わいせつ行為で岩月香川大教授を逮捕/四国新聞 2004/12/7
心の病の相談に訪れた女性に対し、心理療法と称してわいせつな行為をしたとして、高松地検は七日、準強制わいせつの疑いで、香川大教育学部教授の岩月謙司容疑者(49)=香川県高松市昭和町一丁目=を逮捕した。香川大によると、同大の現職教授が逮捕されるのは初めてという。 同地検は昨年十二月、岩月容疑者を嫌疑不十分で不起訴処分にしたが、高松検察審査会が今年七月に不起訴不当と議決したことを受け、再捜査していた。
調べでは、岩月容疑者は二〇〇二年四月二十七日から二十八日にかけて自宅で、神経症的な症状に悩む二十代女性に対し、自分に従うことが心理療法を行う上で必要だと思い込ませ、治療として胸や下腹部を触ったり、寝室で抱き合うなどした疑い。
調べに対し、同容疑者は「一緒に浴室や布団に入ったことはあるが、わいせつな行為はしていない」と容疑を否認している。
二〇〇二年五月、女性が香川県警に告訴。高松地検の不起訴処分に対し、同検察審査会は議決理由で「治療として下着姿で抱き合った行為に正当性はない」と指摘した。野島光博同地検次席検事は「再捜査で、女性の供述の信用性が高いと判断した」と話している。 岩月容疑者は一九九三年に香川大助教授、二〇〇〇年から同大教授。専攻は人間行動学、動物行動学。「女は男のどこを見ているか」など多くの著書があり、親子、男女関係に関する独自の説はテレビ番組などでも紹介された。
香川大は告訴後の昨年十一月に調査会を設置。同地検の不起訴処分を受け、今年四月、岩月容疑者を厳重注意処分としていた。
極めて遺憾
木村好次学長のコメント 学外の私的な行動であったとしても、社会的使命を担う大学の名誉・信用を失いかねない事態を生じさせたことは極めて遺憾であり、深くおわびしたい。事態の推移を見守りながら大学として適切に対応する。今後、他の教員に対しても、本学教員としての社会的責任と自覚を再認識するよう注意を促したい。