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アメリカの北にある国だったカナダが「エルビスが生まれ育った国」になってから4年。
エルビス・ストイコがカナダでどういう存在なのか、やっと自分の目で見られる。


と、気合十分で行ったはずのバンクーバーですが、いざ着いて世界選手権が始まってみれば全てがあっという間に過ぎ去り、こうだという感慨が形にならないまま終わってしまいました。前の二回は「あれを見たこれを見た。聞いてくれ!」というノリで観戦記を書いてきましたが、今回は書きながら何を見てきたのか自分の頭を整理させていただきます。テンション低くなるだろうな…。

今回の題名はこういうあたりで。

「世界選手権疾走記録 1」


準備体操(バンクーバーに行くまで)
2001年の世界選手権がバンクーバーで開催されるということをいつ知ったのかはっきり覚えていないが、多分長野オリンピックが終わった直後だったと思う。「カナダの開催だったらチケット獲るの大変でしょうね。エドモントン(96年)なんて30分で全部売りきれましたし。」という書き込みを読んで「カナダ人でそれじゃ外国人は獲れるのかな?」と思ったのを覚えている。
しかしその時点のエルビスは「アマチュアに残るかどうかはじっくり考えて決める」とコメントしている状態なのでファンとしては2年以上先のことなんて全く考えられず、世界選手権がどこで開催されるかなんて完全に他人事だった。しかしカナダで世界選手権があるならそれまでは残るかもしれない。少なくとも連盟側としてはいてほしい所だろう。

それから2年間でバンクーバー世界選手権は「絶対見に行くもの」に変わったのだから人生何が起こるかわからない。2000年、ニース世界選手権が終わった直後の時点でエルビスはそれ以降の進路を表明していなかったが、こっちはアマチュア続行と決めつけてもうバンクーバーに行く気になっている。

そしてエルビスの方はChampions On Iceツアーが終わった直後の5月半ばにアマチュア続行を宣言した。早いぞ!(別に困ることじゃなかろう)しかも新作のフリーに使う曲が映画「グラディエーター」のサントラであるということまで公開するというおまけつき。エルビスが5月に新作プログラムの元ネタを公開するなんて、去年、一昨年と比べると異例ともいえる早さなのだ(噂は流れるが正式に公開したのはプロアマも始まる9月後半)。そしてついに2002年、ソルトレイクシティーオリンピックを目指すことを表明。
長野オリンピック以降、次のオリンピックについて質問される度に「出たい気持ちはあるが、どうするかは1年1年考えて決める」とコメントしてきたエルビス。
ファイナルカウントダウンが始まりますか。


こうなるとますますバンクーバーは外せない。しかしニースと違ってチケットが速攻ソールドアウトになりそうなバンクーバー、まめに情報をチェックしていないと発売日を逃したらチケットが獲れないかもしれない。
こうなると頼みはカナダ連盟のホームページ。閉じている時にはどうなることかと思ったが、しかしそこはニースに設置したブースで席番号表とスケジュールをチラシでもらえるくらい準備しているカナダ、心配は無用だった。大幅に模様替えして再オープン。(凝っているのはいいが重いのが玉に傷。組織のホームページの宿命か)世界選手権のページもあり、「6月1日、〇時からTicketmasterで発売開始」としっかり予告している。しかもインターネットでも申し込みができる。助かった、電話かけなくてすむ!Ticketmasterの電話番号も書いてあるのでいざとなったら電話と二刀流が可能(矛盾)

つまり。

大物アーティストのコンサートのチケットを取るためにチケットぴあに電話をかけまくるのと同じノリということになるのか。Ticketmasterはチケットぴあとやっていることは同じでその間口を海外にまで広げているだけのことなのだろう。うーんチケットウォーズインターナショナル版。確かにインターネットはある面で地球の距離を縮めることを改めて感じる。
幸い6月1日カナダのお昼前は日本の6月2日の夜中1時。直前までチャット(せいいちさん遊ばせてもらっています)でエール…もとい情報交換し、いざ出陣チケット争奪戦!

アクセスしたもののTicketmasterで買い物をするのは初めてなのだ。どこをクリックしたらいいものやら瞬時に判断ができない。しかも当たり前だが全て英語、余計に判断が遅れる。あーもう、大物アーティストのコンサートチケットは秒単位の勝負なのに!
それでもなんとか申し込みの画面にたどりつく。画面の一番上に「ここをクリックすればTicketmasterは責任をもって可能な限り最適なチケットを提供します」という表示。その左下にレベル1、レベル2、レベル3の表示。
席はいい方がいいに決まっているのだから可能な限り最適の席を提供してくれるならそれに越したことはない。他の部分はほとんど見ずに、その一番上の部分を速攻クリック。名前、住所、クレジットカードのナンバーを入れて……



とれた。




あのー、所要時間15分もないんですけど。




しばらく放心した後で画面をパソコンに保存する。しかし今回チケット代が安く済んだなあ。いつも5万近くするのに、今回約550カナダドルだから…と表示を見ながら気がついた。チケット、レベル2だ!
座席番号を見取り図で確認したが、2階席じゃないこれ!?ヘルシンキで「本当にあそこから見えるのかな?」と思った2階席、遠い!写真撮れない花束投げられない!!
しまったとどのつまりこれはお任せコースということだったのね!?しょせんお任せコース、「確実に取れる」席をまわしてくれるんだから席のランクが落ちるのだ。ああちょっと手間を惜しんだだけでこんな結果になるなんて、いくらジャッジの真後ろとはいえ2階席なんて今までで一番悪い席じゃんか!私一人ならまだいいけど今回友人もいるのに!!

しかしここであきらめてはいけない。出費は痛いがこーなったら会場の入り口でダフ屋になる覚悟でもう一度レベル1にトライ! とクリックすると、えらくあっさりつながる。ラッキー☆と思いきや、「レベル1は売り切れました」との表示。うそお!まだ発売開始20分だよ!?


この後再びチャットで情報交換をしたのだが、始めにお任せコースを選んだことが結果的にましだったことを知ることになった。思うにレベル1の席はツアーがほとんど押えていて一般発売分ではほんの少ししかなかったのではないだろうか?
ここでオリンピック(長野)のチケット獲りを思い出す。あの時も追加発売があってその時にA席がひょっこり取れたりしたのだが…まあスケートが国技であるらしいカナダでチケットの売れ残りなんてないか。

数日後ぶうたろうさんから「バンクーバーのダウンタウンのホテルもうすぐ満杯だって」とのメールをいただく。え――――!?世界選手権のためにもう宿がうまってるの!?
そういえば今回は3月半ば、日本からでもまさに卒業旅行のシーズンとぶつかる。まあ冬のカナダに卒業旅行で行く人はそんなに多くないとは思うが…ってスキーがあったんだ!飛行機も競争率が高いかもしれない。チケット争奪戦はまだ続くのだ。
まさか今回のタイトル、「争奪記録」いや「格闘記録」になるんじゃないだろうな。いや格闘記録は前回の別名か……。


というのが2000年夏の話。まだシーズンインもしていないうちからシーズン最後の試合のチケット獲りであたふたしていたのである。ニースの観戦記を書きつつバンクーバーの準備。どうも感覚が狂う。
とりあえずチケットは獲れた。宿と飛行機の手配はまだ先の話、そのうちなんとかなる。まずは目の前のシーズンだ。

と思いきや、NHK杯3日間とファイナル2日間、今までで一番多く試合を生観戦したにもかかわらずどこか虚ろな'00−'01シーズンになってしまった。エルビスの状況もここまでくるとネタにしないと気が済まないのがファンの意地(←何か違う)。時間に余裕のある方は こちらの直前記をどうぞ。
まさか一度もエルビスの演技を見ないまま世界選手権に突入するとは。本当に何が起こるかわからないものである。


今まで世界選手権は一人で行っていたが、今回は友人Kが同行してくれることになった。今まで国内の試合は一緒に見てきたが、海外の試合は初めて。付き合いが長いので私のテンションはわかってくれてはいるが、世界選手権でしかもカナダでの観戦だから冗談抜きでただではすまないだろう。覚悟しておいてくれ。


宿はユースホステルの予約があっさりオンラインで取れたのだが、飛行機は第一希望の大韓航空が取れずに一万円高いエアカナダになった。大韓航空は安いので、日本−ソウル間というのは韓国へ行きたい人だけではなくソウル経由で他の地域へ行く人も結構利用する。私達だってそうなのだから、確かに競争率も上がるか。
一万円高くなったということより直行便になったということの方が残念な私。トランジットで別の国の空港に降りるというのは行く国がもう一つおまけについてきたような楽しみがあるし、ソウルの空港で韓国版のグラディエーターのDVDを見つけて二人ではしゃぐことを楽しみにしていたのに…(Kはヤグディンのファン)

しかし。
今回10回目の国外脱出だったにもかかわらず、韓国とフィリピンを除いて直行便に乗ったことがない私はそのメリットが頭になかった。当たり前の話だが直行便は所要時間が短くてすむのだ。18日夕方発の飛行機だとバンクーバーに着くのは18日のお昼前。体調が許せば着いてすぐ会場のGM Placeである男子フリーの練習が見られる!親切なカナダ連盟は公開練習のスケジュール、グループ分け、曲かけの順番まで公式ページで公開してくれているのだ。
それにエアカナダは機内サービスがいいらしい。そもそもエルビスファンの私はカナダの航空会社ということだけで嬉しがれるお得な人間。一万円…いや、五千円分はチャラということで(笑)

チケットの方も直前で変更があった。結局ツアーで売れ残りの席があり、また個人的に「チケット譲ります」という人があちこちから出てきた。こうなると情報が手軽にやり取りできるインターネットは本当にありがたい。親切な方々のおかげでレベル1の席をゲットする予定(チケットは現地で受け渡し)。ありがとう!



エルビスが生まれ育った国、カナダでの世界選手権。



実はかなりひねくれている私。スケート観戦という点でカナダという地は一番行ってみたい所であり、また一番行くのが怖い所なのである。
何せ私は阪神が日本一になった時に巨人ファンを宣言して阪神ファン数人を敵に回した過去がある関西人、熱狂的で多数派のファンが持つ横暴さは嫌というほどわかっている。今回エルビスのファンである私はその集団に属してしまうことになるのだ。
立場が逆転することに対する不安が消せない。

しかし。
エルビスがいることになっていたのにいない試合はもう生では見たくない、これ以上リンクにエルビスがいないことに慣れたくない。やっとエルビスの演技が見られる、それでたいていの事は吹っ飛ぶものだ。大体カナダを見てもいないくせに行く前からうだうだ考えてどうする、ナショナリズムがどうとか悩むのはリンクで現状を見てからの話だ!

行くぜ、バンクーバー!!



……本当にこういう気合の入り方だったとはいえ、どうも最近私言葉遣い悪いな(^^;)

(続く)