急性白血病(acute leukemia)
骨髄性・リンパ性に大別されるのですが臨床症状は共通しているものが多いです。
(急性白血病のFAB・French-Amerikan-British分類)
1.リンパ芽球性白血病 Lymphoblastic leukemias
1)L1:小型の細胞が多い。核小体はみられないがあっても明瞭ではない。
2)L2:大型の細胞で大小不同がみられる。1つ以上の核小体があり大きい。
3)L3:バーキット型
2.骨髄性白血病 Myeloid leukemias
1)M1:成熟傾向のない骨髄芽球性白血病
2)M2:成熟傾向のある骨髄芽球性白血病
3)M3:顆粒の多い前骨髄球性白血病
4)M4:骨髄単球性白血病
5)M5:単球性白血病
6)M6:赤白血病
3.骨髄異形形成症候群 Dysmyelopoietic syndromes(DMPS)
(急性白血病の臨床症状)
1.白血病細胞の増殖による造血障害に基づく症状
1)貧血:動悸・息切れ・顔色不良・全身倦怠感
2)顆粒球減少:発熱・粘膜潰瘍など感染による症状
3)血小板減少:紫斑・鼻出血・歯肉出血・臓器出血
2.白血病細胞の臓器浸潤に基づく症状
1)リンパ節腫脹(両耳の下とか首・太ももの付け根・わきの下などリンパが集中してる所がわかりやすい)
2)脾腫・肝腫(脾臓や肝臓が腫れてきます。Drじゃないとわかんないかも(^^ゞ)
3)骨痛(骨髄浸潤による)(関節痛みたいに感じます。節々が痛む、腰痛かなと感じる事もあります。)
4)その他(中枢神経・歯肉)
(症状)
動悸・息切れ・頭痛・発熱・出血などがみられるが
これらは白血病細胞の増殖によって正常な造血が障害され
赤血球生成の抑制による貧血、
顆粒球生成の抑制による感染症の併発
、血小板生成の抑制による出血傾向に基づく症状がある。
このほか白血病細胞が他臓器に浸潤して
肝臓、脾臓、リンパ節などの腫脹(腫れてくる)をきたし
骨痛、関節痛や中枢神経症状を表す。(σ( ̄。 ̄) の症状は闘病日記を参照♪)
(経過・予後)
急性白血病は急速に経過して死の転帰をとる疾患でした。
死因は出血と感染でこれは現在も変わりはない。
しかし抗白血病薬や補助療法の進歩によって生存期間も延長してきており、
5年以上の生存者も見られるようになった。
むしろ白血病の治療は痛みのコントロールに重きをおいてきているDrもいる。
(治療)
急性白血病の治療理念は白血病細胞の全滅(total kill of leukemic cell)である。
このために抗白血病薬を使用して白血病細胞を破壊する特異的療法と、
正常造血細胞の破壊の結果生ずる出血や感染を防ぐ補助療法に大別される。
1)特異的療法
主体は化学療法である。(いわゆる抗がん剤の点滴投与です♪)
主要な抗白血病薬をいくつかを組み合わせて
寛解導入をはかる寛解導入法→残存している白血病細胞に対して地固め療法
→寛解を維持するために寛解維持療法→寛解期間中に時々強化療法を追加する。
2)補助療法(抗がん剤によって生じる副作用や合併症を軽減させるものですね♪)
貧血・感染症・出血に対して行う。
貧血に関しては輸血。
感染症に関しては抗生剤のほかにガンマグロブリン製剤の投与。
顆粒球の輸血。無菌室(クリーンルーム)の使用。
血小板減少に対しては血小板輸血を行う。
この補助療法の進歩により化学療法が強力にできるようになった。
3)骨髄移植
HLAが一致したドナーから骨髄液を患者に移植する(これについては骨髄移植についてでね♪)
4)high-dose-Ara-c(Ara-c大量療法)
無再発生存率(治療後再発することなく生存できる確率)47%という噂の治療法です。
現在はこれが主流になっています。