アメリカって格好いいか?
(06/25/01)
ニューヨークはファッションの町か?ニューヨークに憧れる日本人も残念ながら多いが、 この点に関してニューヨークに住んだ日本人は皆揃って否というだろう。確かに他のア メリカの町から見ればそれはマシなものだが、東京と比べるとまったく格好良くはない。 ニューヨークと言えど所詮アメリカの枠を出てはいない。ださい。アメリカのファッシ ョンというのは日本人を魅了することはない、と僕はそう思う。アメリカの格好が大好 きな日本人もいることは知っている。しかしそれは「アメリカの」という前置きがある からではないか。そういう人達はアメリカが好きなのであって、それがアメリカの格好 に対しても許容しているというだけだと思う。試しにブランド名をふせて日本で売られ ている服、ヨーロッパで売られている服、アメリカで売られている服を見せて、どれが 一番センスがいいかと聞けばよい。アメリカの服を選んだ人はセンスが悪いと思う。そ れか元々アメリカの物は疑いもせずに素晴らしいと思っているかどちらかだ。
アメリカ人は派手か地味かはっきりと分かれる。大学を歩いていても日本の大学と比べ るとアメリカ人の格好はまるで高校生だ。いやいや最近は日本の中学生も服装には気に するからそれ以下だろう。というか、アメリカ人は服装に関して関心がほとんどない。 女の子も可愛い格好をしている人はほとんどいない。夏は大体がTシャツとジーパン。 冬だとTシャツがスウェットシャツになるだけだ。Tシャツもだぶだぶ。靴もスニーカ ーが多い。それもファッション系のスニーカーではなく運動靴である。派手な人はそれ はそれで格好いいわけではない。奇抜だが、センスがいいかと言われると「好きでして るからいいんじゃないの?」と答えるしかない。それに汚い。色の組み合せも悪いし、 体型をよりよく見せるサイズのを着ていない。汚いと言えば、アメリカ人は同じ服を着 る。日本人だとまさか同じ服を2日続けて着たりはしないだろう。アメリカ人はよくす る。気にしていないのだろう。本当の意味で汚い。
街を歩く。と言ってもアメリカの街には歩けるような通りはほとんどないから大体ショ ッピングモールになってしまう。あるのはどこでも同じブランドばかりで個性的なショ ップはない。男モノなどほとんどないと言っても過言ではない。まずモノトーンが多い。 ズボンはジーパンかカーキ色の綿パンである。ジーパンも日本ならビンテージぽいのか らカラフルなものからソフトのようなものまで沢山あるが、アメリカはほとんどベーシ ックの色のみである。綿パンはカーキか黒か茶か。地味な色しかない。靴は運動靴か皮 靴である。Tシャツは無地かださい文字が描いてあるもの。それも材質は極めて素悪。 ぴったりしたものや生地がよいものはない。もちろんアメリカにも少しだけセンスの良 いものも探せばなくはない。が、そういった品は得てしてバカ高い。ブランドの名前で ぼったくっているからである。日本ならどこでもあるようなモノでも高く、まったく欲 しいとは思わない。日本なら安くてセンスの良いものも沢山ある。日本にはアメリカの ブランド品もあるが、日本で売られているものはアメリカで見ないものが多いと思った ほうがいいだろう。アメリカの店舗で売られているものをそっくりそのまま日本に持っ ていったら日本の若者は顔をしかめるだろう。
日本人はブランド好きと言うが、アメリカ人はもっとブランド好きである。日本人はブ ランドと言っても基準はセンスである。アメリカ人はセンスの悪いものでもブランドで 買っている。日本にあるブランド物はセンスがいいが、アメリカのブランド物はセンス が悪い。ニューヨークのコレクションを見てもあきれる。ニューヨーク発のブランドも のと言えば、カルバンクライン、ラルフローレン、DKNY、トミーヒルフィガーあた りだろうか。全く若者には受けないセンスだ。日本ではおっさん達が着る服である。し かしニューヨークでは人気を誇り、それらの名前だけで売れる。モールへ行けばGAP やバナナリパブリックが大人気。はっきり言って騒ぐほどのセンスではない。安かった ら買うようなブランドだ。ブランドの選択肢が少ないことも挙げておこう。アメリカの 経済と同じくアメリカのファッションも独占や寡占で、個性的な服を探すことが難しい。 マクドナルド化とも言うべきか、どこへ行っても同じブランドばかりだ。しかし周りが 皆同じ服(センスの悪い)を着ているので疑いなく同じものを着ている。アメリカが個 性的というのは間違いで、アメリカ人ほど単絡的なのもそういない。
男は男らしさこそ素晴らしいと信じている。男はカラフルなものなんて着ない。着る奴 はゲイである。女はセクシーでなければいけない。それともフェミニズムな人はそれを 差別ととり全く色気がない格好をする。しかし男女差別にうるさいアメリカ女はやたら と女らしさを求めている。男と女は別だとはっきりしている。同等などといいながら男 にちやほやされたいオーラは至るところから伝わってくるのである。男はむさくるしい 格好しかせず、全く外見に気を使わない。つまりセンスを磨く空気がない。女はひたす ら好きな格好をしている。ひたすら露出しているだけの奴。足が太いのにわざわざ太さ を見せるような格好をする奴。三段腹なのにヘソ出している奴。シャツもズボンも可愛 いのに泥のついた運動靴で無駄にする奴。ある意味見ていると楽しいものだ。それから アメリカで思うのはスカート率が非常に低い。まずいないと言っていい。日本の女の子 なら冬でもかわいい格好のためには耐えるものだが、アメリカ人にそんな気概はない。 要は楽な格好が好きなのだ。自分に何より自信があるから周りは全然気にならない。例 えばアメリカ女にノーブラが多いとよく言われるが、それもそうだと思う。ブラが邪魔 だと思えばノーブラで構わない。胸がたるもうが、楽なのが一番。それからブラがすけ すけな人が多い。日本の女性はそういうところまで気を使い、色合わせや着こなしをす るが、アメリカ人はそこまで考えないのだろう。こちらは見たくもないので、もう少し 気を使ってほしい。楽な格好はいい。しかしパジャマじゃあるまいし、外へ出るときは もう少し気を使ってほしい。人間は外見ではなく中身だと言われれば、確かにそうだが、 外見がゼロってこともなかろう。人は見た目でまず人を見るのは確かだ。
アメリカの食事は牛中心で油っぽい。栄養が片寄り肥満がとても多い。何しろ平均で日 本の倍のカロリーを取っているのだ。アフリカが飢餓にあっていてもアメリカ人はどん どん太っていくのである。僕はアメリカでも日本食ばかり食べるが、排他的な理由だけ ではない。日本食のようにバランスよく食べないとアメリカ人の体型になってしまうの である。そんなのは僕には耐えられない。
日本の旅行ガイドブックではアメリカのファッションも肯定的に書いているが、それは かなり無理がある。海外旅行に来ているという興奮から何でも良く見えてしまうのか知 らないが、冷静に見ればアメリカで日本より素晴らしい品物はファッション関係を含め てない。アメリカで素晴らしいものは西欧的な合理的考えかたなど社会的なものである。 それも素晴らしいというより日本とは土譲が違うのであくまでも良く見えるだけである。 アメリカは物価は安い。が、それも全てではない。日本よりはるかに高いものも多い。 そして全体的に質は日本より悪い。アメリカスタイルはアメリカから発進される政治的 で資本主義的なコマーシャルによって人気が出ているだけである。ファッションをアー トとして変に作られたイメージを忘れてセンスを見たときアメリカのセンスは良いかど うかわかるはずである。性格的にアメリカから本当に良いものは生まれないのである。 押しつける力はある。が、それが日本で流行らないように思いたい。日本人のセンスは いい。日本人は自分の感覚でしっかりとアメリカの素を見てほしいものだ。
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K.Wakabayashi
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