普段電話相談で母子相姦の悩みを聞いている私ですが、その時相談者に出す答えはいつも同じ。「すぐに止めなさい」です。公共団体の電話相談ですから、建前が優先するのですね。
しかし、これは私の本心ではありません。
母子相姦はお母さん側の問題、息子さん側の問題と両方の要素が複雑にからみあっているのです。すぐに止めて解決するようなケースはかえって少ないのではないかと私は思っています。
たとえば、こういうケースがありました。
1年以上息子さんと関係を続けている40才のお母さんから、息子さんの中学卒業を控えて「これからどうするべきでしょうか?」というお電話を頂きました。
もちろん私の答えはいつものごとく「すぐに止めなさい」でした。
お母さんは息子さんを大変愛しており体の関係を断つことをためらっておられるようでしたが、とりあえず今後の事を考えてキッパリと関係を断ったのです。
ところが、これが思わぬ問題を引き起こすことになりました。
突然体の関係を絶たれた息子さんが、お母さんに暴力を振るうようになってしまったのです。年頃の男の子の性欲は大人が考える以上に旺盛です。いままで毎日のようにしていたセックスをいきなり断たれてしまったのですから、それは息子さんにとっても辛かったことでしょう。かといって暴力をふるっていいという訳ではありませんが....
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息子さんの暴力は、息子さんが全寮制の高校に入ることでとりあえず収まりました。しかしただ問題を先送りにしている状態です。
このケースでは、私は結果的に間違ったアドバイスをしたことになります。
社会通念上では確かに私のアドバイスは間違っていないでしょう。しかし、この家庭内に限って言えば私は間違っていたように思えてならないのです。
この場合、自治体の電話回線を通じていなかったなら私はどう答えるべきだったのでしょうか?
恐らく、無理に関係を絶たず次第次第にセックスの回数を減らしていくようにアドバイスするのが一番良かったのだと思います。もっとも、自治体の電話相談でそう応える訳にはいきませんが...
こと母子相姦に関しては「一般常識」というものがあてはまらない。
そんな風に思う今日このごろです。
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