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キャンパス移転
推進本部発足
学外へのアピールねらう

311号2面・大学

 青葉山県有地へのキャンパス移転・統合を目指す本学は九月十八日の評議会で、キャンパス移転推進本部の発足を正式に決定した。現在、青葉山県有地の明け渡しを巡って、キャンパス移転構想は宙に浮いた状態になっている。この状況にしびれを切らした本学が、移転を早く実現するため、キャンパス移転の方針をいっそう明確に掲げた格好だ。

 本学は一九九四年、片平・雨宮両キャンパスを青葉山に移転させることを表明し、移転計画のための調査等を担当する移転整備調査室(現キャンパス計画室)を設置した。だが、移転先となる青葉山県有地では、仙台カントリー倶楽部が県から土地を賃貸借しており、土地の返還を拒否した。これに対し県側は一九九七年、県有地の明け渡しを求めカントリー倶楽部を提訴した。この訴訟は長期化し、移転計画の実現が遅れる原因となっている。

 キャンパス移転推進本部の本部長には、森勝義農学研究科長が就任する。ほか、委員として各キャンパス推薦の教授七名及びキャンパス計画室長が参加する。

 具体的な活動内容として、一つ目には学外の人々にキャンパス移転に伴う効果―@移転は莫大な建設費を要する巨大なプロジェクトであり、新産業、新企業の創設につながるA移転後の跡地を商業・職業教育施設として活用することにより、学都仙台の都市再生に著しく寄与する―を広く訴える。二つ目には仙台圏における各界、各分野の人々との意見交換の場を設定し、キャンパス移転について話し合う移転推進協議会の設立を目指す。また、移転計画を市民に理解してもらうため、パンフレットの作成やマスコミを通じた宣伝活動をしていくという。

 「雨宮・片平キャンパスの研究者は早期の移転を望んでいる。本学は裁判の当事者ではないので、結果を待つしかないが、長引くのが一番つらい」と、委員である伊藤攻教授は話す。実際、片平・雨宮キャンパスは老朽・狭あい化が進行して、教育研究に支障をきたすまでになっている。本学はこれまで、裁判に対し傍観者的な態度を取ってきたが、裁判に直接的な影響を与えない中で、早期移転への追い風になればと、キャンパス移転推進本部の設置を決定した。

 しかし、仮に裁判に決着がついたとしても、まだ解決すべき問題は残っている。本学は跡地の売却で捻出した費用を移転にあて、不足した予算を文部省に要求する計画だが、国立大学の独立行政法人化で、要求がどこまで通るかは本学の研究成果に左右されるという。

 本学がキャンパス移転・統合を表明してから、七年が経過している。既に移転に対する市民の関心は薄れているのが現状だ。もう一度人々の目を移転構想に向けさせ、議論を活発化させることができるか否か、今後の動きが期待される。


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