1/8発売のPC WAVE 1999年2月号(ラッセル社出版)特集「1999年・ギョ〜カイはこうなる!」に
"Windows 2000の登場とユニコード実装の進展で新たなラウンドを迎える
「漢字とコード」をめぐる動きに注目!"
なる非道い記事が掲載されてゐます。
諸氏にも一度目を通して批判していただきたいと存じます。
筆者は「日本語の文字と組版を考える会」初代世話人とのことだが
「JISでは漢字が足りない」という不満は正しいか?――と書き、
今の漢字の数で満足しないことは道徳的に悪である、と決めつけてゐる。
この文章がでたらめで、筆者が詐欺師であることは、
加藤弘一氏のページ「ほら貝」http://www.horagai.com に対する永瀬唯氏の批判
http://iw.nifty.ne.jp/iw/nifty/freki/mes/6856.html(←かう雑誌にはあるが
アクセスできなかつた)を長々と引用し(全文の半分近くを占める)、原稿料の荒稼ぎを
してゐることでもわかる。
(馬鹿馬鹿しいことにその引用文中に「『反JISコード』キャンペーンで挙げられた事例が
ことごとく孫引きだった」と孫引きを批判する一節があり、しかもその引用中には
やはり長々とビル・トッテン氏の文章の引用(=孫引き)がある)
永瀬氏の文章は「文字コード」を出しにして、単にお説教をしてゐる文章で
いろいろ蘊蓄を垂れてゐるだけ――例へば「鋳型にはめられることなく自分自身の
判断を確立したい」なるセクションがある。
筆者は文章の最後に「消費者としての不平を唱える前に事実を直視したい」と書いてゐる。
かういふ高圧的な書き方をして「なんとなく」批判は悪いことであるといふ雰囲気を
連中は作らうとしてゐるに過ぎない。
文字コード問題に関する論者はみな、根本的な勘違ひを免れない。
結局今の文字コード問題の根本的な原因は「略字を基準に文字コードを作つてゐる」
といふただ一点にあるのですが、彼らはそれを理解してゐないか、無視してゐる。
今の「常用漢字」も「JISコード」も一貫性のない略字であり、
基準になりうる訳がないのだが、漢字制限論者――略字に拘はる現代日本語の
「保守主義者」が世の中にはなぜか多い。
やはり左翼は死なず――といふことだ。