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舌戦!エーコ VS ガーネット

34名前:第一号??Mail: 投稿日:2000/08/14(月) 01:55
前スレ 975→979→986の続き。
再開の場を設けて頂きどうも。  ガーネットVSエーコ 2R

 

バババババ・・・・エアーシップのエンジン音が深夜のユーノラス大平原に響き渡る。
1人の一見愛くるしい少女が降下階段を早々と駆け下りてくる。
階段の残り5段をひょいとまとめてジャンプして降り立つと、振り返り自分の乗っていたエアーシップに
向かい、軽く手を上げ合図を送る。その合図と共に再びエアーシップは
けたたましいエンジン音と共に舞い上がり、今、辿って来た夜空の空路に上昇し飛び去って行く。
そのエアーシップの操縦席窓にエリンが心配そうな表情でこちらを見つめているのだが
今、降り立った少女にはこれから始まる楽しいショーの期待に意識が集中し、それに気付く様子は無い。
少女の名はエーコ・キャルオル。以前は明るく、愛くるしい少女召喚術士。
しかし今は血と殺戮と暴力の快感に渇ききった邪悪な天使に他ならない。彼女は今丁度、自分の目の前に
立っている、これまた美貌の少女に視線を送る。凍りつきそうな美貌、その裏に隠された果てしない
暗黒の気配。エーコに「招待状」を送った、美麗なる最凶の魔王ガーネットである。

ーー世界屈指の力を持つ2人が今!深夜のユーノラス大平原に対峙した。−−

 

お互い軽く薄笑いを浮かべつつ、視線を向け合い牽制しあっていたが、まず先にガーネットが口を開く。
ガーネット「・・・先ずは我が招待に応じ、このような所までご足労頂きし事・・礼を申すぞ・・。」
地の底から響き渡ってくるかのような凍りつきそうな声。しかしまるで動じた素振りも見せず、
逆にエーコは「素」の少女の高らかな声で「挨拶」を返す。
エーコ「いえいえこちらこそ。お招きに預かり光栄ですわ・・お・ひ・め・さ・ま♪」
からかいを含んだその声にしかも王女である彼女に向かって昔の別称で語尾を締めくくるという
皮肉をかますエーコ。更にわざとらしく王宮式の「礼」のポーズまでもサービスする。
ブチキレてもおかしくないようなこれらの屈辱的な行為にもガーネットは全く動ずる事無く微笑を返す。
ガーネットの様装は先のフラットレイとの戦いに身に纏っていた漆黒のタイツスーツ。
一方エーコの方は紫のアンダータイツスーツに、銀のローブを纏っている。
ガーネットの衣装に一瞥した口達者のエーコが軽い舌戦のジャブを放つ。
エーコ「あらまあ見事なまでに貧相なボディラインですこと!そんな衣装を恥ずかしげも無くお着に召す
おひめさまの精神にはエーコ完敗ですわ〜あははは」ボディラインのはっきりとわかるタイツスーツを
身に纏っているガーネットに挑発的な口調で皮肉る。これまた動じない素振りを見せるガーネットだったが
刹那!!ゴウッとガーネットの身体から青白い波動が巻き起こり彼女の身体全体を覆う。
髪は風圧で逆立ち、緑色に光りしその眼光は一層輝きを増す。戦闘モードに入った様だ。
そして今まで散々皮肉ってくれた目の前のエーコに向かい凍りつきそうな威厳を持った口調で語りかける。
ガーネット「・・そなたのへらず口も今宵が最後となろう・・我が誘い受け、ここへ参りし事、
重々・・後悔させてくれよう・・我に・・死を泣いて懇願する程にな!!!」
さらにガーネットの波動の気勢が上がる。それを見ていたエーコの表情が邪悪の笑みの風貌となる。
エーコ「フフフフフ!そう!そうこないとね!!面白くはないわぁぁぁっ!!!!」
エーコのカッと見開かれた双眼からも緑色の眼光がまばゆく、ほどばしり始める!!
今!!まさに最凶の戦闘ショーの火蓋が切って落とされようとしていた!!








消えない苦しみ

46名前:名無しさん@お腹いっぱい。Mail: 投稿日:2000/08/14(月) 02:21
少女「お母さん、あの人、なんでゴミ箱漁ってるの・・・?」
あどけない少女がラニを指さして母親にそう尋ねた。
少女の母親はラニの姿を見るや、少女の手を強く引く。
母親「シッ!ダメ!
   いいこと?あの人に近づいちゃだめよ、見るだけでもダメ」
少女「なんで、お母さん?あの人、おなかすいてるのかなあ」
母親「町長さんが言ってたでしょ?
   あの人は呪われているのよ。近づいたら食べられちゃうわよ」
少女は母親の言葉を聞き、恐怖に顔をひきつらせる。
二人はそのまま走り去ったが、その会話はラニの耳にも届いていた。
彼女にとって今の状況は絶望的であるのに、
人間的な感情を捨てることすらできないのである。
ラニは・・毒の涙を流しながらただ悲しみをじっと耐えるしかなかった・・・
ラニ「うっ・・・永遠・・・永遠の苦しみ・・・誰か・・・助けて・・・」

















アレクサンドリア城地下牢

49名前:名無しさん@お腹いっぱい。Mail: 投稿日:2000/08/14(月) 02:29
前スレの1000「ビビjrの不安」の続き。
ベアトリクス編 再開

ベアトリクス「ん…」
小さな呻き声を漏らし、ベアトリクスはまぶたをゆっくりと開いた。
ベアトリクス「ここは…」
三方を石の壁に囲まれ、正面には鉄格子。
自分はなぜこのような所にいるのだろうか。いや、自分が牢屋に
いる理由は痛いほど分かっている。エーコの部下であるアサシン達に
捕えられたからだ。
ではなぜ自分はアレクサンドリアの地下牢にいるのだろうか。
辺りを見回しもう一度自分がいる場所を確認する。
やはり間違いない。牢に入ったことこそ初めてだが、幾度となく
訪れたことがあるアレクサンドリアの地下牢だった。
ベアトリクス「確かあの時…私はアサシンに捕えられ、リンドブルム
       の飛空艇に乗せられた。そして窓から見たエーコ大公
       とガーネット様の人知を超えた戦闘。その後、白い
       光が爆発した…」
記憶の糸を手繰り寄せるように口に出してみるが、どうしてもその
爆発の後は思い出すことができなかった。
ベアトリクス「ガーネット様…」
再び、あの時味わった無力感がベアトリクスを襲う。
飛空艇から見たガーネットの恐るべき戦闘力。もはや人である
自分が踏み込める領域ではないのかもしれない。
ベアトリクス「これから私は一体どうすれば…」
牢の壁に背を預け、力なく吐き出す。と…
????「う…ん…」
小さな呻き声がベアトリクスのいる牢へと聞こえてきた。
ベアトリクス「誰かいるのか」
慌てて辺りを見回す。正面の牢ではない。とすると、
ベアトリクスは右手の壁を拳で叩き、語りかけた。
ベアトリクス「誰かいるのですか。いるのなら返事をして下さい」
????「いる…よ…。あなたは…誰…」
途切れ途切れの苦しそうな声、そしてまだ幼い。
ベアトリクス「私は…ベアトリクスです」
自分の名を名乗るとややあって、予想もしなかった答えが返ってきた。
????「知って…るよ。おじい…ちゃん、トット…おじいちゃん…の
     お弟子…さん…だよ…ね」
ベアトリクス「なぜマスターの事を! あなたは一体」
ビビjr6号「ぼく…は、ビビ…お父さんの…息子、だよ。トット…
       おじいちゃんとは…クロマ族の…村、で会ったんだ」














壮絶!!最凶 VS 最凶

52名前:名無しさん@お腹いっぱい。Mail: 投稿日:2000/08/14(月) 02:37
深夜のユーノラス大平原の真っ只中。今まさにここで世界最「凶」の力を持つ
2人が相打つとは一体誰が想像し得るであろうか?しかし今その戦いの幕は開いたのだ。
ガーネット「ハアアアアアアアぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」ガーネットの徒手に魔力が帯びる!
エーコ「??あら?丸腰?私はこれを使わせてもらうわ!!」
そういってエーコは懐から何かペンダントのようなものを取り出す。
とても武器に等なりそうも無い。ヒュンヒュンヒュンと弄ぶかのようにペンダントを回すエーコ。
ガーネット「フン!行くぞぉ!!るぅああああああああああああーーーッッ」
ガーネットが一気にエーコに飛びかかる!!凄まじい勢いで拳撃を繰り出す。
ヴュン!!!シュバァ!!グゥオンッ!!
しかしそのガーネットの魔力を帯びた拳撃はことごとく空を切る。
エーコは余裕の表情でペンダントを回転させながらそれをかわし続ける。
ガーネット「ヌウウウウゥゥゥゥゥゥゥッ!!!」
ガーネットは自らの身体を纏う波動を爆発させエーコをふっ飛ばそうとする。
しかし今度は軽々と爆風の及ばぬ上空に避けられる。ガーネットに一瞬隙が出来、
すぐさまガーネットは防御の体勢を取るが・・エーコは何も仕掛けて来ない!
ただ薄笑いを浮かべたまま手にしたペンダントを回しつづけているだけ。
(・・おかしい・・何故攻撃してこない・・?それにあのペンダントは・・?)
しばし攻撃の手を止めエーコの思惑を探らんとするガーネット。そこへ、エーコが声をかける。
エーコ「あらっ?もうおバテ?年はとりたくないわよねぇ〜♪」
その侮蔑の言葉を聞くや否や再びエーコに突っ込んで行くガーネット。
変わらず空をきる拳撃を繰り出しているうちガーネットはある変化に気付く。
(むう?エーコ・・エーコの身体が・・2・3・・増殖して行く??)
ガーネット「ふん!!小賢しや!!幻術か!!」ガーネットは攻撃の手を止め叫ぶ。
エーコ「・・幻術・・そうね・・まあ50点ってとこね。」
ガーネット「なにをぉ〜〜!?」エーコの言葉の意味がわからず一瞬たちつくすガーネット。
エーコ「これって古代人が作ったっていわれてる・・まあオモチャみたいなモンなんだけれど・・
・・・・こういうことも、できるのよねっ!!」
気が付けばガーネットは20体ばかりにも増殖したエーコにすっかりと囲まれている!!



















いただきキャット注意報

55名前:名無しさん@お腹いっぱい。Mail: 投稿日:2000/08/14(月) 02:42
      リンドブルム周辺におけるいただきキャットの出現について

近頃、リンドブルム周辺において絶対出現しないはずの極悪モンスター「いただ
きキャット」が多々目撃されている。いただきキャットとはその名の通りエリク
サーをクレクレとせがみあげた途端に態度が一変し姿をくらます憎たらしいモン
スターだ。なぜダゲレオにしか生息していなかった筈のいただきキャットが大陸
にも出没したのか。羽で飛んできたという説が挙がっているがこれは理論上不可
能である。いただきキャットの羽は暑いダゲレオ地方で自分の体を扇ぐために進
化したもので決して飛ぶために生えたわけではないのである。じゃあなぜ、いた
だきキャットがリンドブルムにいるのか。最も考えられるのはなんらかの形でダ
ゲレオから飛空艇にしがみつきそれが大陸に流出したと考えられる。また、いた
だきキャットによる弊害も起こりうるだろう。一番危険なのは今までのモンスターの食
物連鎖が崩れることだ。外見が外見だけにいただきキャットをなめてかかるモン
スターが多くいるだろう。しかし外見の割にコメットなんかを使ってくるいただ
きキャットにリンドブルム周辺のモンスターがかなうわけがないのである。そして
この状態が続けばリンドブルム周辺はいただきキャットだけということになり、
モンスターを主食として暮らす人々は食べるものがなくなり死んでしまうであろ
う。そして人々は街から出る際には常にエリクサーを所持し、いただきキャット
が現れた際にはそれを渡さなければならないのである。そんなことになれば人々
のみならずリンドブルムの経済にも影響を与えリンドブルムは大混乱に陥るだろ
う。それを未然に防ぐため我々はいただきキャット排除団体『キャットキラー』
に依頼をし、いただきキャットの撲滅を計っている。今現在いただきキャットは
一匹も捕まっていない。
                            著 ただの一般人

















炸裂!最強魔法

58名前:名無しさん@お腹いっぱい。Mail: 投稿日:2000/08/14(月) 03:21
ガーネット「・・ぬううっ!!?」すっかりとエーコの幻影?に囲まれたガーネット。
四方八方に狼狽の表情で振り向きまくる。
エーコ「・・・さて今度はあたしの番ね!!!!」20体ものエーコが一斉にハモり、
一斉に胸に魔力の塊を生み出す。そして全てのエーコの顔に邪悪な笑みが浮かぶ!
エーコ「・・フレアーーーーーーーーーーーーッ!!!!」(x20)
20体ものエーコがガーネットを囲んだ状態で一斉に最強黒魔法を放つ!!
ドパドパドパァァァァァァァッッ!!!!!核花火の閃光が連続する大音量と共に
一瞬夜空を明に染め上げる。ーーーーーーー寸後エーコの身体はもとの1体となり
シュウシュウと猛煙をあげるガーネットが立っていた現場を覗き込む。
そこは20発ものフレアの爆風でできた巨大な大穴があるだけ。ガーネットの姿は欠片もない。
エーコ「・・・・・消し炭になっちゃったかな・・!!ひっ!」その瞬間!!突如大穴の底から出でた手が
エーコの首をわし掴みにする!穴の奥からガーネットの姿がたちまち現れる。
ガーネットは首をわし掴んだそのままエーコを頭から地面に叩きつけた!!
エーコ「きゃああああっ!!!はぐぅぅっ!!!」ガスゥゥゥッ!!そのまま止めをさそうと
拳を振り上げるガーネット!しかしエーコも下から銀のダガー懐から抜きガーネットの腹を抉ろうとする。
拳を振り下ろすのを止めバッとその場を離れ、エーコも立ちあがり両者再び間合いを取る。
ガーネット「・・思い出したぞ。その首飾り、自らの魔力を分散させる秘術!己の幻術に
分散させた魔力を放たたせたという事か。くだらぬ・・古ぼけたまやかし事なぞ
このガーネットには通じぬわ!!」一方エーコも軽く頭を擦りながら
エーコ「私のフレアから逃れるには深い穴の中で爆風を避ける・・これしかないもんね・・やるじゃない。」
そう、あのフレアを一斉にかまされる直前に素早く地中深い穴を作りガーネットは爆風を避けたのだ。
エーコ「・・お遊戯はおしまい。最大の私の召喚術・・これで勝負するとしましょうか!!」
ガーネット「クククッ望むところよ!来るがよい!!遊びは終わりだ!!」
戦いは一気に最高潮へ!!















究極召喚獣×3!!

59名前:名無しさん@お腹いっぱい。Mail: 投稿日:2000/08/14(月) 04:06
エーコ「・・・召喚術士エーコ・キャルオルの名において来れよ我が僕!!!」
ギャウウウウウウウウウウウウウウウウウウッ突如空が暗転し深い雲の狭間から
竜の化身が厳かに現るる!!しかも3体も!幻獣バハムートだ!!
荒荒しき咆哮を上げターゲットの方を睨みつける。
ガーネット「・・・・・バハムート、ついにここまで召喚獣を操れる様になったか・・」
まるで他人事の様にエーコに話しかけるガーネット。エーコも一瞬困惑の表情を見せる。
ガーネット「・・いつから貴様この様にここまでの魔力を得た?何故だかわかるか?そしてそれが
どのような力なのか理解しておるのか?」エーコはガーネットの言葉を俄かに理解する事が出来ない。
エーコ「・・何って・・そりゃあ私が天才だからよ!!この力も!!この魔力も!!
なんだかいままで出来なかった事全てが容易く出来るようになる!!まるで神にでもなったみたい!!
いえ!!私はもはや神そのもの!!すべてのものはこの私の圧倒的魔力のまえに
ひれ伏すのよぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」
叫び終わるや否や3体のバハムートがガーネットに襲いかかる!!しかしガーネットは
突っ立ったままうつむきまるで避けようともしない。
ガーネット「・・・そう・・確かにお前は天才・・そして・・何もわかっては居らぬ!
この力を!!そして世界の秘密もな!!だからこそ!!ここで殺しておかねばならぬ!!!」
突如ガーネットの身体が光り輝きそして片手を大きく天に向かって振り上げる!
ビヒュッゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー・・
ガーネットの天に振りかざした掌から一閃の閃光が天に向かってほとばしり・・そして静寂が戻る。
エーコ「・・・?なにもおこらないじゃない。さっ!!今度こそ消し炭よ!!」
3体のバハムートがそれぞれ口内にメガフレアの魔力を溜める。
ガーネット「・・5・・4・・3・・」何やら秒読みを始めるガーネット。
バハムート達はガーネットに向けメガフレアx3を発射直前だ!!
ガーネット「・・・2・・・・1・・」
エーコ「ガーネット死ねぇーーーーーーっ!!!!!!!!!!!」
ガーネット「・・・・・・・・・・ゼロ!!!」
その刹那!!!!!!全てが光り輝いたかとおもうと天から静かに赤い光線が舞い降りた。
そしてその光線はエーコの召喚したバハムート・・そしてエーコの立っている個所を指す。
エーコ「・・・・・・・・え?何コ・・・・・」
ドドドドドドドドドッッッパアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァ・・ン
闇夜が瞬時昼間の如くとなりガーネット以外の全てを凄まじい光が大爆音の中へと消え去る。
ガーネット「・・・・貴様も知り得ぬ我が最大の召喚術。そして我がGトランス能力の一端。
・・・・・異世界より伝えられしその名は・・・エデン・・・・・!!!」




















壁越しの二人

61名前:名無しさん@お腹いっぱい。Mail: 投稿日:2000/08/14(月) 04:58
>>49

ビビの息子。その一言にスリプルで眠らせた彼のことを思い出し、
ベアトリクスは口を開いた。
ベアトリクス「あなた、もしかしてまたガーネット様に」
ビビjr6号「アハハ…違うよ。お姉ちゃんに…眠らされたのは、
       一番…上のお兄ちゃん…。ぼく…は、一番、下の子供
       だよ…」
ベアトリクス「そう…」
答えながらも、壁の向こうから返ってくる苦しそうな声に、ベアトリクスは
気が気でなかった。今にも消えてしまいそうなか細い声。
その時彼女はアレクサンドリアの地下牢には、ある特殊な房があることを
思い出した。床に魔方陣が描かれた、魔導士を拘束するための房。
魔法を使った脱走を防ぐために作られたものである。
ベアトリクス「あなたのいる房の床に魔方陣は描かれている?」
ビビjr6号「うん…何だか…力が、入らないんだ…」
やはり…
そして幸運だったのは、ベアトリクスを牢に運び込んだ人間がかなりの
間抜けだったことだった。
その証拠にベアトリクスがいる房の床には魔方陣が描かれていない。
ベアトリクス「動かないで。いま楽にしてあげるから」
いってベアトリクスは壁の向こうに意識を集中した。
ベアトリクス「デスペル」
優しい白色の光が頭の中ではじけるイメージ。
ベアトリクス「どう? 大丈夫?」
再び壁の向こうに向かって語り掛ける。
ビビjr6号「凄いや! なんともない!」
ベアトリクス「そう。よかった」
安堵のため息をついて背を壁に預ける。
ビビjr6号「ねえ。お姉ちゃんはどうしてここに?」
ベアトリクス「私は捕まったんだ。恐らく…ガーネット様に」
ビビjr6号「そっか。ぼくもだよ」
ベアトリクス「大変だな。お互いに…」
ビビjr6号「うん。でもきっとお兄ちゃんが助けてくれるよ。きっとね」
壁を通して聞こえる弾んだ声に、ベアトリクスは自分の膝を抱きかかえた。
ベアトリクス「お兄ちゃんか。頼りにしているんだな。私にはいないから
       うらやましいよ」
ビビjr6号「お姉ちゃん、ひとっりこなの?」
その問いにベアトリクスは唇を軽く噛み、寂しげに呟いた。
ベアトリクス「ああ、私は一人だ。両親さえいない…」















伝説のゾディアックブレイブ

63名前:名無しさん@お腹いっぱい。Mail: 投稿日:2000/08/14(月) 05:09
ガーネットやジタンは強力な軍隊を作り上げつつあったが、エーコもそれは同様であった。
いくらエーコが素晴らしい力を持っていたとしても、同じように強大な力を持つ敵と戦うには駒が必要だったのである。
それも、強力な。
エーコが作り上げようとしたのは、古い文献で知った伝説の英雄ゾディアックブレイブ。
エーコは、ゾディアックブレイブが身に付けていた聖石を加工した物であるステラツィオの同調者たちを集め、
究極の軍隊を作り上げようと考えていたのである。
ステラツィオは人を選ぶものの、それによって得られる力は常軌を逸した物だ。
その力はGトランスと少し似ているが(と言ってもジタンやガーネットほどの力を得られるわけではない)、異形の肉体を得て力を得ることで、
肉体崩壊のリスクは回避することを可能にした。
しかも、異形な者に変身したあとも人間の肉体へと戻れるのだ。
エーコは最初に見つけたステラツィオの同調者ナタリーをゾディアックブレイブの長に据え、
他の同調者を探さすよう命を下す。
そして、その命を受けたナタリーはアレクサンドリアへと潜入していた。















演説の後

64名前:名無しさん@お腹いっぱい。Mail: 投稿日:2000/08/14(月) 05:18
「やれやれ、演説なんてなれない事はするもんじゃないな」
私室に戻ったジタンは肩をすくめてグラスの中身を呷った。
「で、何だ? 聞きたい事があって来たんだろ?」
部屋の隅で無言で佇むミコトにジタンは声をかけた。
しかしミコトは何も答えず、じっと上目づかいにジタンを見続けるだけだった。
「…ふぅ…拗ねるなよ。分かってるよ、エヌオーの事だろ?
ヤツはさっきも言った通り俺たちの軍の指揮官だ。その為に俺が呼んだ。
それ以上でもそれ以下でもないって」
「…でも」
「悪かったよ、お前に黙ってて。でもお前も悪いんだぜ。
ヤツを呼んだ時、お前は地下でこっそり何かやってただろ?」
「…それは」
ミコトの鼓動が早くなった。ジタンはセフィロスコピーの事を
知っていたのだろうか。別にジタンに対して疚しい気持ちで
隠していた訳ではなかったが、隠し事が暴かれるという事は、
それだけで不安感をもたらす。
「いや、その事を責めてるんじゃないって。ただ、いくら身内でも、
お互いのすべてを知ってる訳じゃないって事さ」
「…うん」
「よし、分かってくれたな。それじゃ先に研究室に行っててくれ。
今日中に例の装置の解析を終わらしちまおうや」
「…わかった」
(そう…そうよね…ジタンがわざと私に隠し事なんかするはずないもの…
たまたまそういう風になってしまっただけ…やっぱりそうなのよ)
そんな風に自分に言い聞かせ、漠然とした不安をひととひとつ潰す。
その甲斐あって、研究室につく頃には不安は去っていた。ただひとつを除いて。
(私はジタンに騙されてる…そして騙され続ける事を望んでいる…)

















優秀なモノたち

65名前:名無しさん@お腹いっぱい。Mail: 投稿日:2000/08/14(月) 05:19
『セフィロスコピーと言ったか? ミコトの作った人形は。
放置しておいてもいいのか?』
ミコトが部屋を出るなり、例の『声』が尋ねた。
「どちらをだ? ミコトか、それとも人形か?」
『両方だ』
「ミコトはあのくらいでなくては駄目だ。ミコトを唯々諾々と
俺に従うだけのマリオネットにすれば、結局は俺の目的が
達成されない事にもなりかねない。あいつの作った
セフィロスコピー…ジャンクからあれだけの兵器を作り出せるからには、
今のところミコトは順調に成長している。
わざわざそれを阻害する事もあるまい」
『人形の方はどうだ。あれはなかなか優秀な兵器だ。
余人の手に渡しても構わないのか?』
「いや、心配するには及ばない。お前からミコトが密かにあの兵器を
作っているのを聞いてから、すぐに細工を施しておいた。あの人形を
何に使うつもりかは知らんが、結局は俺の計画を助ける結果になるはずだ。
そう、すべては俺の思う通りに進行している…」
ジタンは窓の外に目を向ける。エリンが艦長を務める
大戦艦パラメキアが今まさに離陸しつつあった。モグネットの報告で、
今のブルネシア駐屯軍の中にはガーネットもクイナもいない事は分かっていた。
ブルネシアでの戦いが勝利に終わるのは確実だった。
ジタンは満足げな微笑を浮かべると、私室を出ていった。





















エーコ逃走

66名前:名無しさん@お腹いっぱい。Mail: 投稿日:2000/08/14(月) 05:22
ーーーーーーーエーコは死んではいなかった。あのエデンの光を受ける寸前、
自分の中での感覚にものすごい働きが起こり危機的感覚をいち早く察知したのだ。
シェル、プロテス、リフレクとありとあらゆる防御系魔法をかけまくった。
しかしエデンの光は完全にエーコの想像を遥かに越える破壊力であった。3体のバハムートは
すべて瞬爆死。自身も爆風をモロに受け、半死半生状態だ。
エーコ「・・・・・・・・は・・・・・・ぐ・・」  今まで見た事もない魔法。
ガーネットの謎の力に今はただ、混乱の極みにあるエーコ。ボロボロのまま動けないエーコ。
・・ゆっくりとガーネットがこちらに向かってくる!エーコが生きている事を知り、止めを刺すつもりだろう。
急いでエーコは、ボロボロの身体に鞭打ち懐をまさぐり始める。
ガーネット「・・まさか生きておるとはな・・これも貴様の能力の成せる技か?
はたまた只の悪運か?・・・・・・・・・どちらにせよこれで最後ぞ。」
魔力を宿した掌をふりかざすガーネット!その時!!
ズダダダダダダッ!!突然の銃撃!!すかさずガーネットは魔力の防護壁を張る。
リンドブルムの伏兵達だ。エーコの送った合図と共に攻撃を開始する。
ガーネット「・・雑魚共が!!・・きてはぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
ガーネットの魔力放出にともない兵達は全てその風に吹き飛ばされて行く!
その間に何とかケアルで回復したエーコが銀竜を召喚しそれに乗って逃げようとする。
兵に気を取られていたガーネットはついその隙を見逃してしまう。
ガーネット「ぬうううううう逃がさぬぅぅぅ!!!」今まさに飛び立って逃げようとする
エーコに掌を向け、止めの黒魔法を繰り出さんとする。その瞬間!再びガーネットに
あの「苦痛」が襲う!!
ガーネット「ががががががががが!!!!!あままままたたたたた・・!!
ききき!!さささささ!!!ままままま!!!かかかかかあああああああ!!!」
頭を抑え何者かに絶叫するかに苦しみ悶える。しかし最後の力を振り絞り
震えながらも何とかエーコに向かい先程の構えをとる。
ガーネット「ぎぎぎぎぎぎ・・貴様だけ・・貴様だけは・・・逃がさぬ!!!」
エーコに渾身のフレアを放つガーネット。フレアの光がボロボロのエーコと
そして銀竜を飲み込まんとした寸前!!フレアの炎が舞い上がるその直前に空間に何か
急に不自然な穴のようなものが生じた。そしてそのままエーコは爆風の中消えて行く・・
ガーネット「・・・確かに殺った・・・はず。・・しかし・・今のは・・?」
(フレアが奴等を貫く際、エーコを消し去った穴のようなものが見えた?そんなばかな・・?)
ガーネット「・・・殺った・・確かに。見間違いで・・あろう。」
そう自分に言い聞かす様に納得せざるを得ない・・。気が付けばもうあの苦痛も消えている・・。
ーーーー誰もいなくなった夜明け間近の大平原で、ガーネットは1人呟く・・。
ガーネット「・・・急がねば・・ならん。奴が・・奴はもう気付いているのか・・?
時間が無い・・はやく・・「あの力」を・・手に入れねば・・奴より・・先に・・。
・・・・・それにしても・・私の中の・・・クソッこいつめ!!常に肝心なところで邪魔をしおるわ!!」
ーーーー夜明けの時は・・近い。



















失意のベアトリクス

70名前:名無しさん@お腹いっぱい。Mail: 投稿日:2000/08/14(月) 06:54
クロマの村でジタンに出会い失意の念でベアトリクスは村を出た。
(・・私は・・結局・・なにをすれば・・よいのだろうか・・?)
クエールの言っていた自分の未だわからぬ秘密・・以前の仲間達の変貌・・
そしてこの・・混乱の迷走を往く世界・・。あまりにも今の自分には謎が多すぎる。
(・・私が・・・世界の混乱を止める・・?一体!どうやって!?私に・・なにができる?)
自問するが答えは返ってこない・・返ってくるのはただただ深い無力感と絶望感。
更に、しつこく追って来るクイナの手先や賞金稼ぎどもの襲撃・・。
絶望の自問を繰り返し、気が付けば敵の血で染まっている自分がいる・・。
(もう・・疲れた・・なにも・・かも・・)半ばやけっぱちになりかけていたベアトリクス。
そこへ突如現れるクイナの手先!しかし今のベアトリクスには戦うということさえ
ついに投げ出してしまいたい無気力感に苛まれていた。
ベアトリクス「(・・・・こいつはたしか・・クイナの部下の・・)」
刺客との激しい戦闘のなか剣を振るうベアトリクスの眼はどこかうつろだ。
ベアトリクス「(・・白のビストロ第なん号だとか・・いってたっけ?・・前に私が
倒したのも合わせて・・こいつは9号ってとこか・・ハハ、こんな時に何をのんきに考えてんだ私・・)」
ガキィィィンッ!!何かが弾け飛ぶ音!弾け飛んだのは・・・・
ベアトリクスのエクスカリバーの方であった!瞬時に白のビストロ9号は
ベアトリクスを蹴り倒し喉下にミスリルフォークを突きつける!ニヤリと笑うビストロ9号。
最早早々に諦めてしまったかのように自嘲気味な笑みを浮かべるベアトリクス。
ベアトリクス「フッ・・・・運がいい奴だ。・・さあ捕らえるなり殺すなり・・好きにすればいい・・。」
ビストロ9号はそんなベアトリクスを暫く見ていたが突如フォークの柄でベアトリクスの
顔面を一撃し、上にのしかかってくる!どうやらレイプする腹積もりらしい。
いつもならばそのような真似は絶対に許さず必死に抵抗するはずのベアトリクスだったが
今のベアトリクスは違った。ボーっと眼はうつろなまま、身体も抵抗する素振りさえない。
まさに、されるがままスタンバイOK状態である。
ベアトリクス「(私を・・犯す・・つもりなのか?・・フッこんな化け物に犯される・・か。
・・それも・・いいかもしれない・・・こんな・・・こんな私なんか・・
こんな私なんか・・・どこまでも・・・・どこまでも堕ちてしまえばいい・・。)
観念しきったベアトリクスをよそに・・ビストロ9号はゆっくりとコトを行おうとする・・・











71名前:タイトルメーカーMail: 投稿日:2000/08/14(月) 07:10
「ストーリーの流れと時系列のまとめ」(前スレッド対応完全版)
http://piza.2ch.net/test/read.cgi?bbs=ff&key=964220008&st=1073&to=1073&nofirst=true
作成致しました、どうぞ。

「目次の目次」(=前スレ1056)
http://piza.2ch.net/test/read.cgi?bbs=ff&key=964220008&st=1056&to=1056&nofirst=true
当方が勝手に付けたタイトルの目次やストーリーの解説に飛べます。

前スレの成り立ちを追う(=前スレ1071)
http://piza.2ch.net/test/read.cgi?bbs=ff&key=964220008&st=1056&to=1056&nofirst=true
前スレの発端と埋もれてしまった作品達を拾ってきました。


72名前:タイトルメーカーMail: 投稿日:2000/08/14(月) 07:14
あ〜、コピペして直すのわすれてしまった…。

「前スレの成り立ちを追う」(正しくは下のURLです)
http://piza.2ch.net/test/read.cgi?bbs=ff&key=964220008&st=1071&to=1071&nofirst=true

失礼いたしました。


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