毎年楽しみにしている学祭が近付いてきた今日この頃、なんつーか、微妙にサボテンを枯らしてみたくなった。そこで、僕は無印に行ってサボテン(五百円)を買ってきた。名前は「ちっち」。ちっちはプロポーション、風格ともにぬ一級品。だけど、けんかはからっきしの三級品。なんとなく愛着がわいてきた。今日からこれを枯らすのか・・・。
十月一日(月)
ちっちに塩をかけてみた。いくらサボテンといえど、水分を完全に抜かれれば枯れるだろう。うん、白くなった。ついでにドライヤーで乾かしてみた。うーん、少し焦げ臭い香りが周囲を漂った。
十月二日(火)
ちっちはまだ生きているっち。さて、今度は何をしよう。少し切り口を入れてみる。そしてつっかえ棒を刺し、切り口を日にさらす。その痛々しさに、思わず唇が歪んだ。ごめん、ちっち。でもさ、いつか分かってくれる日が来るって、僕、信じてるんだ。
十月三日(水)
何気なく、今していることを、友人に話してみたくなった。でも、僕には友人がいないことに気付いた。そこで今日も家に帰り、ちっちと戯れる。傷は昨日より増えている。・・・あ、また増えた。
十月四日(木)
心なしか、ちっちがしぼんできた気がする。そろそろ傷口を塞いでやろう。とりあえず赤チンを塗って包帯を巻いた。ちっちは少し迷惑そうだ。さらに湿布をはった。後で、傷に湿布は貼らないことに気づいた。
十月五日(金)
僕はなにをやっているんだろう。本当にこのまま枯らしていいんだろうか。じっとサボテンを見つめる。なあ、お前は僕のことをどう思う。ちっちはなにも答えてくれない。少しセンチメンタルな僕がそこにいた。
十月六日(土)
今までの僕はどうかしていた。ちっちにやつ当たりをしてもしょうがない。そうだ、たくさんの水をプレゼントしよう。あいつはきっと機嫌を直してくれる。そして、いつものように鋭い棘で僕を刺すんだ。想像するだけで鳥肌が立っちまうぜ、ッキショー。
十月七日(日)
すっかりちっちに愛着がわいてしまった。これを枯らすなんてとんでもない。大事に育てていこう。 そして夕方、水をやろうとちっちのところに行く。なんと、枯れていた。おい、嘘だろ?ハハ、相変わらず演技がうまいな、ちっちは。だまされないぞー、僕は。おい、ちっち。ちっち、ちっち、ちっちー!(号泣)。
十月八日(月)
吉牛が二百八十円になってて驚いた。