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組込み例 (PIXELA Capty TV PIX-MPTV )


PC用の外付けMPEGキャプチャーボックスで、高画質チューナーモジュールとして人気の高い日立製の超薄型のチューナモジュールPCF-J200ATが使用されている、シールドケース内のサンヨー製LA7567の周辺を改造してボードの取り付けを行う。 非常に小さなチップ部品を使用しているので、改造にはかなりの熟練と器用さが要求されます。 このチューナーモジュールの出力波形を測定してみたところ、非常に安定しており、特にAGC回路の改造は不要かと思われましたが、チャンネルや受信状況次第ではやはり時定数を大きくする改造が必要でした、AGC回路の時定数を長くするにはLA7567のピン16とピン17についてるコンデンサーの容量を大きくします。

改造前 (シールドカバーを外した状態)
Capty Before

左側のICがSIFとVIFの処理IC、右側に見えるのは日本仕様の音声多重処理IC。 AGCの動作を抑制するために実験的に求めた結果より、ピン17に22uFを追加し、RF-ACG回路の動作点にバイアスをかける抵抗22kΩを追加、さらにリップル成分を制圧するための100uFを追加することで、回路の立ち上がり4秒ほどで、安定して動作ができるようになりました。(下の画像を参照)
撮影するのを忘れたので追加した部品が写ってませんが、抵抗は直接基板にハンダ付け、コンデンサはワイヤーで引き出してチューナパックの外側に付けました。 このチューナーパックは非常に部品が小さいので、かなりウデに自信がある方でない限り、このような改造にはトライしないほうが無難でしょう...



改造後
Capty After

赤い線が電源の+5V、電源グランドはシールドカバーに接続、SIF信号はパターンにはどこも引き出してないようだった為 ICに0.2mmのウレタン線を直接ICにハンダ付けして引き出しました。(画像では部品の小ささが判りにくいですが、ICのピンもほぼ同じ太さです!)


ビデオ信号の引き出し部分
Capty Modify Closeup

左の画像で赤矢印下のゼロオーム抵抗(Q201の左側の青色のチップ部品)を取り外してから、その左のチップ抵抗を左に90度回して取り付ける、こうすることでエミッタフォロワ出力と、次段の映像入力回路を分離することができる。そして、この間にビデオ信号処理基板を割り込ませることで、基板のパターンカットをせずに目的が達成できます。

上記改造部分の回路

capty_mod
この回路図で、赤色で示した部分が改造部分、右下の四角が作成した基板に該当する。

作成した2作目の基板をキャプチャーBOXに内蔵した状態の画像(画像はVer1.4の当時のもの)


(改造後記)
本回路の搭載により圧縮された同期信号は再現されますが、Sチャンネルの波形は同期信号がめり込んでいるぶんだけ波形全体の振幅が小さくなるので、AGC回路がそれを補おうとゲインをアップしてしまいます、従って非Sチャンネル受信時と比較すると、相対的に映像部分の振幅が過剰になるため、この機種のように次段でAGCが効かない場合、画面がかなり明るくなって(明度が上がって)しまいます、この現象に対処するにはS解除中の映像部の振幅を絞る細工が必要のように思われます、次のバージョンではSCRMインジケータ用の信号を使ってこの処理機能を追加しようかと構想中です。

また、上の画像ではチューナーパックのシールドケースに蓋がしてありませんが、このまま組み立ててしまうとノイズが飛び込んで受信画像に斜縞やノイズが発生してしまったので、Capty本来の厳重なシールド処理が伊達ではないことを確認できました(汗)