二〇〇一年三月末に、創造工学センター「発明工房」が新設された。これは工学部青葉山キャンパスの中央にある図書工学分館の隣に位置している。このセンターは工学部一年の後期に行われる創造工学研修の実験・研修を行うために建てられた。創造性豊かな学生の育成や地域社会に対する知的サービス、工学に関する情報の発信などを目的としている。
センター建設のため置準備委員会が組織され、一九九九年の第二次補正予算が認められ、二〇〇〇年八月に着工、今年の三月末に完成した。また今年の七月六日には開所式が行われた。図書工学分館の隣に建設したのは、実験・研修に必要な文献の検索をしやすくするためである。
建物の構成は次の通り。面積は約千平方メートル。建物は二階建てで、東と西の建物で構成されている。
西の建物は、センター内のコンピュータを管理するネットワーク管理室、LSI(大規模集積回路)を電子回路上で設計し画像処理をするVLSI設計システム室、情報処理室、三次元の世界を体験するディジタルアトリエ室からなる。
また東の建物は、イメージした物体をコンピュータの三次元画像を使い設計するデジタル造形室、研修の成果を展示・発表する展示室、ワシントン大学との共同研究において使用するためにテレビ会議のシステムを採用した創作室、工作室、材料の特性を実験する材料調整室、化学実験室で構成されている。
地域社会に対する知的サービス、工学に関する情報発信のために、このセンターは一般市民に対して、研修の成果を発表・公表していくという。またロボットコンテストなども行われる予定である。事前にセンターに連絡すれば、一般市民が見学をすることができる。今年の七月三十、三十一日に行われたオープンキャンパスでは、小、中学生に対して、理科教室が開かれ、好評であった。
創造工学研修の履修者は約四百人、この二割から三割がこのセンターを利用すると予想している。
今回取材を行った五十嵐友一郎助教授(副センター長)は「大学一年から高校の知識を使って、他では得られない理解力、創造力を身につけてほしい。また学生が自分の頭で考えてテーマ、研究を進めていってほしい」と語った。
この創造工学センターは、今年の十月から使用される。