親子のコミュニケーション講座〔1〕:
聞き上手になろうアメリカで英語があまり理解できない状態で生活することは年齢に関係なく非常にストレスが溜まります。親としては、自分のストレスもさることながら、疲れた状態で学校から帰ってくる子供を受けとめてあげる役割もしなければなりません。しかし、ここで効果的なコミュニケーションができないと、「あぁ、お母さん(or お父さん)はわかってない!」と子供はストレスが減るどころか、反対に、気持ちをわかってくれる人が誰もいないと落ち込んでしまうし、親の方は自分の家族に対する思いやりや努力が認めてもらえず悔しいやら悲しいやらで、結局、空回りに終わってしまいます。ストレスで疲れている子供を相手に話す時は、聞き上手になって、まず子供の‘気持ち’を受けとめ、落ち着かせてあげることが第一です。これを機会に普段の自分のコミュニケーションスタイルを見直してみましょう。
子供の話を聞いて即次のようなやりとりに入っている場合は、本当に子供の気持ちを受けとめていることにはなりません。例にあげられている会話で、子供の気持ちのやり場がなくなっていることがわかりますか?どんなに短くても、まず子供の気持ちを受けとめてから、必要なやりとりに移るように心がけましょう。
- 言い換え:子供が言わんとしていると思うことを別の表現で言い換えてみる。
「僕のペン、スコットに取られちゃったんだ。お気に入りのペンだったのに。」
「そうかぁ、ペンを返してほしいのね?」
- 気持ちの代弁:子供の感情を推察して言葉に出してみる。
「試合終了の7秒前に相手に点数を入れられちゃったんだ。絶対勝てると思ったのに。」
「それは、悔しかったね。」
- 気持ちを含めた意味の言い換え:何に対してどういう気持ちになっているのかを表現してみる。
「授業中に話し掛けたのはクリスティの方だったのに、先生は私ばっかり怒ってクリスティには何も言わないんだよ。ずるい!」
「それで、なっちゃんは先生の不公平なやり方に頭に来てるんだ。」
- 意味の要約:子供の言っていることを論理的にまとめて言い換えてみる。
「プロジェクトは金曜日までって知ってたけど、そんなの私には無理に決まってるでしょ、英語が出来ないんだから。で、先生にがんばったけど今日提出できないって言ったら、“なんで前もって言わないんだ!”とかなんとか文句言われて、来週提出しても10点引くとか言うんだよ。」
「つまり、先生に英語が出来ない生徒の立場を理解して、締め切り日をずらしたり、内容を変えたりするような方法をプロジェクトを出す時点で取ってもらいたいのね?」
05/02
- 命令:
「僕は謝る必要ないよ。だって、手を出してきたのはあっちなんだから。」
「駄目!今、謝って来なさい。」
- 警告・脅し:
「疲れたから今日はもう勉強やめる。」
「何言ってんの!宿題終わらせるまで夕飯食べさせないよ。」
- 道徳的な説教:
「カートが僕のノートをいきなり投げたから、仕返しにカートの机をひっくり返しただけだよ。」
「そういう場合は言葉で反論するべきで、行動で仕返しをするのはよくないと思うよ。」
- アドバイス:
「休み時間に誰も遊んでくれないの。」
「じゃ、明日は“一緒にボールで遊ばない?”ってボールを持ってカタリーナに話し掛けてみたらどうかな?」
- 論理的な説得:
「今日は学校に行きたくないよ〜。」
「でも、今日休むともっと授業がわからなくなっちゃうでしょう。そうすると明日はもっと行きたくなくなっちゃうでしょう。それで明日休んだら、明後日はもっともっと行きたくなくなっちゃって、そのうちずっと学校に戻れなくなっちゃうよ。明日のためにも行っておいで。」
- 賛成・賞賛:
「先生が言うからブライアンに本を貸してやったんだ。あいつ他人の本に落書きするから嫌だったんだけど。」
「まぁ、それでも我慢して偉かったわねぇ。」
- 反対・批判:
「テストは70点だったけど、一番難しい問題の答えは合ってたんだよ。」
「で、簡単な問題は間違ってたわけ?」
- 分析:
「ドロシーが最近一緒に遊んでくれないの。」
「なっちゃんの方が何かドロシーを怒らせるようなことしたんじゃないの?」
- 同情・保証:
「今度5分間、皆の前でスピーチしなくちゃいけないんだよ。」
「あら、大変ね。でもなっちゃんなら絶対大丈夫よ!」
- 質問:
「授業中、先生が言ってること、全然わかんない。」
「英単語を憶えてなかったからわからないの?それとも説明の意味が難しくてわからないの?」
- からかい・皮肉:
「なんか、恥ずかしくて質問できないの。」
「あら、あんたでも恥じらいってものがあったのね。」
- 悪口・レッテル:
「オクサナが引っ張るからここがやぶけちゃったんだよ。」
「なんでそういつも問題起こすような子としか友達になれないわけ?」