Site hosted by Angelfire.com: Build your free website today!


繁栄と荒廃

559名前:やっぱり、私がエーコも書かせてもらおうかなMail: 投稿日:2000/08/19(土) 09:44
リンドブルム城内には、トレノの貴族や大商人がエーコに献上した財宝が山となっていた。
それらは既存の宝物殿に収まりきらず、城内に溢れかえっていたのである。
献上品は、ナグラロクやエクスカリパーと言ったイミテーションや、呆れるほど高価な骨董品。
果ては美女の剥製まで多種多様な物であったが、それらはエーコの関心を引くことはなく、
エーコのどす黒い欲望を満たすこともなかった。
だが、そんな財宝の中にも唯一エーコの関心を引く物があった。
旧文明の産物と言われる機械。ジャンクションエルオーネである。
エーコはこの機械を用いて、他人の身に起こったことをを追体験することが出来た。
トットが新たな肉体を得たことを知ったのも、この機械によってである。
エーコがダイヤモンドの散りばめられた悪趣味な黄金椅子(これも献上品である)に腰掛けていると、
高価なガラクタが累々と積み重なった謁見室に、オルベルタが参上した。
オルベルタ「オルベルタ、下命を受け参上しました」
エーコ「うむ、オルベルタ、お主を呼んだのは他でもない。これらの財宝のことだ」
オルベルタ「はい」
エーコ「今の宝物殿ではこれらの財宝の置き場が間に合わぬ。国民を動員してこれらを収めるための宮殿を造れ」
オルベルタ「ははーっ」
エーコは国民を強制労働へ駆り立てつづけた。
国民の疲弊も省みずに。
リンドブルムはエーコの政治のおかげで、未曾有の繁栄を得ていた。
しかし、数多くの病根も抱えていた。
強引な景気回復策による、貧富の差の拡大。
それによって多発する、多くの組織的犯罪。
このような状態なら、いつ反乱が起こっても不思議ではなかったが、
犯罪者を取り締まると言う名目で作られた、恐怖政治の代名詞治安維持部隊と、
密告の推奨によって国民同士に疑念を持たせることで、反乱を防いだ。
今や、リンドブルムの一般市民たちは、生きること自体が呪いであるとしか思えなくなっていた。
男たちは女の裸にのみ目を輝かせ、女は僅かな金を得る為に金満家の肉棒を咥える。
子供たちは夢や希望と言った物を一切持てず、自分を生んだ親を恨み、憎み、密告した。
リンドブルムは見た目こそ繁栄していたが、人々の心はそれに反比例するように荒廃していたのである。



















まかり通る暴虐

573名前:名無しさん@お腹いっぱい。Mail: 投稿日:2000/08/19(土) 18:38
ダリに駐留するアレクサンドリア兵の暴虐は、
日増しにその悪辣さをエスカレートさせていた。
酒や煙草といった嗜好品はすべて管理の名のもとに
軍に徴収され、それどころか食糧さえも生きていく為の
最低限の量を支給されるのみで、その大半は軍の食糧庫に
しまい込まれ、無軌道な乱痴気騒ぎに明け暮れる兵たちに
よって無為に浪費されていた。顔つきが気に食わんと
言っては殴られ、へりくだった態度に虫唾が走ると
言っては蹴り飛ばされる。ダリの村民にとって日々を
生きるというのは、生きながら地獄に落ちる事と同義であった。
「助けて! お父さん!」
突然現れた3人のアレクサンドリア兵によって訳も分からず
店から引きずり出された酒場の看板娘スライの顔は、
恐怖のあまり紙のように血の気を失っていた。
「ま、待ってくれ、娘に何をするんだ!」
スライの父親が兵の1人に追いすがる。
「…ない…で」
「は?」
「汚い手で俺に触るんじゃねぇっっ!」
「ぐぼはぁっ!」
いかにも喧嘩慣れしたといった風な一撃が、前触れも無く水月に
叩き込まれ、スライの父親は激痛のあまり地面をのた打ち回った。
怯えた様子で遠巻きにその光景を見ていた村人たちに向かって、
リーダーとおぼしき兵がサディスティックな笑みを浮かべつつ告げた。
「つい先日、この村で何者かによって2人のアレクサンドリア兵が
殺された事は、如何に低脳な気様らでもまだ覚えているだろう。
女王陛下の正しき臣民ならば、社稷を支える我らアレクサンドリア軍に
刃を向ける筈がない。となれば、これはリンドブルムかブルメシアの
息のかかった売国奴の仕業である事は間違いない。我らはその非国民を
狩り出すための特命を受けた、特別捜査官である。そしてこの娘は
我ら独自の捜査によって割り出された容疑者の1人。十分な取調べが
必要なのだよ。そうだな、同志諸君」
「その通りでさぁ隊長、ウェヘヘヘヘ」
「ヒッヒヒヒヒヒ、十分に、十分にねぇ」
「繰り返すが我らは女王陛下の代理人。よって! 我らの意思は陛下の
意思! 我らに歯向かう者は国家の敵! そしてこの男は我ら捜査を
妨げた。こいつが反アレクサンドリア分子である事に疑う余地はない。
よって! ここに国家の平和の為に誅殺するものである!」
そう言うや否や、隊長はまだ地面に這いつくばっていたスライの父親の
背中に剣を付き立てた。苦悶の表情を浮かべ、僅かな時間
激しく痙攣したかと思うとあっけなく息絶える父親の死に様を
目の当たりにし、あまりの事態に意識を失うスライ。
何の躊躇もなく容易く命を奪うその様に、周囲の村人は凍りついた。
「おっと、簡単に気絶はさせないぜ、お嬢ちゃん」
兵の1人はくずおれるスライの頬を鋭く打ち据え、無理矢理意識を戻させた。
「どうせ今夜は何度も気絶するような目にあうんだ。今からそう簡単に
気絶してもらっちゃ、俺たちも面白くねぇんだよ、ヒッヒヒヒヒッ」























フードの男

574名前:名無しさん@お腹いっぱい。Mail: 投稿日:2000/08/19(土) 18:38
「た…助けて…誰か助けて…」
うつろな瞳でふらふらと村人達の方に向かって歩いていくスライ。
しかし村人は兵に目をつけられるのを恐れ、一様に彼女から目を逸らした。
村人がどう対応するのか分かっているアレクサンドリア兵は、
スライを制止しようともせず、ただただ嘲笑するだけであった。
スライを避けるように人々の輪が広がる中、旅行用のフード付きのマントで
体を覆った旅人と思しき男は、事態が飲み込めないのか最初にいた場所から
一歩も動かず、事の推移を見守っていた。結果として最も近い位置にいた
その男に、スライはすがりつくような形になった。
「た、助けて…」
それでも必死の懇願を受け入れるでも拒否するでもなく、微動だにしない
その男の態度が癇に障ったのか3人組は男を取り囲み、隊長は彼の胸倉を
掴んで凄んだ。
「なんだぁ、あんちゃん。気にいらねぇなぁ、そのいかにも『私には関係
ありません』てなスカした態度はよぉ。見たところ、この村の人間じゃ
ないようだな? まあこんなご時世だ、スパイの可能性アリって事で、
おまえにも一緒に来てもらおうか。今更嫌とは言わせないぜ」
「さっきのお前の言葉…」
旅人が初めて口を開いた。
「あん?」
「けだし名言だな。汚い手で俺に触るな、か。まさしく俺も同感だ」
そう言って旅人は軽く隊長の胸を押した。すると旅人の胸倉を
掴んでいた筈の隊長は、何の抵抗も無く後ろに倒れた。何が起こったのか
理解できず、混乱する隊長の眼前に、旅人は何かを投げてよこした。
「忘れ物だぞ」
それは隊長の手首より先、両の手であった。それを理解した瞬間、
両手首の切断面に灼熱の激痛が生じ、隊長は悲鳴をあげてのた打ち回った。
当の本人にすら気づかせる事無く手首を切り落とすという凄惨な手段で
隊長の縛めを解いた旅人は、魔術のようにいつの間にか手の中に収まっていた
短剣を構え、マントを脱ぎ捨てた。
「軍を投入する前に魔道士のプラントをこの目で見に来ただけだったが…
ちょうどいい機会だ。実戦での腕が衰えていないか、久方ぶりに試させて貰おう」
かくしてその旅人─ジタンのその一言によって、長く悪夢として記憶される事になる
ダリ攻防戦の幕が切って落とされたのである。










574名前:タイトルメーカーMail: 投稿日:2000/08/19(土) 20:14
ストーリーチャート(第3版その1)

・ガーネット VS エーコ 第2R  >>34>>52>>58>>59>>66
・ビビJr6号とベアトリクス  >>49>>61>>163

・ラニの受難  >>46>>84>>137>>196>>200(→>>303へ)
・シドの力  (>>200から→)>>303>>306>>321

・トムの日記  >>265>>272>>284



575名前:タイトルメーカーMail: 投稿日:2000/08/19(土) 20:15
ストーリーチャート(第3版その2)

・トレジャーハンターズ
 >>79>>100>>169>>210>>235>>327(→>>350へ)
・イーファの樹にて (>>327から→)>>350>>423>>514>>515

・暁の騎士団、リンドブルムに到る
 >>55>>270>>369>>355>>526>>527>>528
・ゾディアックブレイブ
 >>63>>106>>107>>177>>241>>252


576名前:タイトルメーカーMail: 投稿日:2000/08/19(土) 20:16
ストーリーチャート(第3版その3)

・演説の後  >>64>>65>>187>>304>>305>>358

・カバオとシロマ  >>248>>274>>276(→>>393へ)
・ジタンとシロマ (>>276から→)>>393>>394>>398>>400

・ダリの状況  >>573>>574

・ルビィの憂鬱  >>310>>313>>323>>357>>416
・ルビィその後  >>506>>519>>537



577名前:タイトルメーカーMail: 投稿日:2000/08/19(土) 20:17
ストーリーチャート(第3版その4)

・ベアトリクス、ブルメシアへ
 >>70>>74>>76>>91>>92>>116>>143>>151→
 >>172>>176>>182>>211>>217>>218(→>>232へ)
・フライヤ VS クイナ
 (>>218から→)>>232>>296>>297>>309>>316
・いざ、アレクサンドリア城へ
 >>333>>336>>402>>408>>497>>547>>549
 











拷問

590名前:名無しさん@お腹いっぱい。Mail: 投稿日:2000/08/19(土) 23:53
リンドブルム城の地下に増設された、拷問室。
地の匂いが充満するその中で、シナがが吊るされたオリビエをサディスティックな笑みを浮かべて眺めていた。
シナ「貴様…。ピクルス売りの婆あに何を言ったんだ?
   黙ってても無駄だぞ、密告者のおかげで貴様がスパイ活動をしていることは割れているんだからな」
だが、全身傷だらけのオリビエは無言のままである。
シナ「いい加減に吐いて楽になれ、いわないと妹のジョバンナがどうなっても知らんぞ。
   クックック…貴様のような男を拷問するよりも、少女を拷問した方が面白いしなぁ」
シナの科白にオリビエは顔を強張らせて、
オリビエ「止めろ、ジョバンナに手を出すな!」
シナ「じゃあ、さっさと言うんだな。ピクルスの婆あに何を言ったんだ?
   そして、あの婆あはどこに行ったんだ?」
拷問係の振るった電撃鞭がオリビエの身体を打ち、その音が薄暗い拷問室に響き渡る。
オリビエ「本当に…。本当に知らないんだ。
     あのおばさんがアレクサンドリアの兵士だと言うことは聞いてたから知ってたけど…」
シナ「随分と強情だな。おい、こいつ足の指と爪の間に竹串を刺せ」
シナが残酷な命令を下すと、拷問係は笑みを浮かべてそれを実行に移す。
オリビエ「ギャーッ!!!」
神経の集中している場所を刺された激痛に、
オリビエが耳を劈くような悲鳴を上げる。
シナ「いい加減言う気になったか?」
オリビエ「本当に…。本当に知らないんだ…」
シナ「未だ言わないのか…。まあ、指は19本残ってるし、目玉を抉ったり華を削ぎ落とす拷問もあるからな。
   言いたくなるまで嬲ってやるよ」
そのシナの科白に、オリビエは気が狂いそうだった。
本当に何も知らないのに、こんな拷問を受けつづけなければならないから。

その拷問が行われている拷問室を、上のフロアから眺めている文官と少女がいた。
ジョバンナ「…凄い拷問ね。ところで、お兄ちゃんスパイに協力したことを報告したことで貰える褒賞金は?」
オルベルタ「これが褒賞金です」
オルベルタが部屋の隅に立ってた兵士に、巨大な袋を持ってこさせると、それをジョバンナの目の前に置かせた。
ジョバンナがその場で袋を開けると、中から10万ギル分の金貨が現れた。
ジョバンナ「うわーっ、これだけあったら、お兄ちゃんが遊んでくれなくても寂しくないよっ。
      ♪ふん、ふん♪あ、ふん、ふん♪」
想像以上の大金が入ったの嬉しさに、思わずジョバンナ鼻歌を歌い出す。
その様子をオルベルタと兵士たちは、苦笑を浮かべて見ていた。
























トレノ壱番街

591名前:名無しさん@お腹いっぱい。Mail: 投稿日:2000/08/20(日) 00:15
トレノ貧民街の中でももっともタチの悪い者達が集まる場所、それが壱番街だった。
そこに集まるのは乞食、賞金首、暗殺者、脱獄犯、そして殺人犯・・・・
壱番街でも更に最悪の空間といわれる「死の阿片窟」に彼女はいた。
その姿はすっかりとやつれ、活気にみなぎっていたかつての面影はもうない。
彼女はぼんやりと光る蝋燭の灯をたよりに震える手でペンを持ち、机に向かっていたが、
突然、手紙を破いて俯した。
ルビィ「・・あかん・・・もう書けへん・・・・。
    手がゆうこときかへん・・・あたまんなかも、めちゃくちゃや・・・。
    字ぃなんか、いっこも・・・おもいだせへん・・・」
その時ルビィのうしろから二人の男がゲスに笑いながら近づいてきた。彼らは殺人犯だった。
殺人犯「へへ・・・ルビィ・・・こんなところで手紙なんか誰に出すってんだ?
    お前は見捨てられたんだろ・・・?いいかげん未練を断ちきれよ・・」
殺人犯「そうだ。お前はもうここじゃないと生きていけないんだ。
    そろそろこれが欲しいんじゃないのか・・・?」
そう言って錠剤の入った瓶をちらつかせる殺人犯。
ルビィ「・・・・・クスリ・・・・・・」
殺人犯「だからいい加減観念して俺達に身を任せたらどうだ???」
ルビィ「・・・アホか・・・お前らなんかに体許すくらいやったら、舌切って死んだるわ!!」
殺人犯「そうはいくか。俺達の我慢はもう限界なんだ。おい!押さえつけろ!」
二人はルビィを押さえつけ、無理矢理に犯そうとする。
ルビィ「・・・やめて!お願いだから・・・誰か・・・助けて・・・・!!」
深刻な麻薬中毒にかかり憔悴しきったルビィに抵抗する体力も気力もない。
泣き叫びながら周りに助けを求める彼女だったが、周りの人間はにやにやと見物するだけで
当然助ける気配はない。
殺人犯「けけ・・・たまにはいいことあるもんだなあ。女優のルビィとやれるんだからな」
殺人犯「まったくだ。このイナカくせえなまりがまたなんともいえね・・・・」
その時、ルビィの服を剥ぎ、脚を開いていた一方の殺人犯の動きが突然止まる。
と、同時に彼の生首が床にゴロリと転がった。


























壱番街、焼滅

595名前:名無しさん@お腹いっぱい。Mail: 投稿日:2000/08/20(日) 00:51
周りのギャラリーは騒然となった。
「・・・だっ誰だ!!!」
首無しになった殺人犯の身体をドカっと蹴飛ばし、回りを一瞥したその乱入者を見て、
ギャラリーは更に驚いた。
その乱入者が女、、いや少女といっても良いくらいのうら若き女性だったからである。
「おハロ〜♪みんな、だめよぉ、か弱い女のコをいじめちゃ♪」
綺麗に梳った膝まであろうかという長い黒髪、蒼いカットソーの上に漆黒のローブを
羽織っている。黙っていれば深窓の令嬢という感じだ。
ルビィはあまりの事態に呆然としていた。
ルビィ「・・・・・・あ・・・・あんた・・いったい・・?」
「あなたがルビィちゃんね?おっハロ〜♪あたしはリノア。リノリノって呼んでもいいよん」
リノアと名乗った少女は屈託のない笑顔でルビィに挨拶した。ルビィはクスリで濁った頭で
考えた。「これは夢や・・・・めちゃくちゃや」そのルビィの目にギラリと光る物体が入った。
ルビィ「・・・・!あぶない!!」
「ざけんじゃねえこのアマ!!」
ショックから立ち直った殺人犯の片割れが、短剣を閃かせてリノアと名乗った少女に襲いかかった。
だが、少女はぴくりとも動かない。ギャラリーの誰もが血飛沫をあげて倒れる少女を予想した。
「んも〜せっかちさんねぇ。いいや、みんな死んじゃぇ♪」
ルビィはリノアが何か呟くのを見た。次の瞬間、視界いっぱいに炎が拡がった。いや、
炎というより爆炎であった。「・・・・・・・・・・・・・!!!!!!!???????」

炎がかき消える。
・・・・・ルビィは信じられないものを見ていた。
リノア「ふぅ♪お掃除完了っっと。あらら、ちょっとかたづけすぎちゃったかなぁ?」
ルビィ「・・・・・あ・・・あ・・ああ・・」
がくがくと震えるルビィにここ数週間浴びていなかった陽の光が降り注ぐ。
リノア「ま、いっか♪ど〜せいらない人ばっかだったもんねえ」
遠くに弐番街が見える。野次馬もちらほら動いているのが見えた。
ルビィ「・・・・・・・・・・・・・・・・」
ルビィとリノアを中心に、壱番街は「焼滅」していた。
単なるだだっぴろい空き地と化したその広場の真ん中で、リノアはルビィに微笑んだ。
リノア「さぁ、ルビィちゃん、行きましょ。あたし、あなたを迎えに来たんだよ〜♪」
ルビィ「・・・・・・・・・・・・・・へ?」
ルビィはただただ呆然とするしかなかった。




















悪い報せ(過去シリーズ)

619名前:ガーネットの変心こんな感じ?Mail: 投稿日:2000/08/20(日) 01:19
8人の英雄がクジャを倒し世界に平和が戻って数ヶ月後のある日、
ガーネットは上機嫌で自室にいた。
ガーネット(なんて毎日が楽しいんだろう?
      一つの国を治めるって思ったよりそんなに難しいことじゃないし、
      サポートしてくれる優しい人達、素敵な洋服、素敵な本、
      おいしい食べ物に囲まれて暮らせるなんて、考えたこともなかった。
      それに今日は・・・・)
そうなのだ。その日の夜は恋人ジタンを招いての大晩餐会が開かれるのだ。
身分違いのため、いまだ結婚はできないが、このまま既成事実を積み重ねていけば・・・
ガーネットの機嫌は最高潮に達していた。
その時、扉をノックする音が。
ガーネットが入室を許可するとスタイナー達、数人の側近が入ってきた。
ガーネット「あら、スタイナー。ジタンが来たの?晩餐会の用意は整って?」
スタイナー「それどころではございませんぞ、姫・・いや陛下!
      領内の村の一つが反乱を起こしましたぞ!」
思わぬ報告にショックを受けるガーネット。
ガーネット「でも・・・国民の暮らしがきついからって
      税金はこのところ随分下げてあげてるし、
      確かその村からは要請があったということで
      施設もいくつか建ててあげたじゃないの?なんで反乱なんか・・」

・・・第2編に続く














異次元からの漂泊者

631名前:名無しさん@お腹いっぱい。Mail: 投稿日:2000/08/20(日) 01:30
「くっ…ここは一体?」
風のあたりの強さから、なんとなく自分が高所にいるのだということが分かった。
どうやら気を失っていたらしい。
「戻って…きたのか?」
ぼんやりとした視界がだんだんはっきりしてくると、目に入ってきたのは巨大な
石像と、これまた巨大な植物の蔦だった。
「何処だ…ここは…」
頭がぼうっとする。
…奴を…それから…光に包まれて…みんな…
「はっ!みんな…」
何かを探すように周りを見渡すが、生物の気配がほとんど存在しない事に気付く。
「俺独りみたいだな…」
そう言うと、肩をすくめてかぶりを振る。

「そうだ!」
何かを思いついたように、ポケットをまさぐるとひとつの玉を取り出した。
綺麗に磨かれたそれを握り締め、胸に当てて祈るように念じる。
「…ケアル」
…何も起こらない…
別の玉を取り出すと同じように握り締めて念じる。
「…ファイア!」
…何も起こらない…
さらに別の玉を取り出す。
「畜生ッ!…バハムートッ!」
…何も起こらない…
「クソッ…こんどは何処だっていうんだ…」
遠くに見える海に目をやりながら、諦めにも似た口調でつぶやく…


#彼です。トット先生と絡んだら面白いかな?
#ダメだったら回しちゃって下さーい。



















女王陛下の心変わり(過去シリーズ)

634名前:ガーネットの変心こんな感じ?Mail: 投稿日:2000/08/20(日) 01:32
ゾーン「甘いでおじゃる!
    国民とは要求を受け入れてやればやるほどつけあがるもの!
    君主たるものは優しさだけではやっていけないでおじゃる!」
ソーン「断固たる厳しさも必要でおじゃる!」
スタイナー「お前達はだまっておれ!道化ごときが国政に口をはさむでない!」
ベアトリクス「・・・・・しかし、陛下。
       陛下のお優しさを理解できない国民がいるのも事実です。
       善には恩寵をもって望み、悪には退かぬ覚悟も必要かと」
うなだれるガーネットの眼には涙が光っていた。信じていた国民に裏切られた悔しさと
そして・・・ジタンとの晩餐会がそのためにおじゃんになってしまったためである。
ベアトリクス「とにかく今回の処置を早急にご指示ください。
       彼らの要求をすべてのみますか?それとも、説得いたしますか?」
ガーネット「・・・・・焼き払って・・・・・・」
スタイナー「はっ??」
ガーネット「村を焼き払ってって言ったのよ!!」
ベアトリクス「し、しかしそれはやりすぎでは・・・・?」
ガーネット「なによ!厳格な態度が必要って言ったのはあなたでしょ!
      わたしはアレクサンドリアの君主よ!
      臣下の分際で女王の命令がきけないというのか、ベアトリクス!!」
ベアトリクス「・・・・はっ・・・ただちに・・・・・」

こんな感じでいかが?


 

▼次のページへ