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○このサイトについて

ここでは、CanoScan8800Fの蓋を蝶番だけ使い回して
アクリル板に置き換える事を目的とした手順を書いてあります。

<通常状態>
  1. 裏当てが白なので、裏写りする
  2. 裏当てのスポンジ硬度が低すぎるため、重しとして不十分。
    (結果、紙の歪み防止があまり働かない)
  3. 閉じたら風圧でずれたとしても分からない。
<蓋開きっぱなし・アクリル板を置いた状態>
  1. ガイドを固定しないと板を閉じたり開いたりするたびにずれる
  2. アクリル板が厚いほど重しにはなるが、手で扱いづらくなる
  3. 本体と蓋は分離出来ないので、蓋の場所に困る
<アクリル板蓋に改造後>
  1. 一言で言えば、アクリル板の利便性と蓋の利便性を両立できる
    (裏写り防止・重しの役割を果たし、且つ開閉がしやすい等)
  2. 蝶番を自分好みの固定度にカスタマイズ出来る

○はじめに

前回のCS8000F同様、蓋をアクリル板に改造してみました。
若干、蓋と本体の分離、蝶番の取り外しが面倒になってますが、どうにか形になりました。

せっかくなので、どういった感じで改造を施したか、メモ代わりにでも記すことにします。
結構新機種で速いというのもあってユーザーが多いようなので。

言うまでもありませんが、 ”完全自己責任で” よろしくお願いします。

プラ板の突起物を外す際の「バキッ」という音が苦手な方や、
外装を開けたら回路むき出しで怖すぎるという方にはお薦めしません。


○はじめに2

ここで目的とすること、やることは三つです。
・蓋に繋がってる蝶番を取り外す
・その蝶番を使ってアクリル板蓋を作る
・電源の基盤を分離して、その他の蓋についてる回路は全て除外する

三つ目に関しては、まだ途中です。→必要パーツだけ取り出し可能

それでは参りましょう。

○蓋を外そう

単純に本体後方に刺さっている蝶番を抜くだけです。
蓋を垂直にして引っ張る。それだけです。
ただし、この時点では本体と蓋内部にケーブルが繋がってるので、
作業は本体から離す事が出来ず、本体の上でやることになります。
この時点で、蝶番は蓋と一体。

○蓋をバラそう 1

おおまかに、蓋は三つに分けられる。
まず二つに、ケーブルが繋がっている回路搭載されてる下部(C)とほとんど無い上部。
上部が更に黒い、ボタンの外装がついてる部分と受け皿となる銀色の部分の三つ。
前者を上部A、後者を上部Bとする。
 

まずは上部ABとCを外す。
取り敢えず5箇所あるネジを外そう。


さらに、上部ABと上部Cの対応している突起の固定部分を色で対応させて観ると・・・
 

ABとCのそれぞれ一番右側のは色が違うので対応していない。
Cの右側水色は、ABの右側マゼンタの傍の凹部分に合致するようになっている。
赤部分は出来るだけ最後に回すと水色部分に負荷が少なくて済むかも。
(水色の片方を折れさせてしまった・・・。気をつけよう。)

ABのマゼンタ部分は何かというと、ここに蝶番がネジ止めされていた箇所。
蝶番を外すだけならば、ここを外して元に戻せば良い。
(ただし、ドライバーと固定加減からしてABとCは一旦外す必要有り)

前方部に上部Bに固定されているボタンの基盤にケーブルがCを伝って繋がってるので、一旦外しておくこと。
ボタンのある側が青の色つきがあるのを憶えておけば後で刺し直しても問題無し。

この時点で黒ケーブルの繋がった下部Cと上部ABに分かれる。
一応基盤が乗ってる下部C↓ 赤い部分がスイッチ基盤と繋がっていたケーブル。

なんか汚いけど、、最初からこんなだったような・・・。

蝶番は上部Bにネジで止めてあるので外しておこう。

○蓋をバラそう 2

次に上部ABを外す。
左に大きめの2箇所、右に中くらいの2箇所、中央に小さめの6箇所あります。
左から順番に外すと良いでしょう。右側の出っ張りは左側に引くと簡単に外せます。
(右側の直角にロックしてるプラスチックを折らないように)

右側に見える橙色の基盤が表のスイッチと接触してます

次に、蓋を復元せずに下部Cに伝ってるケーブルに直接スイッチ基盤を接続したい場合。
(蓋から蝶番を外すだけが目的ならば、蓋をそのまま繋げ直せば良い)

上部Bの前方にスイッチ基盤がある。
これも上下にあるプラスチックの引っかかりを一つずつ外して行けば外すのは楽勝なはず。


あとは下部Cにある銀色ケーブルに先ほどと同じ方向で繋げるだけ。
一つだけ基盤に斜め方向のボタンがあるので、これが電源ON/OFFのボタンに該当する。
ちゃんとスキャナが起動するか確認。

○蝶番を改造とアクリル板の寸法決め


購入時の蝶番だと、このようにスキャン面からの垂直方向の高さが1cm以上有る。
これだと、スキャン面用アクリル板と穴をあけて蝶番と繋ぐアクリル板両方5mm厚でも足りないくらい。
なので、ちょっとした工夫をする。

と言っても、一旦蝶番のネジを外して、ネジ固定部分が上から下になるように入れ直すだけ。
これでスキャン面と離れすぎた問題はまず解決。
出来れば、このネジ・座金等を一旦外した時点で潤滑油(CRC)をかけておくと良い。
蝶番固定力を強くしてもスムーズに可動するケアになる。


しかし、今度は黒い面との距離が3mm前後、スキャン面の凹みが約2mmと近すぎる。
蝶番接続用を2mmか3mmにして、3mm以内の長さのネジを探してくるのもあり。
しかし、重しを考えると3mm(蝶番側)+5mm(スキャン面)くらいが好ましい(個人的に)。

当然、蝶番部分が浮くので、8〜10mm四方の消しゴムでも何でも
上げ底を蝶番の差し込む方の底辺にくっつけて調整。
2mm+3mmで作るならこの調整は当然必要無し。

次に寸法。
スキャン面はほぼ305mm×221mm(×約2mmの凹み)。
これは最低でもそれぞれ2,3mmの余裕を持ってカットするのが好ましいだろう。
蝶番側は少し面倒。
蝶番同士の端から端までが約200mm、スキャナ本体の横幅が270mm。
本体から出過ぎず、適当に蓋の開閉用の余分を考えて240〜250あたりが妥当だろうか。
上辺を蝶番の平面に合わせるとして、上から22mm、板の中心から左右にジャスト90mmの所に穴を開ける。
薄いアクリル板にする場合は保険にその上の7〜8mmに穴を開けるのも良い。
ちなみに、これはネジ止め金属平面が内側に来た時の寸法なので、外側にした場合は自分で図って観てください。
縦幅に関してはスキャン面板まで約100mm。
最低でも150mm以上の重なりがあれば歪みではがれることはないだろう。
(ちなみに、320x270mmの大きさで売っていたので、そのままカットせずに使用した)

こんな感じに蝶番の高さとねじ穴の平均距離を測っておく。
LとRが入れ替わっているのに注意しましょう。

カット、穴空けで用意が出来たら、
スキャン面用のアクリル板を出来る限り中央にずれないようにおく。ゴミが付着してないか要チェック。
蓋用のアクリル板は、蝶番の穴にネジを通して固定。
この時に使うネジは タッピングネジ が良い。ネジ穴は3φくらいはあった方が固定される。
この場合、タッピングネジは3.5-4.0φが丁度良い。(自分は3.5φを選択)
長さはこの場合、座金0.5〜1.0mm挟んで8mm以下でないと黒面にぶつかるので注意。
(10mmでも先端がとがってる場合、ペンチなどで少しカット出来る)

双方のアクリル板がぴったりと水平にくっつくか何度もチェックしておく。
3mm+5mmの場合、2,3mmほど浮くので、カットのしやすい硬めの消しゴムか何かを、
蝶番刺し口の底辺にテープ等で上げ底しておく。

こんな感じ

蝶番の差し込む金属の揺れが気になるなら、 この時一緒にガムテープよりも薄いテープを巻いておくと、
差し込む時に多少の抵抗が増すが、四方の蝶番のブレが気にならなくなる。

準備が出来たら、まずスキャン面用を中央固定、
その上にゴミが入らないよう、蝶番固定したアクリル板をそっと乗せる。
最も安定した中央部分に蝶番が刺さってるか確認しつつ接着すること。
この時、左右に寄ってたり浮いてたりすると、後のアクリル板蓋開け閉めの癖が付くので注意。
境界部分に沿って下図のように接着剤を浸透させる。
使用するのは アクリルサンデー の 接着剤(アクリル樹脂用) です。
透明な上に液体なので、非常に使い勝手が良いです。

必ず鋭角になった方向に引いていく。隙間から入り込んで行きます

ある程度固定したらずれないよう注意して裏返す。
同じ要領で接着境界部分をなぞるように接着剤を浸透させる。

乾いたらほぼ跡が残らずに接着されてるので、表に返して蝶番固定し直す。

以上で大体の事は終わり。
回路に関しては、今のところ蓋の可動部との通信エラーを吐くため分離不可能の模様。
上部Bから持ってきたスイッチ基盤を上部Cのケーブルに繋いで回路部分を表にした状態で、
本体をその上に乗っけるという形態に辿り着いた。
一応上部Cの可動部にエッジがついてるものの、傷ついたり埃が気になるようなら、
何かしら覆うと良い。蓋を完全に元に戻すのも良いだろう。

完成図。



○ここから回路に関する追記検証
まず、上部Cから抜き出す部分
左にあるスイッチ基盤と、それを繋ぐケーブル(プラスチック基板に張り付いてるのでペリペリ剥がす)。
右上、そのスイッチなどと繋がるメイン処理基盤。その下にあるのは、フィルム用スキャンセンサを棒に沿って動かすモーターです(下側についてるので見えない)。
の部分を取り出します。


要らないパーツ。灰色で消した部分がそうです。
フィルムスキャン用のセンサと、それをモーターで移動させる棒とゴムです。



で囲った部分が外すケーブル及びネジです。
一番上のケーブルはフィルムスキャン用のセンサに繋がったケーブル。外しましょう。その下は固定ネジ。
マゼンタで囲った部分が一旦外して後で元に戻す部分です。
マゼンタ部分はスイッチ基盤を外すためですが、その上を覆っている金属を赤いネジ部分を外してやれば、基盤ケーブルを繋いだままでも外せます。

上のスイッチ基盤にある右上のケーブル(小さい方)も必ず外すこと。
これは下のモーター制御と繋がっているため、繋いだままだと基盤下にあるネジ2箇所を外す事で同期・認識エラーを吐いてしまいます。注意。

※注意
電源のON/OFF後にモーターが回転する時間が長引くため、立ち上がり/下がりが少し遅延します。

赤い部分を外して、再びマゼンタ部分のケーブル接続を元に戻して要らないパーツを除去するとこんな感じになります。

スイッチ基盤の一つ斜めになっているボタンが電源ボタンにあたります。


しかし、これだとあまりにもむき出しなので・・・

アクリル板で簡易的に覆ってやりました。
電源ボタンの所にだけ穴を空けて、そこに小さくカットした消しゴムを添えてやっただけです。
この辺は各々でショートしないよう工夫してください。

ホントはこう・・・パカパカと蝶番なんか付けていつでも出せるようにしたかったんですが、、また再挑戦ってことで。こんな感じでした。
ちなみにアクリル板ケースもどきの寸法は150x120x30でした。右上のケーブル固定のための凹みは縦13横10mm。