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マスコミが問題

(1/31/02)

小泉首相の支持率が30%も下降したらしい。田中外相更迭が原因らしいのだが少々おかしく ないだろうか。田中真起子の外交能力のなさは皆が認めるところ。期待されていたのは外務省 の掃除というか問題を解決することだったらしいが、田中外相がやっていたのは外務省の膿を 国民に知らせて「こんな問題がありますよ」と紹介するだけだった気がする。そんなことは本 来ジャーナリストがすることではないだろうか。これはマスコミの怠満。しっかりしていれば この機に官僚制の問題を国民に知らせ、国民に考えさせるようにするのがもっともだが、呆れ たことに政治家と官僚の茶番劇をワイドショー並みに煽り茶化していた。小泉首相はその茶番 劇で国会が立ち行かなくなったからクビにしたのだろう。本音は「田中がいると問題が違う方 向に導かされるから」だろう。そしてマスコミにとっては有り難い(売れる)田中が舞台から 降ろされるのは困る。その仕返しが支持率発表なんだろう。国民はもう支持してませんよ、と 言いながら実際はマスコミの「余計なことをしてくれたな」という気持ちである。最悪だ。本 来社会や国家の為の正直な報道役であるマスコミが自分達の鬱噴払しに終始しており、更にそ れに国民を使う。

小泉もマスコミを利用して異常な支持率を得ていた感があったからマスコミ側も図に乗ってい るのだろう。つまりマスコミが命令しているのである。明らかに彼らは命令口調で語る。自衛 隊派遣の時もそうだ。政治と国民を繋ぐ媒体ではなく一種の権力である。世論調査などと言っ ているが怪しい。これは常識的に解ることだが、アンケートなどは聞き方によって結果を左右 できる。小泉首相の支持率もどのようにアンケートしたのだろうか。例えば何もその背景を知 らさずにクビだけを強調したら、つまり首相が進んでリストラしてますよ、どうですか?など と聞けば「それはちょっといただけないね」と返ってくるだろう。逆に小泉首相の立場から説 明すれば少なくとも「やむを得なかったのかな」と返ってくるはず。マスコミ側が情報操作し ようと思ったら簡単だ。付け加えるとこれは何の調査かが問題となる。田中外相に辞めてほし くないという願望と、田中外相では問題は解決できないという分析は違うこと。世論調査とは どちらを調査しているのか。願望を分析とわざとはき違えてる感が強い全く信用できないしろ ものだ。第一これまでもマスコミはしっかりと政治の本質を伝えず表面だけを切り取っていい ように報道していたのだから国民はよほどしっかりした頭がないと物事が掴めない。導かれる ままに答えてそれが国民の声となる。本当の声であるマスコミは如何にも中立ですよと言わん ばかり。政治家も国民もなめきっている態度だ。

マスコミの問題はやっぱりGHQなのだろう。考えてみると日本は第二次大戦まで白人世界に 対抗できる唯一の国家であった。当時の白人国家にはルーズベルトといいチャーチルといい、 もの凄い人種差別主義者のリーダーが多い。日本は目の敵きだったろう。だから戦後は徹底的 に日本を骨抜きにした。憲法を押し付けて、重工業の担い手であった財閥を解体し、飛行機工 業を止めさせ、農業国に変えようとし、海外に散らばる日本人を強制的に戻し四島に押し込み、 日本に対するアジアの印象を壊して残虐性を刷りこみ、更に日本人そのものを洗脳した。関心 してしまうのは洗脳に関してだけは日本の機関を使ったことだ。ここまでしたら軍政を強いて も良さそうなものだが、日本のメディアを使わせて洗脳による統治を図った。新聞やNHKラ ジオが戦争犯罪のプロパガンダを流し、東京裁判で東条英機をヒトラーに仕立てあげた。軍政 を敷いていたなら反発も強かっただろうし、日本も変わっていたかもしれない。しかし同じ日 本人が米国の片棒担いでしたので疑うことが苦手な日本人は信じてしまった。

しかしそれでも昭和26年の構和条約締結以後の日本政府の反応はまともだった。GHQは消 えた。そこで一般も政府もまともに戻っている。連合国が決めた東京裁判の戦犯達は国内法で は罪とされないことを国会が認めた。韓国と交渉する時にも、韓国は賠償を求めたが日本側は 韓国と戦争はしていないから賠償はおかしいと今では考えられないもっともな正論を言ってお り、韓国側もそれに押し通された。謝罪もなかった。元農相であった倉石という政治家は憲法 を他力本願過ぎるとして持つべきではないと言ったらしい。実に正論で、普通の国の発言だ。 大元であった米国側でさえ戦後すぐに時制は変わり、朝鮮戦争が起こり連合国も東西に分裂し た為に日本に対する一連の強制を半ば緩めた。マッカッサーも朝鮮戦争を経験して大戦時の日 本の状況が理解できたと心変わりをしている。つまりそれまでは世界で日本だけが白人世界を ジャマする存在だったが、植民地も無くなり、最近はイスラムや中国などの圧力が増した。更 に米国にとってみれば同じ白人国家の欧州は冷戦で弱体化してしまった。やはり戦後から見て、 日本を見る目は相当変わっている。

そのような中で変わらないものはマスコミと憲法だけである。マスコミはいつまでもGHQ精 神から変わらない。日本を骨抜きにするだけの目的の憲法は普通なら残るはずもないが残って いる。このいつまでも日本を骨抜きにしようとする二つ、つまりマスコミと護憲派が今の日本 を悪くした原因であることは否定できない。それに連れて左翼がはびこり、日本の国益を損な う政治家がはびこった。中国や韓国にいいように言われ続ける理由だ。今だにマスコミは反日 ではないか。少なくとも日本国民のためを思ったり、国益を真に考えることはしていまい。平 和とか人権とか、定義しにくい曖昧な言葉で日本を好きなように導いている。ひょっとしてマ スコミはまだGHQを気取っているのではないか。あの政治家に対する命令口調、国民に対す る命令口調を見ているとそう思う。とにかくもジャーナリズムとしてはバイアスがありすぎる。

日本には将来がある。戦後こてんぱんに日本を締め付けてきた米国でさえ良くも悪くも日本へ の見方がどんどん変わっている。日本がもし中国に向かって「いつまでも過去のことでごちゃ ごちゃ言うな、前に進めん」と言ったなら欧州ですらそろそろ日本の意見に耳を貸す時代にな るだろう。米国がもし将来のアジアを懸念した時に日本と手を結ぶ方向を選択したとしよう。 恐らく過去の日本改造計画を悔むだろう。まさかあの時のお先棒役であるマスコミもマッカッ サー憲法もそのまま残っているとは恐れいるだろう。もっともアメリカ人のことだから悔みは しないかもしれない。その時は声高らかに爆笑するのではないだろうか。やれやれまた我々が 日本を改造しないといけないのかと。世界、特に米国と俗に言う近隣諸国になめられない為に 糾弾すべき対象は日本のマスコミである。小泉首相に文句を言うのは筋違いだと思う。

K. Wakabayashi
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