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友朋寮廃寮化
新寮建設は未定

311号1面・大学

 九月十八日の評議会により、有朋寮の即時入寮募集停止と、二〇〇二年度末での使用停止が決定した。この措置は、老朽化の著しい有朋寮は倒壊や焼失の危険性が高く、寮生の身体・生命を最優先に守らなければならないと大学当局が判断したため。これにより、在寮生は期限までに転居しなければならず、また来年度以降の入学者に対する本学学寮の定員枠は大幅に減る。しかし、有朋寮に替わる新寮の建設は未だに具体化していない。(二面に関連記事)

 今回の有朋寮への入寮募集停止は、大学当局内では今年度に入ってから具体的に議論され始めていたという。有朋寮と昨年九月に焼失した昭和舎の老朽問題は、大学当局内でも五年以上前から検討されていた。当初は寮生との合意の上で新寮を建設し、老朽寮を取り壊すという方針であったが、新寮建設の合意は長い間至らず昭和舎が焼失するという事態が発生した。この頃から大学当局内・学生協では老朽寮に関する懸念が強くなり、もはや寮側との合意を待つ時間はないと判断したという。そして各部局の意見を聴いた上で、入寮募集停止と使用停止を九月十日の学生生活協議会で決定し、十八日の評議会で承認された。

 この決定に至るまでの間、寮生との交渉は一切なかった。寮への説明は、学生協の決定直後の十二日に学寮専門委員会と有朋寮との非公式面談が行われ、その時に有朋寮の代表者に今回の決定が伝えられた。大学当局は交渉がなかったことに対して、事前に寮生と要望を聴いた上で決定に至るのが好ましいしいが、募停の決定は有朋寮の危険性が居住に耐えないところまできたという物理的事実に立って行なわれた。寮の管理責任と災害時の責任の所在を考えれば、少なくとも「寮の使用停止時期の判断決定」については、大学が大学の責任において行なうべきであり、緊急性を考えれば、決定のプロセスに必要以上に時間をとるべきではないとの考えを示している。

 今回の募停・使用停止により在寮生は、二〇〇三年三月までに五十人弱退寮を余儀なくされる。在寮生に対して大学側は、他寮や民間アパートへの転居の斡旋を行う予定である。しかし他寮の空きは限られており、またアパートに移るとなると経済的な負担が月あたり数万円増えてしまう。大学側はこれについて、他寮の空き具合については年度末に卒業等で相当数の退寮者が出るので希望者は全員他寮へ移れると考えている。また、アパートへ移る者の負担増は、個人の判断によるので大学として補償する義務はないと考えている。

 さらに、募集停止と他寮が在寮生を受け入れることにより、来年度以降の本学入学者に対する学寮全体の定員が大幅に減ってしまう。これに対しては、新寮建設に向けて最大限努力していくが少なくとも二、三年間は新入学者にしわ寄せが出るのは避けられず、事情を理解してもらうしかないとしている。

 また、十三日には、有朋寮への二通の入寮願が出されていたが、学務部厚生課学寮担当の職員は学生協決定があったからと受理しなかった。この理由は、学生協決定も評議会の付託を受けてなされたものであり、公式決定も同然で、また今回は、寮の危険性による募停なので形式的には評議会の前だが、受理する訳にはいかなかったとしている。

 今回の決定を受けた有朋寮は、大学当局の一方的な通達に憤りをあらわにしている。学生協決定後の十四日、十七日には、片平キャンパスで抗議行動を行い、七、八十人が募停決定の白紙撤回を求めて参加した。

 有朋寮委員会の委員長である仮屋悟志さんは、「私たち寮生の生活にかかわる重大なことを寮生なしでしたことに憤りを感じる。当局はこの間ずっと我々と話し合いの場を一切持たなかった。このようなことを許していたら、今後いくらでも当局の決定を押しつけられてしまう。この責任は追求しなければならない」と語った。今後有朋寮は、在寮生や入学者への生活保障の責任追求、一方的な、募停・廃寮化決定の白紙撤回、新寮早期建設の要求をしていく予定である。

 また各寮とも、新寮を建設せずに有朋寮を廃寮することに疑問を感じており、この決定には反対している。寮連は、「在寮生の生活を奪うばかりか、新入生の入寮する機会を奪うのは許せない。経済的困窮者の教育を受ける権利を奪う行為だ。断固反対する」と述べ、有朋寮を支援することを表明している。


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