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日本とはなんぞや?

(11・15)

アメリカにいるとよく日本のことを考えることが多いのですが、よく外国人からも日本のことを聞かれるときがあります。日本は知っているが、知識だけなのでもっと詳しく聞きたいという外人も中にはおります。しかし、どうもイメージがちぐはぐで一つにまとまらないという人が多いのではないでしょうか。何を話すかによりますが、こちらもなかなか上手く答えられない。一番手っ取り早い答えは「一言で言える国ではない」ですが、今回は敢えて日本のことをまとめて言えるようにしてみたいというテーマです。

日本のことだけでなく、物事を話すには言うところの「プロ」と「コン」が必要です。プラス面とマイナス面ですね。日本のことを話すときは比較的マイナス面を強調してしまうのですが、ここではプラス面のことを中心にまとめていきたいと思います。もちろん僕の考えですが、宣伝のようになりますね。

日本は世界に類を見ない社会的に発達した国。それは欧米的な社会の見方に留まりません。欧米型の資本主義導入で植民地化をのがれ、国土が焦土したにもかかわらず、戦後はその悔しさと持ち前の熱心さで見事に復活、成功し、独特の金融を駆使し、事業を発達させ、経済も一流、テクノロジーは世界トップ。

政治は中国古来の習いを見本とした律令からきた官僚制が根強く、議会よりもビューロクラットが権威を誇る。歴史的にアメリカの傘下から逃れていない。天皇という宗教的君主がいて、和という助け合いの精神が強いから文化的には元々社会主義傾向が強く、福祉やサービスが発達している。付き合いを守るという習慣があり、犯罪は少ない。文化は多様で、異文化を進んで受け入れる性格があり、うまく融合し共存している。外見に重きを置くことからファッション感覚も高い。性については昔から大らか。性格的には貴族性の平穏さと武士的な忠義がある。教育レベルも高く、リテラシーはほぼ100%で大学進学率も世界でも高い。食にもこだわりがあり、量より質にこだわる。質が高いものには金は厭わない。

土地が狭いので人口密度が異常に高い。古くから平野に人が集まり早い段階で都市化が進んだ。農業民族でもあるためと限られた土地ということで土地への執念が強く、人はアパートよりも一軒家を持つことにこだわる。宗教的に自然と密接な関わりを持つので、狭い家にも庭を確保したりする。都市化が早い段階で進んだので交通も発達した。現在でも新幹線の技術は世界トップであり、都市の公共交通も発達している。4つの島も陸路で繋げ、飛行機の国内線も羽田−札幌線に代表されるように世界トップクラスの輸送量を誇る。

日本の領土は亜寒帯から亜熱帯までカバーし、四季がはっきりしているので自然が豊富。また地震地帯である火山帯の上に位置する国で、災害が多い。小規模な地震は多発し、夏前には梅雨があり、夏終わりには台風がくる。

単一民族の国のため、異民族との接触が少ない。そのため、たまに外国人には不自然な反応を見せることがある。日本の常識がどこまで外国に通用するか人によってばらばらに理解しがち。標準日本語での統一が全国に浸透していることから違う言葉に慣れていない。英語は義務教育だが、日本国内で使用する価値が低いのでほとんど会話は不得手。また英語以外の言語になると全く浸透しておらず、日本を訪れる外国人にとっては日本語の取得が必要条件になる。そのような国柄なので、翻訳の需要が進み、外国語を知らなくてもほぼ外国の情報は日本語でわかる。逆に言うと外国の知識は持てるが、それを外国人に伝えることは言語的に苦手である。

日本語は敬語が発達し、言葉使いが文化そのものになっている。日本語は常に発展を続けられる造語の特徴を持っている。言葉を省略する機能は多彩で、実に経済的な言葉といえる。口の動きを最小限にし、韻を踏むなど言葉の流れを気にするので独特のリズム感がある。文法上結論は最後に言い、段階を踏んで物事を考える性格がある。

このようにまとめてみようとしても、到底一言では言えなくなってしまう。日本にはディープな文化があり、絶えず変化していることが伺えます。僕自身もそうですが、日本には目に見えない文化や特徴が幅広くあり、精神的なことが非常に多いと思います。西洋的な実証主義では図れないことが多い。占いなどに代表されるように日本人にはまだまだオカルト的な思想も多く残っていると思います。理論では測れない。そんな日本のことを日本人としてもっと知りたいと思っています。


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K.Wakabayashi
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