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新寮の具体案発表
個室と共同生活の融合

318号1面・大学

六月末までに大学は、文部科学省に対し、二〇〇三年三月末で使用停止となる有朋寮と二〇〇〇年に焼失した昭和舎に替わる新寮として、新しい学生寄宿舎建設の概算要求を行った。正式に予算が認められれば、二〇〇四年にも新しい学生寄宿舎が完成する。

新寄宿舎では居室はすべて個室となる。ただし、八人ごとにつくるユニット(入寮枠組み)単位で、補食・談話室やユニットバスなどは共有する。大学によれば、このユニット方式によって、個室の利点生かしたうえで、同時に共同生活による教育効果も期待できるという。

また、新寄宿舎には、男女を問わず日本人学生から留学生、学部生から大学院生まで入寮が可能だ。ただし、男女はユニットごとあるいは階、棟ごとに分けて住むことになる。

日本人と留学生は区別をせず、同じユニット内で生活する。留学生との共同生活を通じて、学生に豊かな社会性と自然な国際感覚を身に付けてもらうことを大学は期待している。

ユニットは、共同生活の度合いによって、学生向けのユニットプランAと、大学院生向けのユニットプランBの二種類に分けられる。全四百十六室のうち、プランAは二百五十六室、プランBは百六十人室を占める。

ユニットプランAでは、学生間のコミュニケーションによる教育効果を狙って、共同利用部分が大きくとられている。ユニットごとにエントランスが設けられ、洗面台やトイレなども共同で利用する。捕食・談話室もユニットプランBに比べ広い。一般住宅の8DKに近い構造だ。

ユニットプランBは、勉学や研究がしやすいよう、個室としての機能を高めたタイプだ。各個室にトイレや洗面台などを備え、直接、外廊下と繋がっている。現在の明善寮や松風寮に近いものといえる。

居室の広さは、プランAが十平方メートル、プランBが十二・五平方メートル。ただし、トイレなどの面積を除くとほぼ同じ広さとなる。各部屋の備品は、プランA、プランBともに、机やベット、クローゼットなどがある。さらに冷暖房や電話回線、LAN回線なども設置を目指している。

また、棟全体で共用する設備としては、集会室やランドリー室、管理人室、倉庫、自動販売機コーナーなどが予定されている。

寄宿料は四千七百円。明善寮や霽風寮など他の新規格寮に比べ、四百円高くなる。これは新寄宿舎では、他の新規格寮より一人あたりの床面積が大きくなるため。

新寄宿舎は共に六階建ての二棟からなり、二棟を合わせた延べ床面積はおよそ九千平方メートル。入寮定員は四百十六名で、このうち二百八十六名が日本人学生枠、百三十名が留学生対象枠となる。また、日本人学生枠の男女比は、およそ七・三になる予定だ。

建設予定地は、三条の本学敷地内。三条地区には既に女子寮の如春寮や留学生・外国人研究者専用の寮である国際交流会館などが存在している。大学は、新寄宿舎の建設で学生・研究者間の交流が盛んになることを期待している。

今回発表された大学の計画案に対し、有朋寮など寮側は従来どおりの反応を見せている。有朋寮はそのビラの中で、大学の計画している新寮は学生の権利を剥奪するもので、寮生の自治権を奪うものだとして批判している。


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