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526 名前:Lv1名無しさん 投稿日:2000/09/14(木) 05:37

第九次リンドブルム戦役で活躍した女将軍マデリーンを称えて作られた勇者像。
それは、アレクサンドリアがバハムートに攻撃されたときに失われたのだが、
ガーネットが国威高揚の目的で復活させたため、その威容を再び白日の元に晒している。
だが、この新しい勇者象も再び破壊される日がやって来た。
マリンは、勇者象の前に立つと足下に置かれている石碑を踏みつける。
マリン「随分と目障りな石碑ね…」
マリンが踏みつけていた石碑には、次のような文書が刻まれていた。

527 名前:Lv1名無しさん 投稿日:2000/09/14(木) 05:37

我ら神に愛されしアレクサンドリア軍の侵攻に対する抵抗と言う全人類に対する犯罪行為を行ったリンドブルムは、偉大なる勇者マデリーンによって打ちのめされた。
彼女はリンドブルムを滅する前に天に召されたが、我々アレクサンドリアの民は彼女の偉業を引き継ぎ、リンドブルム征伐を成し遂げる義務があると余は思う。
余はここに誓う。勇者の遺志を継いで不倶戴天の敵リンドブルムを征服し地上に永遠の平和をもたらす事を。

ガーネット・ティル・アレクサンドロス17世

528 名前:Lv1名無しさん 投稿日:2000/09/14(木) 05:39

マリン「こんな石碑を建てておいて逆にリンドブルムに支配されたでは、笑い話にもならないわね」
マリンは石碑に刻まれているガーネットの名前から目を離すと、後ろに立っている兵士たちの方に振り向く。
マリン「この石碑を壊しなさい。そしてこの目障りな石造を引き摺り下ろしなさい」
兵士たちは命令を受けると、巨大なハンマーを手にとって、嬉々として石碑を叩き壊す。
そして、勇者像にロープを括り付けると、それを引っ張って引き摺り下ろした。
引き摺り下ろされた勇者像は、先の戦役で家族や恋人を失った兵士たちが、許可も出る前に叩き壊す。
広場に連れていかれるのを免れたアレクサンドリア市民は、建物の中や家の中から彼らを恨みがましい視線で見ていたが、実際に抗議することはしない。
やがて、勇者像が跡形もなく粉砕されると、彼らは墓地へと向った。

529 名前:Lv1名無しさん 投稿日:2000/09/14(木) 05:44

マリンたちは、墓地の中央にあるひとつの豪華な墓の前で足を止める。
ブラネ女王の墓だ。
マリン「この墓石を破壊して、下に埋まっている棺を出しなさい」
兵士たちは、憎き仇敵の墓だけあってか、先ほどの勇者像の時よりも力と恨みを込めて墓石をハンマーで砕く。
そして、宝石が散りばめられている、庶民が一生かかっても稼ぐ事の出来ないほどの金をかけて作られた豪華な棺を運び出した。
マリン「今度は棺の蓋を空けなさい」
この命令には、流石に兵士たちも躊躇した。
だが、上官の命令に逆らうわけにも行かず、棺の蓋に手をかける。
リンドブルム兵(恨むんなら、俺じゃなくてマリン様を恨んでくれよ)
兵士はそう念じながら棺の蓋をスライドさせる。

530 名前:Lv1名無しさん 投稿日:2000/09/14(木) 05:45

棺の中からは人のものとも思えないほど巨大な骨が出現した。
絢爛豪華な衣装と、目も眩むように輝く装飾品が身につけられていなければ、人の骨だとは思わなかっただろう。
マリン「凄い太い骨ね…。一瞬ベヒーモスの骨かと思ったわ」
マリンがそう言うと、兵士たちの間に笑い声が起こる。
マリンはブラネの遺骸に近付き、剣を振り下ろした。
そして、何度も剣を振りブラネの遺骸を切り刻む。
兵士たちは最初こそ、その光景に恐れを抱いたものの、次第に興奮してきて歓喜の声を上げた。
リンドブルム兵「マリン様! その象女の身体に俺たちの受けた苦しみを思い知らせてやってください!」
マリンは剣を収めると、兵士たちの方に振り向いた。
マリン「貴方たちもやりたいんでしょ。良いわよ」
マリンは部下たちにブラネの遺骸を痛めつける許可を出す。
兵士たちは、心底嬉しそうに笑った。

535 名前:Lv1名無しさん 投稿日:2000/09/15(金) 00:39

許可を貰った兵士たちは、嬉々とした表情でブラネの屍に攻撃を加えた。
棺の中から骨や装飾品が飛び散って、ブラネの遺骸は見るも無残な姿になっていく。
ブラネの遺骸が変わりゆく様を見て、マリンは実に晴れやかな気分となっていた。
そんなマリンの後ろに、一人の女が忍び寄る。ラニだ。
ラニはマリンを射程に捕らえるとポイズンアクスを振り下ろした。
マリンはライアンの時のように振り向きもせずにブレイクブレイドをラニの方に突き出す。
が、ラニは俊敏な動作でそれをかわした。
剣をかわされたマリンはブラネが変化していく様子を見るのを止め、ラニの方に振り向く。
マリン「貴方…確かラニさんとかいったわね。金次第では自分の親でも赤ん坊でも殺すど汚い女だとか。
    そんな人が、私に何の用かしら?」
ラニはマリンの質問には答えずに、再び斧を振り上げた。
そして、渾身の力を込めてマリンに振り下ろす。
マリンはそれを剣で受け止めると、それをその細腕からは考えられないほどの力で押し返した。

536 名前:Lv1名無しさん 投稿日:2000/09/15(金) 00:44

攻撃を押し戻されたラニは、マリン目掛けてファイラを放つ。
マリン「…貧弱ね。エアロガ!」
マリンのエアロガはラニのファイラを飲み込み、熱風となってラニを襲う。
ラニ「きゃあぁーっ!」
風に身を切り刻まれる痛みと、傷口を焼かれる痛みでラニは叫び声を上げた。
そして、その場に倒れこむ。
マリン「貴方は私たちを敵視しているみたいだけど、私たちは貴方のことなんて歯牙にもかけてないの。
    命が惜しかったら、以後私たちの前に現れないことね」
マリンは倒れているラニにそう言い残して、兵士たちと共に引き上げていく。
ラニはマリンが去っていくと、ブラネの棺の棺の方に向った。
ラニ「はぁ…やっぱり敵わなかった。あれだけ力の差を見せ付けれると、シドさんの遺志なんてどうでも良くなってきちゃったな。
   ここにある財宝を持っていって、あいつの帰りでも待とう…。うん、それが良いね」
ラニは、無残な姿となったブラネが身につけている装飾品を自分の袋に入れると、墓地を後にした。