Site hosted by Angelfire.com: Build your free website today!
仮面ライダー   入学お祝い号の目次   謝罪

W杯イタリア代表
合宿地を本学に決定
代表監督 「泣きそうな顔」

入学お祝い号8面・大学

イタリアサッカー連盟(IFFA)は四月一日の公式記者会見で、イタリア代表サッカーチームのワールドカップ直前合宿を、本学川内キャンパスで行うと発表した。イタリア代表は今年五月三十一日から行われる日韓ワールドカップへの出場が決まっており、優勝候補の一角と見られている。

イタリア代表は昨年十二月、代表公式スポンサーであるグッヂが約五千億ユーロの赤字を抱えて倒産したため、合宿予定地としていた仙台ロイヤルホテルを利用できなくなった。その後スポンサーとなったフィラーリも倒産するなど、事態は混迷の一途をたどり「ワールドカップ出場を辞退すべきだ」といった意見さえ出ていた。

逆風の中、IFFAは根気強く事態に対応し、無料で宿泊できることを条件に合宿候補地を公募した。

IFFAのホームページでこの公募を知った本学は、すぐに評議会の懸案事項として討議を重ねた。最終的に合宿候補地として応募する運びとなったのは、本学の名を世界中にアピールできることが大きかったという。その後、評議会で東北大学にイタリア代表を呼ぶ会(以降呼ぶ会)を組織し、今年一月の下旬に宿泊施設、練習場所を明記したパンフレットをイタリアに送った。

イタリア代表のトラパットーニ監督が極秘裏に視察に来たのは、パンフレットを送付してから十日後のこと。宿泊施設である川内記念講堂や、練習場所であるグラウンドを見学し「泣きそうな顔」(通訳談)をして帰途についた。この様子から呼ぶ会も半ばあきらめていたので、内定の電話が来たときは冗談かと思ったという。それから呼ぶ会とIFFAは何度か話し合いの場を設け、三月上旬に両者の間で協定案が承認された。

これによると、イタリア代表は川内記念講堂で宿泊する際、本学から布団の貸し出しを受ける。食事は生協を利用し、費用は選手が負担する。また、本学のサッカーサークルと練習試合を行うことも予定されている。

川内グラウンドが芝ではないことが一番の問題となったが、本学が予算を出し改修工事を行うことになった。その代わり、イタリア代表チームはユニフォームに『東北大学』のロゴを入れる。

合宿期間中、川内キャンパスで行われる授業は、青葉山・雨宮キャンパスに分割して行われる。川内キャンパスにある全ての研究棟やサークル部室は閉鎖される予定で、事実上イタリア代表に貸し切られる形となる。文系学部の教授から「研究に支障を来してしまう」と反対する意見もあるが、大学側は問題としていない。

本学の学生はこの発表について「イタリア代表を近くで見れてうれしい」、「東北大学の名が世界に響き渡る」と、おおむね好意的に受けとめている。しかし、イタリア国内の反応は悲観的である。「これでは一次リーグ突破も危うい」、「今回こそと思っていたのに、これではもう駄目」と、一気にワールドカップへの熱が冷めてしまったようだ。

イタリア代表のトラパットーニ監督は、度重なるスポンサーの倒産を嘆き「IFFAで公募した合宿候補地に、たった一つしか応募が来ないとは思わなかった」と苦笑した。イタリア代表は五月十八日に来仙する予定で、飛行機のチケット代金は各選手が負担する。


[back] [index] [next]


Copyright (C) 1999-2000 by 東北大学学友会新聞部
E-mail:tonpress@collegemail.com