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阿部さんの組込み事例 (TOSHIBA 14LS20 LCD TV)


今回は自作の回路ではなくて、比較的よく流通している汎用基板を入手して組み込んでみました。 組み込みの対象プラットフォームは東芝製の14インチ液晶テレビ14LS20です。

14LS20の外観 

(壁掛けした状態) 新品を¥36,800-で購入

裏蓋を外した状態、黄色矢印のコネクタを抜いてからH型のシャーシーを分解します。

VESAマウントと互換サイズの鉄板とカバーを外すと、メイン基板が取り外せます

基板を安定して動作をさせるためには、チューナーモジュールのAGC時定数を大幅に長くなるように改造することが不可欠です。 上の画像で赤矢印で示したとこが改造を行うポイントです。 


AGCの次定数変更改造

チューナーモジュールのシールドカバーを外してAGCの時定数を増やすコンデンサーを内蔵してみました。(68uF/6.3Vを使用、マイナス側はシールドケースにハンダ付け)

このシャープ製チューナーモジュールはビデオ出力もSIFもAGC時定数設定端子もピンに引き出してあり、シールドケースを開けなくてもAGC次定数変更改造が可能なので、さほど手先が器用でない方でも作業は簡単だと思います。


電源の確保

外部のアダプターから供給された電源(+19V)はメイン基板で電圧を変換してバックライト用に+5Vと共にハーネスでインバーター基板に供給されています。 さらに回路を追加したときはここから電源を拝借できそうです。


組み込みスペースの確保

基板とシャーシーの間にはこの程度の隙間があるので、背の低い部品で作った基板なら問題なく内蔵できそうです。


使用する基板

今回は市販の基板を入手したので、研究のため早速実験してみることにしました、こいうタイプの、比較的よく流通している物です。


電源の安定化

TV本本体から拝借できる電源は+19Vなので、これを安定化した+12Vにしてあげる必要があります、基板自体は0.1A程度しか食わないのですが、組み込んだ時に熱がこもる事を想定して、余裕を持たせ1A用の3端子レギュレーターを使用します。

パワーアンプICの電源ピンから+19Vを引き出し(赤色線)、三端子レギュレターで安定化した+12V電源(橙線)にします。

チューナーユニットのシールドケースのラグにやや太めの銅線をハンダ付けしこれを3端子レギュレターのコモン端子へ、最短距離で発信止めの0.1uFのパスコンを付けました。(この銅線は基板の固定と追加基板のGNDを接続する用途を兼ねさせます)


ビデオ信号の割り込みパス改造

基板をビデオ信号経路に割り込ませるための改造ポイントのクローズアップ画像。


L48のチップインダクターを赤矢印のように90度回転させて片側だけハンダ付けし、もう片側の端子を浮かせ、この間に追加基板のVIN/VOUTを割り込ませます。(今回は配線が短いので同軸シールド線は使いませんでしたが、特に問題はないようです)

配線が完了した状態、GNDはシールドケースを止めてるラグ端子に太めの銅線をハンダ付けし、これを基板のGNDパターンのレジストを剥がしてハンダ付け(4カ所)することで基板を固定したのでヘッダーピンのGND接続用のワイアーは不要です。


配線完了状態

画像のように追加基板が小判ザメ状態に固定できました。

 

追加基板のピンヘッダーは長すぎて干渉するのでショートしないよう短くカットしてあります。

こちらはアンテナ端子側から見た画像、この位置に固定すれば問題なくシャーシーを組み立てることができますし、GNDや信号系の配線も最短で済むのでベストの位置だと思います。


(改造後記)

・電源オンから画像が出るまでは数秒かかるがその後のチャンネル切換えは瞬時なので特に問題なし。
・液晶テレビということもあり十分に安定した画像が得られました。
・バイパスの制御をしていないので通常のチャンネルが僅かに輝度が落ちたような気がする。
・一体型というのは非常にスマートで使いやすいので、壁掛けに金具を自作しちゃいました!