現地校裏話〔2〕:
サポートが必要なのに

これは現地校での話ではなく、学習教室での話なのだが、裏話〔1〕のお母さんとちょっと反対のお母さんのケース。私も結構長い間教えている子で、ディレクターから見ても私から見てもおそらくアスペルガー症候群・高機能自閉症・semantic pragmatic language disorderのどれかであろうと思われる4年生になる女の子がいる。抽象概念の理解や想像力、表現力の学習に問題があり、相手が子供だろうと大人だろうと他人とのコミュニケーションがスムーズに行えず、遊びも幼稚園か小学校1年生ぐらいのレベルで年齢相応とは言えない。決まった儀式的な習慣が見られ、スケジュールや先生の変更に非常にストレスを感じる…などなど。ディレクターによるとお父さんはかなりオープンでディレクターの提案を聞いたり、いろいろ試してみようとする柔軟性があるらしいのだが、お母さんが拒否状態にあり、全くディレクターや学校側の意見を受け付けないらしいのだ。どんな親ももちろん子供がごく普通に成長することを望んでいるだろうし、少々学習が伸び悩んでいようが、それが子供の特徴だと思いたいというのはわかるのだが、子供の教育に関与している複数のスタッフが口を揃えて「個人的なサポートが必要だ!」と言っているのを頭から否定して、自分の都合により、子供のニーズを満たすサポートを拒んでしまう、子供の将来に必要な教育への道を遮断してしまうのはどうかと思う。思春期に入る前の今の時期から、学習サポートだけでなく、学校で言語病理士やソーシャルワーカーからコミュニケーションや社会的スキルを訓練してもらう必要があると思うのだが、学習教室では私は親とやりとりできる立場にないので残念。学校でサポートがもらえないのがかわいそうだと思うし、何しろ将来が心配…。

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09/03