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多彩な画風で輝く個性
第四回 美忘展開催

318号4面・大学

六月四日から九日までの六日間、本学学友会美術部による「第四回 美忘展」が、宮城県美術館県民ギャラリーで開催された。

今回の「美忘展」には、三十二点の作品が展示された。展覧テーマが設定されていないこともあって、画風も素材も多様であり、部員一人ひとりの個性が生かされた形となった。        

今回の「美忘展」には、八点のCGコラージュ(※)が出品された。他の絵画作品のように抽象的なテーマのものから、宣伝ポスターまで様々だったが、いずれの作品からも美術の新しい領域を垣間見ることができた。

また、訪れた人の心を捉えたのが、一点だけの出品となった絵本作品だ。ある幼女と青年との再会がほのぼのと描かれ、読後感温かな物語であった。絵も見ごたえのあるもので、ペンで丁寧にデッサンされた線の一本一本と、その上にのせられた美しい彩色が完成度の高さをうかがわせた。

そして、壁に飾られた大小二十三点の絵画作品が人々を圧倒した。使われた画材も様々で、透明感のある水彩は爽やかな風景画に多く使われていた。「白い家がたくさん」という作品は、画家ヒロ・ヤマガタの作品を思わせる程の繊細な描き込みで人々の目を楽しませた。水彩画のみずみずしさは、鑑賞者の心まで潤したに違いない。

一方、重みのある油彩画は、抽象性の高い作品や人物画に多く見られた。何重にも塗り込まれた絵具によって、作者の思いが強く伝わってきた。特に、「アラスカ」という作品に描かれた、厳冬の中に生きる少女の笑顔が印象的であった。

美術は「視覚に訴える芸術」と言われる。これらを鑑賞することは、日常生活では感じられない新たな刺激を与えてくれる。

学友会美術部は、今後、十月と二月に展覧会を予定している。皆さんもお気に入りの作品を見付けに、足を運んでみてほしい。

※ コンピューターグラフィックスの技術を駆使して生み出した美しい配色やイメージと、貼り付けた写真や印刷物などとの調和を楽しむもの。   


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