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辻元清美の逮捕は秘書給与がどうのこうのなどという戯けた理由ではない。

この国を人殺しの利権産業で埋め尽くした
あの時代への回帰を、断固として拒否した社民党の女性議員にありとあらゆる攻撃が絶え間なく続けられていたのだ。執拗な攻撃の延長線上にこの逮捕は策定されていた。

イカれた教祖に縋ってイカれた妄想を膨らませて行った
イカれた時代のイカれた男たちのイカれた末裔たちが辻元・社民党に対して次から次へとどす黒い攻撃を続けてきた。この男たちの利権が狙いを定めていたのは言うまでもなく憲法第9条である。戦後60数年、平和を切り裂き、憎悪を煽ることでしか機能しない病的な利権構造の中でイカれた男たちが腐臭を放ちながら増殖して来た。
来る日も来る日も辻元清美たちは、こういうおとこたちとたたかわなければならなかったのだ。

戦後、既成利権のことごとくを食い潰して来た男たちにはあの時代と同じように
軍事利権しか残されていない。辻元清美が売り飛ばされた巨大な闇の先である。だが本当に売り渡されたのは日本国民の未来だ。

辻元清美が不当に逮捕された理由のほんの一端がここに書かれている。




許せない! 中傷ビラ撒く自民党議員

2001年3月2日・辻元清美 

いやにヤジの多い日だった。
 2月9日の衆議院予算委員会。私が質問に立つと、ヤジのトーンが上がるのはいつものこと。

 「女のクセに生意気だ!」。その日はいつもに増してヤジがなんだか殺気立っていた。議事録を見ると、いたるところに(発言するものあり)とヤジが記録されている。

 外務省機密費の首相官邸上納疑惑(というより、もう公然の秘密)を私が河野外務大臣に糺したとき、「上納はなかったと認識している」とシラを切るので、「もし、そういうことがあったら責任をとるのか」と追及すると、さらにヤジが激しく騒然となった。その中でひとこと、「ピンクボート」がはっきり耳に残った。

 私の質問が終わると川田悦子議員(無所属)が走り寄ってきた。

 「このビラ、あなたの質問の直前に委員会室の中で、自民党議員が撒いていたよ」

 ビラを見て、すぐわかった。昨年末以来、私の選挙区の大阪府高槻市・島本町で組織的に撒かれたり、貼り出されている「辻元清美にだまされた市民のみなさまへ」と題したB4判の誹謗・中傷ビラ。

 私が関わっていたピースボートを「管理売春」の「ピンクボート」だとして私をその「やり手ババア」「日本赤軍の情婦」だと名指しし、私の公約が「高槻市=北朝鮮併合」などとデッチ上げ、 “女性の敵「辻元清美」を高槻市から追放する市民の会”が出したことになっている。女性蔑視とセクシャルハラスメントに満ちているシロモノだ。

 以前、選挙区の小学校のPTA有志の会で講演した時、会場にいた男性が、このビラの内容とそっくりの質問を私に浴びせかけたことがあった。ある自民党府議会議員の弟で、平和問題に取り組む拠点の「ピースおおさか」での映画『プライド』上映で物議をかもした団体の連絡先になっている人らしい。

 選挙区のビラについて被告訴人氏名不詳での告訴の準備中に(2月13日、告訴状受理)、同じビラが衆議院第一委員会室の中で撒かれたのだ。見過ごすわけにはいかない。

 国会内ビラ撒き犯人の目撃証言が次々に出てきた。無所属議員と共産党議員がはじめに状況を説明し、自民党議員が自分の名を出さないという条件で「撒いたのは林省之介議員だ」と明かしてくれた。

 林省之介議員は1996年の総選挙で今の私と同じ選挙区(大阪10区)から出馬して落選。昨年は事前運動ポスターを貼りまくっていたが、直前に自公協力で比例区に転出して初当選。選挙では亀井静香自民党政調会長が何回も応援に来ていた。この小選挙区では私が当選したから、彼としては「辻元清美を高槻から追放しましょう」と記載したビラを撒きたいのは、よーく判る。でも、いくら何でも、あまりにひどいし、情けない行為だ。

 国会法では、国会内での議員への侮辱行為そのものも処罰対象にしている。当然林議員の行為はこれに抵触する。野呂田芳成予算委員長に懲罰申立を行った。警察へ出した告訴状は「氏名不詳」となっているが、少なくともその一人は「林省之介」と判ったわけだ。彼は受験指導で名を上げた「教育専門家」の元大学教授だが、彼のやったことは学校でのイジメそっくり。その上、文教科学委員で教育基本法見直しを含む教育改革を叫んでいる一人。彼は「ビラの内容は事実とは思っていない」「撒いたのではなく、2〜3枚手渡しただけだ」とマスコミに語ったそうだが、語るに落ちる。

 国会レベルでは、女性議員が超党派で野呂田予算委員長に懲罰の申し入れを行った。この委員長の対応も最初は「ナアナアで終わらせたい」だった。ところが、今度は、この予算委員長(元防衛庁長官)が「『大東亜戦争』がアジアを解放した」と発言して大問題に発展。結局、「林省之介君への厳重注意」で終わったが、自民党の予算委員会理事たちも人権感覚や歴史認識に欠ける人たちであることが、よくわかった。

 大阪では女たちが中心になって、徹底的に追及している。ちなみに、林議員から私への陳謝はまだ、何ひとつない。 『週刊金曜日』(353号)



『世界』2002-12月号





2003-6-25の産経
この記事が合図だった。


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