九月八日、九日の二日間にわたって、第十一回定禅寺ストリートジャズフェスティバル(主催・定禅寺ストリートジャズフェズティバル実行委員会)が行われた。市民の募金などを運営資金とし、実行委員もボランティアという手作りの祭りだ。ジャズやロックを中心に、様々なジャンルから過去最高の五百九〇バンドが参加。定禅寺通りや一番町周辺など二日間延べ七十三のステージに分かれて演奏した。
一日目、一般のバンドの演奏が終わったあと、匂当台公園市民広場でサタデーナイトジャムが行われた。これは初めて二日構成となった昨年から始められたもの。国内外で活躍するプロのアーティストが出演し、持ち味を生かした演奏を見せてくれた。特にトリを飾った「渋さ知らズオーケストラ」は、ラテン風のサウンドにダンサーも登場し、会場を熱気の渦に巻き込んだ。最後には観客も踊りだし、興奮のうちに終了となった。
二日目に多くの人を集めたのは女子高の同級生でつくられた初参加のボーカルユニット、「にじょっこ」だ。「テイクミーホーム・カントリーロード」などできれいなハーモニーを披露、買い物客の多くも足を止めて聞き入っていた。アンコールの声もかかり、メンバーは「びっくりした」とのこと。しかしストリートライブの雰囲気には満足した様子で、「お客さんと同じ目線で演奏できて、感激した」とうれしそうに語った。
二日間のラストを飾ったのは、「ストリートジャズ、ここから──」をキーワードに行われたグランドフィナーレ。「A列車で行こう」などの比較的静かな曲から始まったが、その後ソウルミュージックやゴスペルソングが演奏され、会場の市民広場は興奮のるつぼに。観客とステージが一体となり、フィナーレにふさわしい盛り上がりとなった。乾杯の後、「東京ブギウギ」の替え歌「定禅寺ブギウギ」を全員で歌い、熱気と興奮の中でジャズフェスが締めくくられた。