んでいた。
しかし昨日の試合で今日のスケジュールがあっさり決まり、起きてすぐ作りかけの横断幕を縫い始める私。時間がもったいないので洗濯も1.75ドル(多分)を払ってユース共同の洗濯機にまかせることにする。ったくこんなことになるんだったらもっと早く仕上げるんだった、コンパルソリーも公開練習もサボって何をやっているんだろう。
しかしKにはこののんびりスケジュールが助かった様子。目が覚めるまで寝たおかげで声が大分戻ってきた。用意がすんでから私の縫い物を手伝ってくれる。


ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ

部屋に聞き慣れた音が響く。これは非常ベル?日本もカナダも一緒?

とりあえず窓の外と廊下を見て、念のために階段を降りて一つ下の階まで行ってみるが、何も変わりがない。誤作動したんだろうと思い、部屋に戻って縫いものを続ける(注:私達の部屋は4階建ての4階
しかしいつまでたってもベルが鳴り続ける。誤作動とは思うが誤作動にしては長いぞ。「ちょっと外の様子見てくるわ」と貴重品が入ったリュックを引っかけて階段を降りて外に出ると既に他の宿泊客がいっぱい集まっていた。みんな偉い(←変)
外から建物を見ても何も異常はなさそうだが、一度外に出ると中に残っているKが心配になってきた。連れ出そう…と戻りかけた時にスタッフのおじさんが出てきた。壁にあるスイッチをいじるとあっさりベルが止まる。やっぱり誤作動だったのね。

部屋に戻るとまだ縫い物を続けていたK。私が持ち込んだ横断幕なのにそこまでやってくれるのは嬉しいが、ちょっとは対応しろ(笑)!
「いやT(私)が様子見に行ったんやったら大丈夫やと思って。ちゃんとカバン持っていってえらいな〜私やったらこの横断幕持って外に出てたわ(笑)」…あんた大物だよ。
それからしばらくすると今度はサイレンの音。なんだなんだ!?

どうもはしご車が来たらしく、入り口の前で止まっている。窓が中途半端な位置にあるので見えにくかったが、これがカナダのはしご車なのか。普通の旅行ではまず見ないだろう。
わーい儲けた、写真撮ってネタにしようっと♪(←変)


文字を縫い付けた時点でタイムアウト。ラッピングに用意していたリボンを切って安全ピンで横断幕につけ、くくりつける紐の代わりにする。あの会場だから少々のアラはわからない。

この会場は日本と違ってアリーナと1階席の区切りがない。つまり日本の試合で横断幕を貼っている場所がない。貼ろうとするには3階席まで行かなければいけないのだが、大会2日目ともなると常連の横断幕が既に出そろっていてほとんど貼る場所が残っていないのだ。いくら遠くて見えないとはいえ、ここまでやって貼れないのは悔しい。
しかしここであきらめてはいけない。3階席の真下に障害者用の特別席があり、そこにはまだ誰も貼っていないのだ。幸いセキュリティーもいない。車椅子のおばさんに貼らせてくれるようにお願いすると「いいわよ、誰の貼るの?」と興味津々。この反応のよさはさすがカナディアン、つい作った動機も語ってしまう。

ケチをつければきりがないが、何はともあれ貼ったぞ。「NO FLASH!」
一年がかりの野望達成。


ほくほく気分で席へ向かう途中にぶうたろうさんと遭遇する。今日バンクーバーに着いてから超特急で練習用リンクへ行ってエルビスの練習を見てきたそうだ。さすが。(すみません怠惰なファンで^^;)
エルビスの様子を訊くと「ぜんぜんだめ!クワドもアクセルも跳べてない。」
ハイテンションに思いきり水がかけられる。確かにおとついの公開練習から予測できることではあったが……。


ウォームアップ前にリンクサイドにいる第1グループのメンバーを見て驚いた。ヴァンサン(レスタンクール)とロマン君(スコルニアコフ)がこのグループなの!?確かに二人とも予選の出来が悪かったのは覚えていたが…。
ヴァンサンは去年と比べて動きの悪さが気になるが、ジャンプをまとめてノーミスの演技。ケガ上がりなのだろうか?ロマン君は粘りのあるアクセルをきめて本領発揮。
しかし二人ともフリー進出についてはまだ微妙な所だろう。ショートからフリーへは30人から24人、グループ一つ分の人数が振り落とされるのだ。ショートで第1グループにいる選手がフリーには進むには100%の演技でも足りない場合もある。最終グループとはまた違う、独特の緊張感が感じられるグループである。


アンソニー・リウが第2グループなのが衝撃だった。しかも2番滑走(泣)。予選は組10位だったのか。大丈夫だとは思うがミスをするとフリー進出が心配になる順位、第2グループに入っているからといって安心はできない。リスクの大きいクワドのコンビネーションを入れている上に単独トリプルがルッツ、プラスダブルアクセル。しかも今シーズンはノーミスで滑ったことがないのでは。考えれば考えるほど心配になってくる。
しかしそこは去年と同じショート。ばっちりノーミス、滑りこんでいるのが感じられて安心して見ていられる演技だった。バレエの影響がみられる決めポーズも気恥ずかしさを感じさせない。
ああよかった、ごめんなさい変な心配して(^^;)。


Gheorghe Chiper(ルーマニア)
バラの花の模様の衣装には特に目新しさを感じなかったのだが、後ろがちゃんとバラの花の後ろ側の模様になっているのに気がついてポイントをゲット。しかも茎までちゃんと前後対応しているのでボーナスポイント、こういう芸の細かい人は好きなのだ。
明るいがどこか不気味な印象のテクノサウンド、それに合った少しくせのある振り付け。確かノーミス、観客の反応もよくて本人もこの写真のガッツポーズ。しかし衣装といいテーマは何なのだろう?まさにこういう時のための電光掲示板である。
「アメリカン・ビューティー」のサントラ、なるほど。




Angelo Dolfini(イタリア)
ヘルシンキ、ニースと見ていたが小柄で童顔、緊張した顔でリンクに出てきてジャンプをミスし、さらに動きが小さくなってしまうという気が弱そうな印象だった。イタリア人の男性全てが陽気でノリがいいとは限らないのだろう。
しかし今年の彼は違う。予選でもそうだったのだが演技に安定感が出てきて、「俺を見ろ!」というスケーター独特のオーラが感じられるようになった。男子シングルには珍しい衣装、しかも何か弾けてるよこの人。
ただ第2グループで滑るには少し苦しかったか。ジャンプのミスもあり観客のリアクションは少なかったが、終わった後で観客へ思いきりアピールしているこの写真。こういうスケーターに対して観客はノリがよく、大きな拍手で応える。やはり君も「イタリアン」であったか(笑)。



成江、製氷直後の第3グループ第一滑走だなんて、なんてくじ運の悪い……(泣)。予選6位と7位の差がよくわかった瞬間である。予選が6位なら最終グループの一人手前で滑る可能性もあるのだから。あ、成江は予選8位か。
しかしこの時の成江にそんな繰り言は無用だった。衣装を変えただけの去年のショートをバッチリノーミス、ああよかった。しかしそれならそれで別の繰り言が出てくる。妙に成江に辛い今回の私(^^;)。

ステファン君の出だしはすっかり聞きなれたファンファーレ。かつてエルドリッジが、最近はロマン君が使っていてスケートファンにはすっかりおなじみの「First Knight」、一瞬聞き間違いかと思った。
しかし驚くのはまだ早かった。「ダン、ダン、ダ、ダン、ダン、ダン!」と響く打楽器の音に負けていない動き。ええ!?小柄な体をいっぱいに使った彼の演技には伸びやかで柔らかい印象があったのに、こんな力強い演技もする人だったの!?
コンビネーションの始めのジャンプがダブルアクセルになってしまったが、それを気にさせない演技。終わった後の本人は嬉しそうで、大きな拍手を受けている。



今日のショートはいい演技が目白押しで演技が終わった後で「やった!」と観客にアピールする選手の姿を次から次に見ているような気がする。今までリアクションを見せたことがなかった選手が何人弾けたことか。
この会場には何か特別な空気がある。選手を波に乗らせ、普段以上の力を発揮させる何かが。
何がこの空気を作り出しているのだろう。

第4グループは揃い踏みのメンバーなので、ウォームアップで見る対象が絞りきれない。さっきヤグディンが跳んだのはフリップ?ジャンプを変えるのだろうか。
この時初めて田村君と運飛が同じリンクの上にいる所を意識して見たのだが、やっぱり田村君は綺麗だ。元気いっぱいの運飛、線の綺麗さが目を惹く田村君。しかし後ろの席から「twins」という単語が聞こえたのは気のせいだろうか。
頼むよ、衣装もスケートも全く違うのだから。

薄い灰色の上下の衣装ということもあるのだろうが、運飛は去年より体重が増えたと思う。予選と同じくめいいっぱいふんばってのクワドにプラス3トウ。がんがん滑ってノーミスの演技、予選はまぐれではなかったのか。
テーマも観客へのアピールポイントも見出せない演技だったのだが、今の彼には会場の空気を最大限に利用して、というか空気を強引に変えて観客を自分の味方につけさせる勢いがある。どうなってるの、私運飛を過小評価していたわけ!?

まさかデスドロップのミスをまた見ることになるとは。後半でなんとか立て直し、エレメンツが入っていない部分で拍手。田村君独自の表現は伝わっていたのだが……。
終わった後頭を抱え、苦笑している顔が見えた田村君。キス&クライで崩れ落ちる。タオルで顔を覆って上げることもできない―――

空気が途切れた……。


サンデュー君はショートでさらにイメージチェンジしてきた。演技も衣装もショートの方が私は好き。だが昨日と違い、去年までの危なっかしさが出てきてしまった。確か2ミス?で順位を落とす。
ああ、エルビスの負担が……(泣)

演技を見るのに集中していると何も思わないが、ふっと気を抜くと頭にがんがん響くほどの音量で音楽が流れている。それにもかかわらず張民の曲は明らかに他の選手に比べて音が小さい。プラス音質も悪い。そして過去二回(カナダ、大阪)の四大陸で見た衣装とくればいくら私でもフォローのしようがない。中国連盟〜〜!
全体的にスピードがなく、トリプルアクセルをミスして大きく順位を落とした。確かにジャンプをミスすると彼のスケートには残るものがないのだが、クワドをきめているのにこれだけ順位が落ちるのもまた疑問。他にミスがあったのだろうか?

ヤグディンが出てきた時の拍手が予選よりさらに大きかったのは昨日の予選を知っての事か…。かろうじてクワドのコンビネーションをきめ、次のジャンプもふんばる。曲が革命のエチュードの有名な部分、中盤のステップに入ってもまだ抑え気味。最後のジャンプがきまって両手でガッツポーズ、はいヤグディン的にはここからが本番!
さあショートではおなじみの見せ場のステップ…どころではない。前半抑えていたのがここに回ってきたような勢いで、ジャズのアレンジがちんたらしているように聞こえるほど。テレビ放映でアナウンサーに革命家とか言われそうだがまさにキング・ヤグディン!!
よかったふんばった、もう心配させて!(だから私が心配することではない)

アプトの始めのクワドのコンビネーションは両方とも両足着地。しかしここからえらくいい顔で滑っていた。25才の男性に対して何だとは思うが、あの笑顔はかっこいいというより冗談抜きで可愛い!どこかの民族が踊っていそうな曲と振り付けで、彼は踊れる選手であることを改めて認識する。
終わった後に満足そうな表情。あれ、ノーミスだった?違うよね?

第4グループが終わった時点で順位を確認する。アンソニー・リウがフリー第3グループで滑れる!そして気がつけば運飛が2位。
展開次第では最終グループに入るかもしれない。


早めに出てきたエルビスはスタニック・ジャネットと笑顔で握手、その後本田君に接触…しただろうか?最後にダグコーチの背中をノックするように軽くたたいてリンクに降りる。
ウォームアップでは2アクセル+2トウを2回。クワド+2トウ。そしてルッツ。ルッツの跳び方が変わったような気がする。助走が短くなって、トウのつき方が軽くなったような。

プルシェンコのショートは中盤の腰を振る所で観客が盛り上がる盛り上がる(^^;)。ボレロの問答無用の終盤のあのパートに四六時中走り回っているような問答無用の振り付けで、気迫が前面に現れた問答無用の演技とあれば、もうあ然とする域に入る。このショートはやっぱりすごい。
しかし中盤の振付が変わったのでNHK杯より問答無用の度合いが少し減少。最強のショートなだけにもったいない気がする。

去年から一回り体が大きくなり、顔つきも少し大人になったゲイブル。しかし曲と衣装がフリーのイメージと重なってしまい、こうだという印象が残らなかった。それでもしっかりノーミスだったのはさすが、ファイナルはいったい何だったの(^^;)

本田君のショートはジャンプをミスしてもすぐに踊りの見せ場があるので見ているこっちはダメージを引きずらなくてすむ。しかし肝心の本田君のノリが今一つで、NHK杯と比べても動きが硬い。初めて見た時に「まだ続くか!?」と思ったラストのステップもさえなかった。


エルビスはダブルアクセルを跳んで、Uschiさんの方を見る。Uschiさんがうなずく。もう一度ダブルアクセルを跳んでUschiさんの方を見る。またうなずくUschiさん。
ダブルアクセルでもミスにはならないが………。

始めのトリプルアクセルを転倒した時点で会場が騒然とする。やめてよそんなに騒ぐのは、まだジャンプを一つミスしただけじゃないの。しかし立ち上がった後の動きを見て頭のスイッチが切り替わった。

動きが悪い。

スローな音楽に合わせているのとまた違う印象。だめだこれクワドも転ぶ。
また去年から変えてきた同じフレーズの繰り返しが嫌な気分を増大させる。ジェットコースターの上昇が止まる直前で身を硬くして急降下に備えているようなもの。やめて、このフレーズはやめて!
もう始めから成功しそうになかったクワド、あの会場のどよめきは悲鳴と表現していいだろう。「Ah〜!」と顔を覆ってうつむく隣の席のお姉さん。冗談じゃないまだ終わっていない、一瞬でもエルビスから目をそらせられるもんですか!
その後のスピンでも乱れるし、もうエルビスの動きがパニックに陥っているようで…って違う、パニックになっているのは私。この弦楽器の旋律が怖くてたまらないのだ。もうこの旋律に呪いをかけられているような気がする。この旋律が続く限りエレメンツは成功しないんじゃないだろうか。なぜかわからないが叫び出しそうなくらいに怖くて写真を撮れる状態ではない。早く終わって、早く切り替わって、早くアップテンポでがんがん飛ばすいつものエルビスに戻って!

やっと音楽が切り替わって呼吸ができる。目をつぶってもできそうなあっさりしたルッツ、絶対跳び方変わったよね。本調子ではなくても他の人にはない切れ味があるステップ、大丈夫スケーティングの質感だって変わっていない。何をそんなに怖がっていたの、ファンの私が怖がってどうするの。
でも間に合わない。
まさにdisaster………!!


普段はキス&クライでの映像はほとんど目に入っていないのに、あそこまで凝視されるとこちらも目をそらすことができない。点数がコールされている間に顔の筋肉が動いたのは「We love you!」の声が響いた直後。

まさかエルビスの演技を見ていてこんな形の恐怖を感じることになるとは……。


次の演技のエルドリッジ。始めのコンビネーションをきめてからのこちら向きのポーズを見て意識が現実に戻ったが、視界にはまだフィルターがかかっている。情報が目で止まっていて脳まで届かない。何かリンクの上の事が別世界のようで、テレビの映像を見ているような気がするのだ。
距離のあるトリプルアクセルも、端正なルッツも、会心の演技に珍しく何度も何度もガッツポーズをしている姿も確かに見たのだが……。

スタニック・ジャネットは確か一つおかしいジャンプがあったと思うのだが……。


最終順位が表示される。エルドリッジがいい位置につけた。ヤグディンが3位まで戻した。運飛が本当に最終グループに入ってしまった。エルビスは?エルビスは……

10位……………!




完全に目が死んでいてオーラが漂い、バックに幽霊の一人や二人ははべらせていた私。この時の私に声をかけられてしまった方々、変な所を見せて失礼しました。悪運が乗り移らないことを祈ります(^^;)
よりきさん、ぶうたろうさんとは帰る方向が同じだったので四人でジョージア通りを歩いて帰る。四人でいられてよかった。知り合いが全くいなかったヘルシンキでこの状態だったら私はどうなっていただろう。


ぶうたろうさん、よりきさんと別れた後でそのまま宿へは直行したくなかったのでホテルへ明日の滑走順を見に行く。雪ちゃん達は最終滑走、よっしゃあ!
思音ちゃんも予選A組の最終滑走。よっしゃ!すぐりんも有力選手が全員滑った後の第4グループ。よしよしあの大激戦グループではベストの滑走順!

ここでスーザンと思わぬ再会。前回一緒にいなかったKも紹介してあいさつだけですませるつもりが、「あなたが今日使っていたエルビスの似顔絵、フリーの時に写真を撮りたいんだけどいい?」と思わぬ一言。きゃー!私のじゃないけど(前回に続きIシスターズさんありがとうございます!)喜んで!!

そのあと芋づる式にM&mさんと再会。Mamiさんに明日の公開練習のエルビスを見ておいてくれるよう頼むあたり、かなり錯乱していたらしい(頼むくらいなら見に行けよ)
mさんは運飛のファンということで彼の最終グループ入りを喜び合ったものの、今日を最後に帰らなければいけないそう。せっかくの運飛の晴れ舞台なのに、一番見たい人が見られないなんて!涙ながらに(表現)運飛の応援を頼むmさん、もらい泣き(表現)の私。私でよければいくらでも〜(泣)。
エルビスの順位が抜かされるからといって中国勢の応援がやめられるはずがない。

(でもいい加減世界選手権で国旗を振る東洋人以外のディープなファンを自力で作ってね>中国男子)



ホテルにいる間は去っていたが、宿へ向かっている間に幽霊が戻ってきた。昨日とは違う角を曲がり、インドネシアやシンガポールの料理店を見つける。こういう点に移民の多さを感じる程度の頭のスペースは残っていたようだが、「○○料理の店があるね」「そうだね」という会話を交わしても、中に入って食べようという展開にならない。
あとで気がついたのだが、存在は認識していても中でごはんを食べる店だということがすっかり頭から抜け落ちていたらしい。


色々なことを考え、色々なことを勘ぐり、色々なことを怖れている。
でもまだ今は口に出さない。
こういう時に勢いにまかせて何か口に出すと後で嫌というほど後悔するのだ。


今のエルビスの状態は2年ぐらいして真相が明らかになるのだろう。

(続く)

追記:
・前回アンソニー・リウのショートの中盤の部分を「ズンチャッチャ♪」の3拍子と書きましたが、実は「ズン、チャ、ズン、チャ」の2拍子だったんですね。うわー!アジアン応援人を名乗っておきながらこの勘違いはかなり恥ずかしい、中途半端なうんちくはたれるものではありませんね(^^;)。
今さら書き直しするのも何なので騒動記録の方はそのままにしておきます。

・世界選手権の観戦を重ねるにつれ、反応が過剰になっていっているような気がするんですよねえ…どうかしているのは一応自覚しているのですが。

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