特別支援教育法:親子の権利〔2〕
Section 504 of the Vocational Rehabilitation Act


Section 504は、連邦から運営資金の補助を受けている公立学校のような機関全てに適用され、障害を持つ子供達が適切な無料公立教育と交通手段やカウンセリングなどの関連サービスを受ける権利を保証し、障害を持たない子供達と同じように教育の機会と利益が与えられるように、差別行為を禁ずる法律です。他の特別支援教育法と異なり、学校には補助金を支給しませんが、IDEA下で特別支援教育の対象として扱われていない障害を持つ子供達の権利を守る役割を果たしています。たとえば、喘息など健康面のニーズのある場合、HIVなど伝染病を持つ場合、ドラッグやアルコール中毒症状のある場合、ADHDなどで知能と学力が平均以上で差が見られない場合などが含まれます。

Section 504で障害と認定されるのは、

  1. 1つ以上の主要な生活活動が身体的・精神的な障害によって大きく制限されている
  2. 障害の記録を持っている
  3. 障害を持っていると思われる
のいずれかの状態ですが、特に(1)が重要で、主要な生活活動の中には、自己管理をすること、手作業をすること、歩くこと、見ること、聞くこと、話すこと、呼吸すること、学習することなどが含まれています。

学校では、IDEAを基にした特別支援教育サービスの資格が認定されなかった場合に、504プランの必要性が協議されます。上記の障害とされる条件を満たし、学習活動になんらかの環境的調節が必要であると判断された場合、個人のニーズに合うように学校側が環境を整えなければなりません。環境的調節(=サービス内容)は、過度の費用のかからないもの、他の子供達の学習を妨害しないものとされており、内容の決定は、先生、親、校長(もしくは、校長に指名されたスタッフ)で行われます。(*多くの学校ではガイダンス/スクールカウンセラーがケースマネージャーを担当。)施行されたサービスは毎年見直しをされますが、学校側が家庭に確認通知の文書を送って、後から電話でサービスの続行を再確認するといった簡単なものでも構わないとされています。個人の学習ニーズが変われば、親、先生、校長(もしくは、校長に指名されたスタッフ)でミーティングを開き、プランの変更を協議します。先生、校長(もしくは、校長に指名されたスタッフ)がサービス内容の有用性に不確かな場合は、サイコロジストや特別支援教育コーディネーターなどに相談することができます。


 Section 504における親の権利


 IDEAとの大きな違い

IDEAによる特別支援と504プランによるサポートの最も大きな違いは、個人の学習目標のプランや個人の学習スタイルに合った教育方法が必要かどうかという点なのですが、IDEAでサポートされる生徒と違って、504プランでサポートされる生徒は通常の授業で学習内容の理解の面での困難は見られないため個人の学習目標や特別支援の先生のサポートは必要とされません。しかし、健康的な理由やその他なんらかの障害が理由で、環境的調節等の便宜がないと他の生徒と同じように授業にアクセスができないとか学習活動に参加できないといった場合に適用されるのが504プランですので、例えば、学校の成績そのものにはそれほど影響が出ていないが、病院で何か生活に支障を来たすような診断をされた場合は、504プランを学校にリクエストすると良いでしょう。また、しばらく504プランでサポートしてもらっていたけれども、学校の成績がどんどん落ちて授業についていけなくなってきたというような場合は、特別支援のサポートの必要性を確認したいというケーススタディ評価のリクエストをした方がいいでしょう。

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05/21 updated