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素直なアメリカ像

(5/1/01)

僕は煙草をよく吸う。一時期はさっぱり止めていたのだが、いつからか自分でもわから なくなるほど気付けば吸っている。なるほどこれがニコチン中毒かとも思うが、とにか くまあ吸うほうなのである。

アメリカにいると吸う場所が無くて困るというイメージがありそうだが、慣れてしまっ てそうでもない。逆に日本にいると「こんなところで吸っていいのだろうか」とすっか りアメリカに感化されてしまっているようだ。アメリカ人は煙草を吸わないなどという のは嘘であって、日本よりは吸わない人が多いがどうも吸わない人が強調されていて、 吸う人がいないかのごとくされている。アメリカというのは何事も極端な反応を示し、 それを世界に押しつけようとする。言い訳が大好きな勝手な人々なのである。

煙草は確かに吸わない人にとっては迷惑だろう。しかし世界ではむしろ日本で普通にさ れているように吸う人がいるという前提がある。自分が好きか嫌いかというより、周り に吸う人が多い以上、普通という認識だ。アメリカは個人の権利をオウムのように繰り 返す国なのに、煙草を吸う人の権利は認めない。吸わない人の権利をふりかざし、吸う 人を悪人扱いする。これがアメリカなのである。自分がイエスなら、対岸にあるものは ノーである。キリスト教でいうなら、自分がグッドGoodなら、反対の行動をしているも のはイビルEvilなのである。アメリカは歴史が浅い国だ。この国は物の後先を考えない。 アジアには儒教があるのからより激しいが、アメリカは先に始められたものを後からの ものが平気でけなす。煙草は吸われていた。アヘンなどとかではなく、世界の人々が普 通に楽しんでいた滑稽品を平気で悪者にする。自分のしたいようにする。と言うより、 自分が正しいと思っているから無理に何かを考えるのである。

僕は酒が全く飲めない。酒の匂いを嗅ぐと気持ちが悪くなるほどのゲコだ。しかしだか らと言って酒を飲む者を反対したりはしない。同じくギャンブルも嫌いだが、自分がど うこう思う前に既に存在していて、それを楽しんでいる人が現に大勢いる。それは否定 できない。酒は飲むものだ。ギャンブルもするものだ。と思う。同じく煙草も吸うもの だ、と思う。今は酒が飲めないが、あれだけ皆が喜んで飲んでいるものだ。きっとそこ には楽しい世界があるのだろうと思う。自分が飲めないからってその世界を否定などし ない。煙草を吸わない人も、吸う人が煙草吸ってるのは気持ち良いのだろうな、と思っ てくれてるから煙草を吸わない人も別に気にはしないのだろう。

アメリカは気にする。自分の世界に絶対の自信があるからだ。自信というのは正義でも ある。中世の欧州各国が正義の名をもって十字軍を作ったが、それと似ている。アメリ カ人は自分の国を聖書のごとく見ていることがある。たわけ、と言いたい。自分の国で やってるのはいいが、アメリカの嫌なところはその正義を輸出したがるところだ。アメ リカ人はマクドナルドやコカコーラを正義と思っている。僕らのものを食べて飲めばい いじゃないか、と言いたげだ。僕はアメリカにいても飲むのは録茶である。隣人がエス プレッソを飲むのに、「別に録茶を飲めばいいじゃないか」とは言わない。金もうけが 理由だろうが、アメリカは何のためらいもなく秩序を壊す。彼等は壊すのが大好きなの だ。そして争いが何より好き。争いから生まれる金もうけと、争いを起こして注目を受 けたいのと、争いに勝って自己満足にひたりたいのと、いろいろあるがやはり争いは好 き。大学の授業ではディスカッションなどというが、本当に論義なのだろうか。話し合 って立場を理解するという言い訳を始めに言う。そして立場を決めて争う。好きなほう、 嫌いなほう、を選ばせる。ディスカッションも争い好きの技である。言いたいことはた っぷり言えるからすっきりする。相手の意見にケチをつけることで自分は実に晴れ晴れ する。最後は集団で白黒決めてはっきりする。はっきりしたいというのは争いが好きと いうことだ。それにアメリカ人はあまり人の話を聞かない。つまらないからだろう。

アメリカ人は好きなことをしてすっきりして、それをあたかも正しいように言い訳して すごしてきた。アメリカ人は論理的ではない。結論は既にあるからだ。そこが例えばフ ランス人などとは違う。アメリカの論理は正当化である。理由付け、とも言う。何かし たいことがあるとき、大体それはわがままなのだが、理由を付けて正当化する。そして 思う存分、やりたいことをやる。今のところ世界のほとんどの国がこの言い訳によって 苦い思いをさせられてきた。論理的というなら、アメリカが今までに取った行動を考え てみよう。全てに素晴らしい言い訳が付いている。だから納得されられそうだ。しかし 最も肝心な、なぜアメリカは敢えてこう考えたのだろうと疑問が起こることになる。理 由はあるけど、そこまでしなければならないものか、という疑問もある。それはしたい ことを無理に正当化してやってきたから言い訳も無理があるのである。しかしアメリカ 人は全く認めない。自分が不利になるとすぐに上げ足を取ったり、焦点を別に変えよう とする。自分が有利だと絶対に焦点を変えようとはしない。アメリカ人がよく言う言葉 が「焦点は何かね」というものだ。話を聞くのが面倒になったどうでもいい時によく使 う言葉だ。こちらがそういうと、アメリカ人は「まあちゃんとよく聞け」という。自分 の好きなようにしたいのだ。それでいて常に威圧的である。わがままを理論づくめで言 い訳し、自分の都合の悪いときは負の感情ムキ出しで話す。ずる賢いおこちゃま、とで も言おうか。もしくはクソガキである。

はっきり言ってもいいが、アメリカの大学生はあまり知識がない。特に世界のことにつ いてはあまりに知識がない。日本人のほうが常日頃から情報に囲まれており、物も豊富 なので意外に世界のことは知っているほうなのである。知らないのはそれでいいと思う。 アメリカは別に世界と仲良くしなくても一人で勝手にやって行ける。むしろやっている。 しかしアメリカ人というのは少し知識を覚えると自信満満にそれをひけらかす。そして そのそれほど豊富でない知識を交えて会話をしても、やたら否定したり、僕はこう思う だの、それほど知らないのに自信満満に話す。ま、争い好きであるし、わがままに育っ ているから人の話を聞かないのであろう。

コンニチワ、と覚えただけで日本語が少しわかると誇らしげに言う。だったらハローと 言える日本人は英語が出きるのか?それなら英語の出来ない日本人はいない。アメリカ ナイズされた寿司を食べただけで日本食を語りたがる。日本のことだけではない。例え ば映画に詳しいと言うので話してみるとフェリーニも知らなければ小津も知らない。古 きよきアメリカンクラシックも知らない。が、映画はとても詳しいらしく、自信満満だ。

どういう根拠があってこんなことを言うのか、とアメリカ人に言われそうだ。またはア メリカに感化された日本人も言いそうだが。僕としては何年もアメリカに居て、見たま ま感じたまま、という感じだが、何年もいなくても数ヶ月アメリカにいれば解りそうな ものである。何をどう説明するのだ、偏見だ、証拠はあるのか、と返ってきそうだ。証 拠などもちろんない。しかし、その物言いこそ正にアメリカだ。自分に都合が悪くなる と、一見理論主義に変わる。実は相手の発言をただ否定したいだけなのはすぐにわかる。 アメリカ人はそもそも言い訳が下手である。言い訳しすぎてもうネタがないのか知らな いが、考えなくてもすぐに解る下手クソな言い訳が実に多い。しかしその言い訳を言っ た本人は実に堂堂としている。通じた、と思わんばかりに。

アメリカには差別が多い。人種差別だけでなく、男女差別など根強く残っている。差別 をしたがる、と思う。アメリカ人は人を攻撃するのが大好きである。悪口はアホみたい に沢山ある。すべて下品だ。普通は内に思っていてもそうそう外に出さないのが一応の 常識だと思う。アメリカ人は簡単に外に出す。是非とも出したいのだろう。出したいの だけど、いろいろ言われるのが面倒だから言い訳をする。つまりは差別したい。したい からいろいろ言い訳を考えて差別する。だから差別問題がこんなにごちゃごちゃで収ま りのつかないものになっているのだろう。

裁判を楽しんでいるし、職権乱用は多いし、金のことしか考えてないし、犯罪がなくな るはずがない。国民が自分勝手に生きているのだから。わがままを下手な言い訳で正当 化する。自分が一番かわいく、すぐに争いを起こして、勝って気持ちよくなりたい。こ んな国に戦争した日本は悲しいね。アメリカ人とは冷静に一歩引いてつき合ったほうが いい。そして何より弱味は絶対に見せてはならない。そこをついて言い訳を始めて自分 のわがままを通すのだから。真殊湾、あれはやってはならないミスだった。戦争が悪い のではなくて、やるなら徹底的にやっておかねばならなかった。中途半端な攻撃はアメ リカ人にとっては願ってもないチャンスだからだ。まんまと原爆を落とされた日本。ア メリカと戦う前にこの人種のこざかしさをしっかりと知っておかねばならなかった。未 だに日本人はアメリカに対して批判的な目で見れない。世界はアメリカに対して批判的 な目をするのは当然なのだ。物と土地に恵まれたこんなわがままな大国を気持ち良い目 で見ていたら、またやられてしまう。そしてまた正当化されて泣きを見ることになる。 アメリカは絶対にこりない。地球に実にやさしくない国でもある。

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K.Wakabayashi
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