岩月氏は、2003年8月1日に著作「ひねくれた人に振り回されない88の方法〜誠実で親切な人ほど傷つけられて悩む」を発表した。
書名だけを見ると、「読者」がひねくれた人に振り回されない方法だと思うであろう、
前書きにもそのような趣旨が記載されている。
ところが本書は、ひねくれた人のパターンを羅列して批判し、
読者がひねくれた人になっていないかと問い掛け、ひねくれた人から脱却する方法を述べたものである。
何ら、「読者が」ひねくれた人に振り回されない方法については記載されていない。
あたかも、「岩月氏が」ひねくれた人に振り回されないための方法を備忘録代わりに記載しているようであり、
また、岩月氏が私怨を抱いた人に「ひねくれた人」のレッテルを貼り、欠点をあげつらっているようにも見える。
この本の初版は2003年8月1日、
執筆開始時点が1年前と仮定すると、2002年夏に執筆を開始したことになる。
準強制わいせつ事件は2002年4月に発生し、5月に被害者は岩月氏を刑事告訴したそうだ。
この本の執筆開始時期はちょうど刑事告訴の時期に相当する。
Webmaster は、ここに何らかの関連性があると感じ、仮説を立てた。
「ひねくれた人」とは本事件の被害者かつ告訴人であり、
傷つけられて悩む誠実な人」とは岩月氏のことを指すのではないか。
「ひねくれた人に振り回されない88の方法〜誠実で親切な人ほど傷つけられて悩む」
の内容を詳しく見て、仮説を検証してみよう。
頁構成は以下のものである。仮説の傍証となる部分に下線を引いた。
岩月謙司著 「ひねくれた人に振り回されない88の方法」 目次(2003年8月1日発行)
- 第1章 アッと驚く「ひねくれた人」の考え方。
- 親切がイヤミにみえてしまう人たち
- ひねくれた人の心の世界とは
- 何でもかんでも人のせいにする
- 自分のことは棚に上げて人を責める
- いつでも自分中心的に考える
- どうして私だけ、こんなに不幸なのか!
- 他の人も、自分と同じように不幸であってほしい!
- 人を惨めな思いにさせるのが好き
- 人の真心が信じられない
- 心を開いて人とつき合えない
- 人間のダークなところしか見えない
- 知らない間に子どもを傷つけてしまう!
- 親を好きになれない
- 「好き」と「嫌い」がわからない
- なぜかトラブルが多い
- 不本意なことを平気でする。
- 現実の中で生きていない
- 現実を無視する
- 年長者(上司)に対してつっかかる
- 匿名性の高いイヤガラセをすることがある
- 第2章 ひねくれた人は、こんなところで大損をしている!
- 第3章 ニセモノの愛をホンモノだと思っていると、ホンモノの愛がニセモノにしか見えない
- なぜ、ホンモノの愛がニセモノに見えてしまうのか
- 下心のない人などいないはず!
- 人を認められない
- お金や世話を愛情だと思っている
- 高価なおみやげを買う真理
- 真実を嫌う
- 自己卑下の反動でプライドが高い
- 父親にセクハラされた娘の場合
- 親子関係が契約関係の場合
- 抱えている怒りが大きい場合
- 第4章 自分の心の中にいる裏切り者(幸せ恐怖症)
- 幸せを回避し、幸せを破壊する(幸せ恐怖症)
- やせてキレイになることに罪悪感を持つ
- 母親よりも幸せになってはいけない
- いい恋愛や結婚からわざわざ遠ざかる
- うまくいっている人を見ると「死ねばいい」と思う
- 自分を愛する人を破壊してやりたくなる
- 幸せ破壊モード」と「幸せになりたいモード」がコロコロ交替する
- いつもイライラしている
- 第5章 すぐにカッとなる人の心理
- 第6章 ひねくれた人が素直になれない心のメカニズム
- 第7章 ひねくれた人のための処方箋(1)
- 自分自身を見つめてみよう
- 自分の悦びのために生きる
- 好きな人を探し、まず、その人に感謝してみる
- 言い訳をしていないかと疑ってみる
- 自分にも非があるかもしれない、という発想をしてみる
- 自己卑下や自己嫌悪でなく、心から反省する
- 現実を見る
- ○○のようなきがする、という憶測で動いていないか
- 自分の思い込みを疑ってみる
- 第8章 ひねくれた人のための処方箋(2)
- 第9章 素直に生きれば、人生はドンドン楽しくなる
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第1章「年長者(上司)に対してつっかかる」より、ひねくれた人は年長者へ反抗すると定義している。
本事件の被害者は20代、岩月氏は48歳であるため「年長者」に相当し、
かつ、刑事告訴の事実が「つっかかる」に相当すると思われる。
第3章「なぜ、ホンモノの愛がニセモノに見えてしまうのか」より、
「ひねくれた人」はホンモノの愛をニセモノだと判断すると定義している。
本事件の被害者は、岩月氏の治療を「わいせつ」として刑事告訴し、ニセモノと判断している。
第4章「自分の心の中にいる裏切り者(幸せ恐怖症)」より
「ひねくれた人」とは、幸せ恐怖症の女性のことを想定している事が判る。
そして、岩月氏は本事件の被害者を「幸せ恐怖症」と診断している。
高松地検によると、岩月教授は 02年4月、報道を見て相談にきた20代の女性と 一緒に風呂に入り、
『(触られて)痛いと感じるとは相当の幸せ恐怖症だ』と語りかけながら 下半身などを触った。という。
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第4章「うまくいっている人を見ると「死ねばいい」と思う」
「自分を愛する人を破壊してやりたくなる」より、
「ひねくれた人」は、自分を愛する人を破壊してやりたくなると定義されており、
本事件の被害者は、「育て直し」で治療し、「愛」を与えようとした岩月氏を刑事告訴した。
上記すべては仮説の傍証となるであろう。
詳細に文章の内容を検討してみよう、第三章「父親にセクハラされた娘の場合」の段落を紹介する。
岩月謙司著 「ひねくれた人に振り回されない88の方法」 97頁(2003年8月1日発行)
自分が欲しかったホンモノの父性愛を、自分以外の誰かがもらっていることが
耐えられないのです。
・・・略・・・
もし、自分が父親以外の男性からやさしい愛をもらったとき、
素直に受け取ることはできません。ニセモノをホンモノ扱いした人は
いついかなるときも、ホンモノを否定しなければならないからです。
もし、受け取って、「そうそう、こういう気持ちいい父性愛がほしかったんだよなぁ」
などとしみじみ思えてしまったら、いかに自分の実父が変態オヤジであったかが自分に
バレてしまうからです。
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この文章の「自分」は、岩月氏を刑事告訴した被害者女性として読むことが可能である。
つまり、父親以外の男性(=岩月氏)が与えた「やさしい愛」はホンモノであり、
自分(岩月氏を刑事告訴した被害者女性)は、ホンモノを否定した「ひねくれた人」と主張していると解される。
更に、岩月氏逮捕時の報道をご参考いただきたい。
高松地検は7日、香川大教育学部教授、岩月謙司容疑者(49)=高松市昭和町1=を準強制わいせつ容疑で逮捕した。岩月容疑者は否認している。
調べでは、岩月容疑者は02年4月27日夜から28日午後まで、自宅の浴室や寝室で、神経症的な症状に悩んでいた20歳代の女性に対し、「父からのセクハラと母の嫉妬(しっと)という呪いがかかっている」などと言い、治療上必要な行為を装い女性の胸などを触るわいせつ行為をした疑い。
岩月容疑者は「女は男のどこを見ているか」など恋愛指南本を多数出版。テレビ番組にも出演している。神経症的症例を「思い残し症候群」と名付けて治療していると称しており、女性は岩月容疑者に治療を申し出ていた。02年5月、女性が香川県警に告訴し、県警は03年3月に書類送検。高松地検は同12月、「容疑者の言い分を排斥できない」などとして嫌疑不十分で不起訴処分にした。しかし、検察審査会は今年7月、「わいせつの故意がある」などとして不起訴不当と議決していた。
岩月容疑者は、92年4月、香川大講師。00年に教授。動物生理学や人間行動学などが専門。【高橋恵子】
▼木村好次・香川大学長の話 極めて遺憾。深くおわびします。社会的責任を再認識するよう注意を促していく所存です。
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岩月氏は被害者女性に対し、「父からのセクハラと母の嫉妬(しっと)という呪いがかかっている」と診断しており、
「ひねくれた人」の例示列挙「父親からセクハラされた娘」に該当する。
これも仮説の傍証となるであろう。
実際に岩月氏が何を意図してこの本を執筆したのかは、皆様のご判断にお任せしたい。