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ウィンドノーツ
琵琶湖に吹いた風
鳥人間コンテスト5位入賞

311号5面・大学

 七月二十八日、琵琶湖にて行われた鳥人間コンテスト、人力プロペラ機部門に本学「ウインドノーツ」が出場した。ウインドノーツ製作の「風人」(かざと)は一七〇九・五〇メートルという記録を収め、プロペラ機部門において五位に入った。

 今回、このような好成績を収めることができたのには去年出場しなかった為、時間をかけて機体を製作することができた事が大きい。

 また機体に凝らされた様々な工夫も好成績の要因の一つである。設計、製作の際はまず軽量化を重視した。重くては飛ばず、かといって軽すぎては機体が折れてしまい、そのバランスをとるのに苦心したそうだ。

 他にも当日の琵琶湖の天候を合うように、あらかじめ主翼と尾翼を数種類ずつ作っておくこと、パイロットの負担を少なくすることを第一として機体や飛行法を考案したこと、などの工夫があった。

 材料はおもにカーボン、硬質発泡スチロール、バルサ材という木材などだが、業者に委託するチームもある中、ホームセンターで材料を仕入れ、骨組みの素材から全て自分たちで製作した。全体の骨組みを完成させるのに三ヵ月費やし、機体の完成には七ヵ月以上を要したという。完成した機体は設計上、トラブルが無い限り、五千メートルは飛ぶように作られていた。

 着水した原因は風にあおられた為だが、これについてパイロットの渡辺貴洋さんは「一度水面についた時もここで落ちるわけにはいかない、と思って頑張った。落ちたときも体力的には大丈夫だったので残念だ」と語った。

 もちろん機体の完成まで全て順調だったわけではない。骨組みの製作の際、切るべき部分の反対を切ってしまったり、また材料不足も何度かあった。出発六日前の試験飛行では後部が全壊してしまい、二日で修復したという。試験飛行は川内のグランドで行われていたが早朝三時から七時までと時間が限られており、十分な広さが得られないため端のフェンスに激突したりなどの苦労があったそうである。

 今回の飛行の反省点として、飛行中パイロットに高度を伝えられなかった点がある。他にも来年への課題としてさらなる軽量化、抵抗を減らすためのスマートな機体、等が挙げられた。また早い時期に機体を完成させることも課題の一つだという。試験飛行を多く行うことで十分なデータをとり、パイロットも練習する事ができるからである。  

 来年への抱負として、「もちろん優勝、そして大会新記録となる二十五キロメートルを目指したい」と語ってくれた。成果も課題も得ることができた今回の鳥人間コンテスト、これを生かした更なる飛躍を来年の夏、期待したい。


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