特別支援教育サービスが必要かもしれない要注意信号 ずっと日本で育ってきて、いざ現地校で全く新しい言語と環境で学校生活を始めることになった時に、軽度だったためにこれまで見過ごされてきた何らかの障害が明るみに出ることがあります。文化社会的な学習活動の違いから、日本の学校社会では目立たなかったことが、アメリカの学校では問題になるということも十分有り得るのです。外国語である英語で学校生活を送るため、言語や異文化適応から来る問題なのか、軽度の障害から日本では見過ごされてきた学習困難を起こしているのか、非常に見極めが難しいのですが、もし後者の場合でしたら、子供の将来的な…例えば、再び新しい環境や異文化環境に身を置くことになった場合の問題解決力をつけるためにも、個人のニーズにあった特別支援教育のサービスを受けられることをお勧めします。現地校生活で次の傾向が見られる場合、ESLのサービスだけでは、子供のニーズが満たされていない可能性があると思われるので、注意してみて下さい。
- 視覚的な合図(相手のジェスチャーや表情など)が分からなかったり、絵や図などから学習するのが苦手である。
- ESLの生徒として予想される学習進度から掛け離れて遅く、1年間のESL教育で半年分以下の学習効果しか見られない。
- 英語を学び始める前に、医学的(病気や事故)、心身発達的、教育・学習面に大きな問題があった。
- 生活(衣食住関連)スキルに大幅な遅れが見られる。
- 目で見て学んだり、真似が出来るような学校の日課やクラスの手順がなかなか身につかない。
- 親自身が『うちの子供は変わっている』とか『発達が遅れている』と感じている。
- 兄弟と比べて、英語習得、もしくは、学習進度が著しく遅く時間が掛かっている。
- 個人に合うような学習プランや教授法にもかかわらず、第一言語で学習内容の習得や発達レベルに到達するのに非常に苦労している。
また、言語障害がある場合は第一言語である日本語にも特徴が表われているはずで、英語の質だけでは判断できません。ESLの先生などから英語の機能問題を指摘され、日本語でも次の傾向が見られる場合、特別支援教育のサービスが必要かもしれませんので、注意してみて下さい。
- 非言語面(ジェスチャーや表情など)が文化的に不適切である。
- 基本的なニーズが適切に表現できない。
- 友達とのやりとりはほとんど自分から起こさない。
- 友達から声をかけられても適切に反応できない。
- 不適切な反応を示す。
- 友達にコミュニケーションしづらいと言葉や態度で示される。
- 言葉の代わりにジェスチャーを使う。
- 話題を維持できない。
- 特定の話題に固執し過ぎる。
- 話し手が言い方を変えても、情報を繰り返し聞きたがる。
なお、下にあげるような状態は、ESLの子供にも学習障害を持つ子供にも見られます。ESLの子供の場合、英語環境においてのみ見られますから、日本語環境ではどうか、観察してみて下さい。
- 注意力が続かない。
- 気が散りやすい。
- 空想にふけっている。
- 混乱している。
- 滅多に話さない。
- ジェスチャーを使う
- 一語や一フレーズしか話さない。
- 不適切なコメントをする。
- 記憶力が弱い。
- 理解力が弱い。
- 語彙が貧困である。
- 発音がはっきりできない。
- 文法的におかしい。
- 似た音の単語を間違える。
- 考えや出来事を順番通りに並べられない。
05/21 updated