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本学大学院工学研究科
技術社会システム専攻新設複合分野型の次世代産業を探求

318号2面・大学

四月、本学大学院工学研究科に技術社会システム専攻が新設された。本年度四月の入学者は博士課程前期二年が二十四名(転専攻十七名含む)、後期三年が十名であった。

技術社会システム専攻は未来科学技術共同研究センター、ベンチャービジネスラボラトリー、文学研究科、法学研究科、経済学研究科が集結して作られた。工学と文学・法学・経済学を関連させた複合分野型の次世代産業を探求し、学術研究・実践の面で国際社会に貢献できる人材の育成を目指す専攻である。

近年、二十世紀型科学技術は限界を迎え、国際的に環境問題やエネルギー危機問題が叫ばれている。一方で、科学技術をビジネス・経済的成果に結ぶ技術経営能力の欠如により、日本の国際的産業技術力は低下の一途をたどっている。これらの問題を解決し、日本に二十一世紀型の新しい技術社会システムを構築するため、技術社会システム専攻が設置された。

教官として未来科学技術共同センターから長平彰夫教授、工学研究科量子エネルギー工学専攻から北村正晴教授などが招かれた。博士課程前期二年で「実践技術政策論」「国際エネルギー・資源工学」など十九個、後期三年で「リスク管理学特論」「デジタル社会基盤学特論」など九個の授業科目が用意されている。

また、技術社会システム専攻は学部のない新専攻であるため、建物を持たない。学生は配属された教官の研究室で研究を行い、共通第一講義室や機械・知能系などの建物で講義を受ける。

技術社会システム専攻の研究分野は「実践技術経営融合講座」と「先端社会工学講座」の二講座で構成される。「実践技術経営融合講座」は技術政策分野、技術適応計画分野、技術経営・知的財産権分野の三分野から成る。この講座では政府・地方自治体の技術政策、企業の技術競争と世界標準、戦略的提携の動向、先進諸国の国際技術政策を学ぶことができる。

「先端社会工学講座」には、現代社会工学・エネルギー学分野、リスク評価・管理学分野、デジタル社会基盤学分野の三つの分野がある。この講座では、現代社会のエネルギー資源政策、システム技術、技術市場の構造変化を対象として科学技術と現代社会の関係を学ぶ。さらに工学倫理、技術倫理、科学哲学を踏まえて現代社会工学における諸問題の解明・評価を行う。

募集は博士課程前期二年と後期三年について行われ、本学大学院からの進学者(飛び入学者を含む)のほか、一般編入学者、社会人・外国人留学生等編入学者を対象としている。二〇〇二年度十月入学は博士課程前期二年と後期三年で若干名、二〇〇三年度四月入学については博士課程前期二年で二十一名、後期三年で十名の募集が予定されている。


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