ケーススタディを勧められた場合 英語の学習に遅れが見られ、学校側から特別支援教育サービスの必要性をはかるcase study evaluation(ケーススタディ評価)を勧められた場合、スクールサイコロジストの立場からすると、完全に学習問題の原因がわからない限り、そして、バイリンガルサイコロジストが検査にかかわることが保証されている場合は、そういった機会を多いに利用して、子供の学習スタイルの特徴を知っておくべきだと思います。結果的に特別支援教育サービスを受けるにいたらないということになっても、今後の学習発達を考えた上では損にはなりませんし、個人で心理士や言語病理士など全ての検査を受けようとすると何千ドルも払わなければならないところ、学校側から勧められた場合は無料で様々な検査のサービスを受けられるからです。問題があるのは発音だけと原因が明らかになっている場合は言語病理士の検査だけで十分だと思いますが、英語の問題だからと言って言語病理士によるスピーチだけの検査だけを承認するのではなく、サイコロジストにもきちんと検査してもらいましょう。言語の学習発達というのは1つの感覚だけによるものではありませんので、年齢平均と比べての発達レベルだけではなく、個人の各感覚学習機能の比較が重要になってきます。サイコロジストに視覚・聴覚的な学習反応や記憶力の差ですとか言語・非言語学習パターン、アウトプット(話す・書く)の発達パターンの差なども診てもらって下さい。それを知っているかどうかで教える側のテクニックもかなり変わってきます。
フルケーススタディと言われる場合は、視力・聴力の確認、スピーチ・コミュニケーション面、認知・知能面の検査の他、学力、行動機能、家族背景や生立ちを含む社会性と感情面、そして、必要に応じて、身体や指の動きの発達なども検査内容に含まれてきます。(英語だとHealth, Hearing/Vision, Communication Status, Cognitive Functioning, Academic Achievement, Functional Performance, Social/Emotional Status, Motor Abilitiesの8分野に分けられています。)どの分野の検査が必要かというのは親を含めたミーティングで取り決められるのですが、元気にしているからと感情面の心配はいらないと判断するケースが少なくありません。しかし、親や先生の前では見せない思いやストレスなども検査中に出てくることがままありますので、感情面の検査もサイコロジストとしてはお勧めしたいですね。むしろ省略するのであれば学力検査の方であるべきで、これに関しては学校で州の共通テストなり普段の成績など情報が豊富に揃っているので、子供のテスト疲れを避けるのに検査を少しでも短くしたいと思われる場合は、英語による学力検査の省略が最も妥当であるように思われます。
05/21 revised