IEPミーティングで心掛けること 子供が特別支援教育サービスを受けられることになった場合、ミーティングでは個人教育プラン(プログラム)について話し合いが行われるのですが、ここでは、その際、心掛けるとよいことを挙げておきます。
- 初めに話したいと申し出ること
ミーティングが行われる部屋に何人ものスタッフが集まると気持ちが圧倒されてしまい、言いたいことも言えなくなってしまうことがよくあります。また、言いたいことを最後まで待っているとスタッフが他の都合のためにミーティングの途中で去ってしまったりすることもありますので、言いたいことや聞きたいことを考えてきた場合で先に言ってしまった方が気分的にすっきりするという方は、ミーティングの初めに話をしてもよいか聞いてみましょう。
- スタッフに対してポジティブなコメントを言って、ミーティングをポジティブな雰囲気にすること
どんな人でも自分のやっている仕事に対してポジティブなコメントを寄せられると嬉しいものです。必ず自分の子供に対するチームの取り組みを褒め、スタッフ全員の努力に対して感謝の気持ちを伝えましょう。
- 人ではなく問題に集中すること
もしスタッフの意見に同意できなかったり問題点を感じる場合、その問題点が何であり、それが子供にどういう影響を及ぼすのか、なるべく細かくはっきりと伝えましょう。スタッフを責めるという形ではなく、建設的なコメントになるよう子供に焦点を当てる形の言い方をすれば効果的です。(例えば、「○○は、◆◆といったやり方の方がやる気が起こるんです。」というように。)
- 同席できる人を連れて行くこと
両親揃ってIEPミーティングに出席できるのが理想的なのですが、もしそれが不可能な場合、知り合いなど親ほど感情的にならない立場の人をIEPミーティングに同席してもらうと助かることがあります。言い忘れたことなどを代わりに言ってくれたり、モラル的なサポートにもなってもらえます。(例えば、子供のことを知っている家庭教師やセラピストだとか、学校のことをよく知っていて通訳的役割も果たしてくれそうなバイリンガルの人など。)
- 子供の教育目標の優先順位を考えておくこと
ミーティングの前に、どんなことは多少折れてもよいがどんなことは譲れないという目標の優先順位を考えておきましょう。教育目標を立てる場合、大抵5〜6個ぐらいを重視してプログラムに組み入れていくのですが、本当はクラスメートとの年齢に相応したコミュニケーションや社会的スキルをまず学んでもらいたいのに、学校が文法や計算力の方が大切だと言うから…とミーティング中に何も言わないでいると、後になって後悔することになりかねません。子供にとって現地校での経験をより意味のあるものに、そして、後悔の念を少しでも抑えるために、現地校で子供に何よりもまず学んでもらいたいことは何かなど、時間をかけて考えてみて下さい。
- 家でどんなことができるのかを聞くこと
学校以外でどんなリソースが利用できるのか、家でできる活動や勉強の仕方や内容など、学校でのサポートに沿った家でのサポート方法をスタッフに聞きましょう。家と学校でのサポートの仕方に一貫性があるのが子供の学習に最も効果的であることを忘れないように。
- Extended School Yearの必要性を考えておくこと
スタッフがExtended School Year(=サマースクール)の必要性を考えているか確認しましょう。もし必要な場合は、スタッフがお勧めのクラスについての情報をミーティングで得ることが出来ると思いますし、夏休みに別のスケジュールが入っている場合、お勧めのクラスに似た内容をどう代わりに家庭で提供すべきか考える土台になります。
- 理解できないことがあったら必ず口に出すこと
教育分野には教育ならではの言葉や言い回しが多くありますので、わからない言葉を耳にしたら遠慮しないでどんどん質問して下さい。(スクールサイコロジストの私でさえ時々先生の使う言葉の意味がわからないことがあるんですよ。)
- 連絡手段を確認すること
普段の学校のスタッフとのやりとりの手段を確認しておきましょう。たとえば、毎日の連絡ノートがよいのか、或いは、毎月でよいのか、問題があった時だけでよいのか、電話がよいのか、もし電話だったら何時頃がよいのか、Eメールがよいのかなど。ミーティング中にこういったことを話題に入れておくと、IEP書類の記録に残してもらえるので、チームのスタッフからの連絡が統一されます。
- ミーティングを慌てて終わらせないこと
もしミーティングの時間が足りなくなって問題点が全てカバーできなかったと感じられる場合は、ミーティングの続きができるように他の日程と時間をリクエストしましょう。
- メモをとること
ミーティングで話し合ったことは大抵全てIEPの書類として家庭に送られてきますが、その場合、英語になるということとコピーがその場でもらえないこともあるので、話し合いの内容、勧められたこと、家でやるように言われたこと、次のミーティングのスケジュール等、大切なことはメモをしておくと便利です。
06/05