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英語について

(11/02/2000)


短い経験ですが、僕がアメリカという英語文化圏に触れて感じたことをまとめて書いて みました。一口に英語といっても、いろいろな面があります。まとめて英語は簡単、ま たは難しいという判断は個人にはできないでしょう。また日本人の英語の苦手さはある 程度認められています。これはどのようなところに原因があるのでしょうか。


  • 英語社会的な特徴

    既に国際語として定着していて、英語が通じない国のほうが少ないのではないかと思 うほど各国で学ばれています。これは経済の世界化などにより先進国は勿論、発展途上 の国も経済の発展のために外国語を積極的に学んでいるからです。特に北ヨーロッパで は歴史的な背景や同じ文化圏ということも手伝いほとんど通じます。また通じなくても 旅行などでは日本語しか知らないよりは安心できるということが英語の需要が高い要因 です。

    アメリカの影響下が強くコンピューターや情報の拡大により、各国で英語が外来語とし てその言葉の中に入りこんでいます。それにより、英語により各国の情報を集められる ようになってきています。

    各国で話されることで、本来異なる舌の構造を持つ民族が話しています。そのような理 由からアクセントが多彩です。少々のアクセントは問題にはならず、きちんと通じます。 アメリカの都市ならカタカナ読みでも通じる場合が多いのです。

    文法がきちんとしていなくてもニュアンスで会話できるという特徴があります。単語を 並べるだけ、活用が正しくない、などという人でも案外通じるもの。これもいろいろな 人が話すから、英語の形も変わってきたということでしょう。

    アメリカでは難しい表現はそれほど使わなくても会話できる。古来からの独特の言いま わし、慣用句、同じ意味のより学術的な言葉、などは普通はそれほど使われません。一 つの語に多くの意味があり、そのような言葉を活用して話をしています。なので語彙が 少なくても会話がある程度理解できてしまいます。

    欧州では英語は元々シンプルな田舎言葉と思われています。英語は欧州の言語の中では 新しく、庶民的な言葉だったことから簡略化されている特徴があります。同じゲルマン 語に属するドイツ語にも見られる男性形や女性形は既に省かれています。それに日本語 には多彩な代名詞が少ないのも特徴です。これは中国語などにも見られることで、むし ろ少ない代名詞の言語ほうが世界基準なのかもしれません。

    敬語が発達していないため、会話での関係に頭を悩ますことがなく気軽に話すことがで きます。友人と話す場合と教授と話す場合が同じですから、新たに新しい表現を学ぶ必 要がそれほどないということがあります。

    活用にパターンがある。特定の例外を除いて3人称単数の主語にはsがついたり、複数 の名詞には単にsをつけるなど、と公式のようなパターンがあり、学びやすくなってい ます。アジア言葉のように一個一本などと単位も変えず、数字で通じることが多いので 日本人にとっては楽といえます。

    会話に一元性がある。人に感謝するときはほぼ90%がサンキューというように、ある 程度会話に共通性があります。日本語だと人間関係や情の入れ方で細かい表現がありま すが、英語だと教科書通りの言葉が普通になっているので、使いやすくなっています。


  • 日本語から見た英語の難しさ

    アルファベットはたったの26文字。平仮名があり、カタカナがあり、漢字がある日本 人からすれば少ないのですから、漢字で意味を推測できたり平仮名と片仮名の使い分け で表現が変わるということがありません。並べるパターンが全てですから、単語を知っ ていないと推測することは困難になります。同じ言葉で表現の幅を膨らますのは大変で す。平仮名ばかりの日本語だと読みにくいですが、英語はそれと表現が似ていると思う のです。

    イントネーションについていけない。英語のイントネーションは上下に激しく動きます。 それほど音の強弱に気を使っていない日本人は、棒読みのような印象を持たれやすいと 思います。この違いによって通じる言葉が通じにくくなってしまうことがあります。

    英語は舌をよく使います。同じ音に聞こえても、舌の使い方で違った音になるのが馴染 みにくいと言えます。日本語にはそれほど舌を意識的に使う音がないですから、RとL を「らしさ」で使い分けることになりがちです。

    口の動きが大きい。アメリカ人は本当によく口を動かします。口ばかりではなく、目か ら眉毛までよく動かします。これも強弱を出すためにするのでしょうが、日本語にはそ のような概念がないですから、日本人は構造的にそれほど口を広げることが出来なせん。 それに口をやたら開けたり、眉毛まで活発に動かして喋るのは日本人にとってはあまり 美しい感じはしないと思うのです。

    体で表現。顔の表情と同じように強弱が行きすぎると体全体で話している感がでてきま す。ボディーランゲージが多いというのもこれでしょう。こんなにエネルギーを使われ ては日本人が棒立ちで喋るというイメージを持たれてもおかしくはないと思います。そ う考えると英語を話すというのは疲れることかもしれないと思ってしまいます。

    開音の日本人と閉音の英語。要は子音です。日本人には子音だけで発音するのは舌の構 造上難しいと思います。母音が入りがちです。Tが「ト」になってしまうように、半音 で話し続けるのはなかなか難しいです。

    リエゾンがある。仏語ほどではありませんが、英語も子音の言葉なのでリエゾンが出て きます。単語で区切って話す開音の日本人はかなり慣れないとスムーズに話せません。

    大声で喋る。アメリカ人もそうですが、外人は一般的に声が大きいと感じます。音の強 弱がある言葉が多いからだと思いますが、弱のときはともかく、強のときの音は日本人 にはなかなか出せないのではないでしょうか。強弱の癖がないから、すぐに弱に戻せな いからだと思います。想像ですが、狭い国土の日本は家が密集してるので、小声で話す 習慣がついているのではないでしょうか。日本には大声で喋る人は貴族的な感じがしな いイメージがあると思うのです。

    敬語が発達していないため、人間関係が希薄になっている。自分から会話するときは容 易という意味で長所になりますが、話かけられる場合は敬意を示されているか疑問に思 うこともあります。いきなりの名指しで言われたり、一方的な話し方をされたなど不快 を覚えた日本人の方もいると思います。最低限の敬語がない場合もあるのです。

    直接的な表現が日本人には苦手。言いにくいことは遠まわしに言いたいところですが、 語彙の多さに関わらず英語にはそれを見とめる土壌は日本よりはないと思います。従っ て英語でも日本語的に言いたいときは正直表現に困るものです。言ってしまえばいいの ですけど、そのような直接表現が慣れないと心配になってしまいがちです。ノーと言え ない日本人ではなく、ノーとしか言わしてくれない英語の特徴とも言えると思います。

    スラングがとても発達している。ややこしい表現があまりないためか、英語は直接的表 現が強すぎる気配があります。すなわち一度感情的になると、非常に見苦しい言葉を使 うことが耳に留まります。英語は日本語より感情的と思ってもいいのではないでしょう か。

    冠詞がややこしい。日本人ならずアジア人が悩むのが冠詞と思います。不特定名詞と特 定名詞で差別するのですが、その感覚が慣れるまではとてもややこしく思います。

    複数がややこしい。ものを示すとき、一くくりに一つのものとして考えるか、または複 数と考えるか、など頭を悩ませます。ついついsをつけ忘れる人も多いでしょう。

    日本語にない発音が多い。例えばR、L、F、V、THですが、もっとあるでしょう。 これらの音は馴染みがないからなかなか言えなせん。10代までならともかく、20代 になり舌が固まってしまうと困難です。また、発音できないということは聞き取りにも 影響してきます。

    結論を先に言う言語の特徴。日本語のように起承転結ではなく、結論を言いそれを崩す 形を取るので日本語的な表現が解りにくいと言われます。また、そのような言葉柄のた めに主張が強いイメージがあるのだと思います。単に書き方の特徴としてではなく、語 学的な文化が実際のメンタリティーにも深く関わっていることでしょう。

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    僕の英語力などは大学院や勉強されている方や実際にアメリカで仕事している方とは比 べ物にならないレベルでしょう。それでもアメリカにいて英語に触れていることで少し でも感じた特徴を自分なりに整理してみると解ることも出てきます。


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    K.Wakabayashi
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