習得しなければならない2種類の英語


生活に必要とされる英語は大まかに Conversational English*と Classroom English*の2種類に分けられます。Conversational Englishはいわゆる、友達と遊んだり、近所やお店の人達とのやりとりに必要なサバイバル英語で、テレビを見たり、近所の子供達と遊んだりすることで学んでいくことができます。1〜2年でペラペラになる類の英語です。

現地校に通う子供達は、この他、Classroom Englishを学ばなければなりません。これは学校で授業や教科書を理解し、新しい言葉や概念を定義するのに必要な複雑な言語機能をも含むもので、これが英語のみでできるようになるのには5〜7年、リサーチによっては9年かかると言われています。Classroom Englishは日常の英会話とは異なり、例えば、相手のジェスチャーや表情、声のトーンといったボディランゲージなどから、視・聴覚的に学んだり、短期間で集中的にマスターできるものではありません。

子供の成長との兼合いもあり、授業内容を見てみると、3年生あたりから Classroom Englishの比重が特に大きくなり、Conversational Englishだけでも問題なくついていけた2年生までとは状況が変わって、英語が流暢に話せる子供が3年生に上がっていきなり学習問題が深刻になることも少なくありません。英語の環境に置かれれば、自然にある程度習得できる Conversational Englishと違い、授業で聞く言葉が理解できない状態でただクラスに座っているだけでは Classroom Englishは習得できません。その上、Classroom Englishの習得が遅れると、数学や理科、社会といった内容を学ぶこともできなくなってしまいます。家庭で日本語を話している子供が学校でどんなに流暢な英語を話すようになったとしても、授業や宿題の内容をしっかり理解しているのか常に確かめ、日本語での説明やESL教育サービスなどで授業内容を理解するのに必要な概念や基礎知識の習得をサポートする必要があるのです。

*学術用語ではConversational EnglishはBasic Interpersonal Communication Skills (BICS)と呼ばれ、Classroom EnglishはCognitive Academic Language Proficiency (CALP)と呼ばれます。

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05/21 updated