岩月謙司著 「母を恋して太る人、彼を愛してやせる人」を題材に
岩月氏のカウンセリング方法について検証してみよう。
この本にはクライアントの手記が掲載されている。
最初は、「島田里香さん(仮名)17歳・高校生・香川県」の手記である。
岩月謙司著 「母を恋して太る人、彼を愛してやせる人」 103頁 (2003年6月17日初版発行)
体験談2:不安から食べていた私が、一年間で30kgやせウエストは30cm縮んだ
ある日、母が岩月謙司先生の本を読んだことがきっかけとなり、姉をカウンセラー
のところに連れて行きました。カウンセリングを受けるたびに姉は少しずつ元気になり
その後は高校、大学へと進学しました。
・・・略・・・
姉にそうした話をすると、
「私の相談に乗ってくれたカウンセラーも、本に出てくる岩月先生みたいに
優しい人だったよ。里香も会って見たら、」といいます。
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岩月氏の本を読んでカウンセラーのところに連れて行ったそうだが、
そのカウンセラーとは誰なのだろうか?
岩月氏は、育て直しおよび自身のカウンセリング活動に関して、論文発表した事はない。
臨床心理関係の専門家との交流に関する記載はいっさい無い。
よって、「岩月先生みたいに優しいカウンセラー」とは、岩月氏自身と推定される。
「母を恋して太る人、彼を愛してやせる人」 108頁
「太っていてもやせていても、先生は里香ちゃんが好きだよ」
「体は楽しいことをする道具なんだよ。楽しいことをすると
体の内側から悦びがあふれてきてね。それがきれいな表情になって
顔に現われるんだ。人がきれいだったり、素敵に見えるのは
外見が格好いいからじゃないんだ。悦びが美しさになって現われる
からなんだよ。里香ちゃんは今のそのままで素敵だよ。」
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この口調は、岩月氏がクライアントに語りかける文体そっくりであり、
岩月氏がカウンセラーであるという推定の傍証となる。
「母を恋して太る人、彼を愛してやせる人」 110-111頁
先生に自分の悩みをはき出してしまうと、心が温かく、満ち足りた感じがしました。
変ないい方ですが、心がおなかいっぱいになったのです。
・・・略・・・
でも、私がいちばんうれしいのは、カウンセラーの先生の言葉です。
「里香ちゃん、きれいになったねえ」。
先生は、私の心が満たされて、幸せになったおかげできれいになった
ことをわかっててくれたのです。
最近は小さい頃のように、急に寂しくなって食べ過ぎてしまうこともなくなりました。
カウンセラーはいまやお父さん代わり、心配なことや不安なこと、
その日あった楽しいことなど、なんでも話しています。
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このカウンセラーとは、お父さん代わりであり、クライアントに「好きだよ」という人物である。
これは、岩月氏がカウンセラーであるという推定の傍証となる。
島田里香さん(仮名)17歳、は、心を満たす手段について「自分の悩みをはき出してしまう」と、
極めて抽象的に記載し、具体的な手段を何ら記載していない。
なぜ具体的な手段を記載しないのだろうか。
次に紹介する手記は「佐伯ゆかりさん(仮名)27歳・看護士(ママ *1)・岡山県」である。
(注*1 : 正しくは「看護師」)
岩月謙司著 「母を恋して太る人、彼を愛してやせる人」 142頁 (2003年6月17日初版発行)
母の呪いに気づき食欲が止まり3ヶ月で6kgやせAからCカップになった
私は自分の育った環境を、そのころ通いだしたカウンセリングの先生に
すべて話しました。先生は「大変だったね」と、じっくりと耳を傾けて
くださいました。そして、私を暖かく迎え入れてくれたのです。
初めて味わう家庭の温かみのように感じました。
母への気づきが深まり、カウンセリングの先生に自分を受け入れてもらい
心が満たされると、不思議なくらい食欲は落ち着きました。
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家族のように暖かく迎え入れるカウンセリングの先生とは誰なのだろうか。
やはり、このカウンセラーも岩月氏自身なのだろうか。
受け入れてもらい、心が満たされる方法とは、何ら具体的には記載されていない。
「母を恋して太る人、彼を愛してやせる人」 143頁
驚いたのは、バストがAカップからCカップになったことです、体重がへってバスト
が大きくなったので、メリハリのある女性らしい体形になりました。
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バストが大きくなるカウンセリングとは何なのだろうか。
そして、143頁にはこう締めくくられている。
「母を恋して太る人、彼を愛してやせる人」 143頁
自己分析を始めて一年がたち、現在は両親と離れて暮らしています。
まだ解決しなくてはならない問題も残っていますが、
カウンセリングの先生に助け舟をだしてもらいながら、
ゆっくりとやっていきたいと思っています。
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岩月氏はしばしば、クライアントに両親や友人と別れて暮らすようにアドバイスしていた。
(岩月謙司著「家族のなかの孤独」ほか参照)
この記載も、岩月氏がカウンセラーだという推定の傍証となる。
「母を恋して太る人、彼を愛してやせる人」第4章に、やせるための具体的方法が列挙されている。
(1)ニコニコストレスチェック
(2)マイごみ箱つくり
(3)三日後日記
(4)気づきのチェックリスト
(5)会話の内容チェック
(6)精神的山ごもり
(7)おいしさを分かち合う
(8)いいセックス
(9)同性の友達を大事にする
この中で、「心を満たす」という単語が出てくるのは(8)「いいセックス」の項のみである。
以下紹介しよう。
岩月謙司著 「母を恋して太る人、彼を愛してやせる人」 175頁 (2003年6月17日初版発行)
その点、いいセックスをすると、心が満たされますので、
異常な食欲は鎮圧されます。なぜなら、おなかが満たされたような気分に
なるからです。あるいは満腹になったような感じがするからです。
心が満たされると、胃袋も満たされたように感じるのです。
特に女性はそうです。
セックスをしたあと、満腹感があるのは、あなたの心が愛で満たされた証拠です。
・・・略・・・
以前、『anan』などの女性誌で、「セックスでやせる」とか、
「セックスできれいになる」とかいった特集が組まれ、話題になりました。
実際、いいセックスをすると、ほんとうに、やせたりきれいになったりするのです。
心が満たされると、バストも満たされて大きくなります。
いいセックスは、女性を適正体重に戻す力があるのです。
だから、いいセックスをするとやせるし、きれいになるのです。
一般に、人は「気持ちいいなぁ」と感じると、おなかが満腹になったように感じます。
いい音楽を聴いたときやすてきな絵を見たときです。
そして、セックスをしたときです。特に女性はそうです。
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やせるための9つの方法のうち、
心を満たす方法として唯一記載されているのは「セックス」であるのは、いったいどういう訳なのだろうか。
クライアントの手記に、「心が満たされると不思議なくらい食欲が落ち着きました」と記載されているが、
これはどういう事なのだろうか。
バストも満たされて大きくなると記載されているが、どのような参考文献をもとにしているのだろうか、
これは「佐伯ゆかりさん(仮名)27歳のカウンセリングという実体験をもとにしているとするならば、
岩月氏が施したカウンセリングとは「セックス」なのだろうか。
果たして、これは偶然の一致なのだろうか。それとも、・・・・。
また、仮に岩月氏が正当な業務と自認した上でクライアントをセックスで治療していたならば、
その治療内容を完全に伏せ、隠喩の形でしか著書に記載していないのは何故だろうか。
最後に、「母を恋して太る人、彼を愛してやせる人」の締めの言葉をご紹介しよう。
「母を恋して太る人、彼を愛してやせる人」 213頁
自信や智恵のある男性に愛されると、女性は心が満たされます。
心が満たされれば、過食に走ることもなければ、娘に嫉妬することもありません。
娘の幸せを応援できる良妻賢母になるのです。
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岩月氏は、「自信や智恵のある男性」と自負していることがお分かりいただけるだろう。
その自信や智恵のある岩月氏は、なぜ治療方法を著作では完全に伏せているのだろうか。
なぜ、セックスで治療すると著作で告知しないのだろうか。
そこから先は、読者の皆様のご判断にお任せしたい。