東北大学生協は五月十八日の生協総代会で、本年度の利用高割戻し実施を見送ることを決めた。このことにより割戻しは昨年度に引き続き二年連続で行われないことになる。
割戻しは、生協の利益を組合員に還元することを目的としており、一九六八年から行われていた制度である。これは生協の余剰金の一部をレシート総額に応じて、組合員に現金の形で渡すというシステムである。
今回の割戻し見送りの原因は、二〇〇一年度の大幅な売り上げの減少にある。デフレによる純利益の減少、価格競争による収益性悪化、セメスター制への移行による休み期間中の利用者の減少などによるものである。そのため本年度中の経営の建て直しも難しいと判断した生協は、前もって断念宣言に至った。
そもそも、割戻しという制度の是非については、前々から議論の的になっていた。割戻しを求める声がある一方で、クーラー設置などの施設への投資を求める声も根強い。今年度は後者の声を取って、川北キャンパスの第一食堂にクーラーを設置する予定である。しかし、来年度以降経営状態が改善されれば、割戻しの再開を検討する見通しだ。
大学生協は経営改善案として、一層の人件費の抑制と食堂のメニューの充実を掲げている。生協専務の野崎和夫さんは、「今後の運営のためにより一層の生協利用をお願いします」と述べた。