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「世界選手権騒動記録」


記録・2 (3月26日()) 移動

関西空港でカンボジア旅行からの飛行機を降りたばかりの友人と待ち合わせして少し話をする。カンボジアの余韻が残る彼女と世界選手権へ向かう私、話はどっちのモードになるかと思っていたら「リカルド先生(Ricardo Olavarrieta:メキシコ)とシュメルキン(Michael Schmerkin:イスラエル)出るみたい」の一言ですっかり彼女をスケートモードに巻き込んでしまった。
ごめん、帰ってきたらゆっくりカンボジアの話聞かせてくれ(^^;)。

卒業旅行とかち合わない時季なので機内がすいていて、3列並んだ席の真ん中が空いている。窓側の私と通路側の女性、2人して空いた席を荷物置きにしてしまった。私は「応援大作戦」に付け加える手紙を書き、彼女は持ち込んだMDを聞きながら本を読んでいる。何か暇つぶしを作っておかないと、一人旅の行きの飛行機は辛い。例によって機内映画は完全無視。窓から見えるシベリアの大地はどこまで行っても白い。
着陸から約2時間前に飛行機がヘルシンキ上空を通り過ぎる。

この街にいたことがある。行く前までは胸が痛くなる思いの象徴の地だったが、行ってからは暖かい思い出が残った。確か1年前のこの日は女子ショートとアイスダンスフリー。今回の観戦で世界地図の上にまた一つ思い出がある街が増えると思うとわけもなく嬉しい。
ニースにはどんな思い出が残るだろう。


トランジット先のドイツ、フランクフルト空港に到着。乗り換える飛行機のゲートを確認しようと掲示板を見たのだが、「Nice」の表示が見つからない。フライトの番号で探してみると、行き先の表示は「Nizza」。そうかドイツ語だとそうなるのか。
2時間ほど時間があるので少しぶらつく。時間はかかるがトランジットは目的地以外にもう一つの国の空港が見られるから楽しい。

多くのスケートファンにとってドイツといえばヴィット様が生まれ育った国だが、ストイコファンにはもう一つ。エルビスのコーチ兼振付け、Uschi Kezler(ウーシー・ケスラー)さんの母国でもあるのだ。
少し歩くとUschiさんの若い頃はこうだったのかな?と思わせるお姉さんがちらほらと。実はお孫さんがいるUschiさん、今であれだけ可愛らしいかつ綺麗なんだから若い頃はどれほどだったのだろう。写真公開してくれないかな。
CD屋さんをのぞいてみると映画のサントラが並んでいる。ディカプリオ主演「ロミオ+ジュリエット」の「ジュリエット」の綴りが違う。まるほどドイツの空港だから売っているのもドイツ語版。その隣に見覚えのないCDがある。砂漠に浮かび上がるピラミッド、そして「Die Mumie」の文字…これ、「The Mummy」のドイツ語版!?
やーんちょっと!縁起良すぎる―――!!
(エルビスのフリーの曲は映画「The Mummy」、邦題「ハムナプトラ〜失われた砂漠の都〜」のサントラから使っています)

移動中にテンションを上げすぎると必ず途中でツケが来る。それがわかっているので飛行機の中でもずっとセーブしてきたのだが、こうなるともう止まらない。ハロッズを見つけても「なんでドイツの空港にイギリスの王室御用達の百貨店が店出してんねん!」とツッコミを入れる暴走っぷり。
案の定フランクフルトからニースまでの飛行機でツケが来た。熟睡している間に軽食をもらい損ねてしまう。おなかはすいたが隣の席がニース在住の人で、いろいろ話ができたのでよしとしよう。

ニース到着直前、窓から海が広がる。青でも蒼でも藍でもない、マリンブルーとはこういう色を形容したのだろうか。そして白い壁に茶色がかったオレンジ色の屋根の建物が絵に描いたように並ぶ。地中海のリゾート地に来たんだ―!…とテンションが上がるのもつかの間、海が見える高さに来て飛行機が急に右回り、左回りの急旋回の繰り返しで一気に乗り物酔いになる。うう、気持ち悪い。
飛行機を降りると空港の通路沿いに「Championnats du monde de patinage artistique」のロゴとシンボルマークがにずらっと並んでいる。街をあげてのスケートモード。いい感じじゃないですか。
またその先にはスケーターの写真が。ディシュネイ兄妹、ヴィット様、ソーニャ・ヘニー、ミシェル、陳露…昔の人から少し前の人まで(現役のアマチュアはミシェルだけだった)スケーターの写真がずらっと並んでいるのだ!きゃー♪これで一気に乗り物酔いがふっとんだ私。ああ単純(笑)。


空港からのバスは海岸沿いの道路を通る。星のたくさんついてそうなホテルが進行方向から左側に並び、右側には海。海岸に沿ってジョギング、ローラースケートをしたり散歩をしたりと思い思いの方法でそれを楽しんでいる人達がいる。
見るからに"gorgeous"なリゾート地の風景。こういう感じの観光地に来たのは初めてなので、少しびびっている。
世界選手権の立て看板が所々に見える。顔は隠しているものの、あの衣装は間違いなくミシェルの97−98年シーズンのフリー。

降りるタイミングを逃して終着駅のバスターミナルまで行ってしまい、一駅戻ったバス停で待っていた人に教えてもらって乗り換えたバスで会場最寄りの停留所にたどり着く。Expositionの名を持っていそうな真ん中の建物が会場か。その両脇にある建物に黄色い幕がかかっている。各種目去年の優勝者の名前と今年の優勝者用の欄。さすがオフィシャルホテル、なかなか味なことをしてくれるじゃないですか。
今年の分はこれから一週間で一つずつ埋まっていく。さて誰の名前が入るのか。

ホテルの玄関でいきなりマリニナ&スコルニアコフ+関係者がお出かけの所とすれ違う。ここでびびりモードが一気に上昇。ロビーに先に来ていたシェリルを見つけて一安心。
軽くごはんを食べに外へ出かけるが、日曜日の夜に開いているレストランはなかなかない。バス通りぞいになんとか一軒見つけて入ってみると、店員がフェレイラ君によく似ていた。「これから毎日あのレストラン通おうかなー」とハイテンションのシェリル。のっけからラッキーだったね。

オフィシャルホテルってこういう所?1
夕ごはんからの帰り、ホテルのすぐそばでまりりんと遭遇。立ち話をしていると、そのそばを有名スケーターAさんやBさんが次々に通り過ぎていく。
試合前日の夜には予選の組分け(男女シングル)と滑走順を決めるオープニングドローがあり、選手はフォーマルな格好で参加することになっているらしい。そこへ行った帰りと思われるフォーマルな格好のスケーターや、ホテルに戻って着替えたのかくつろいだ格好のスケーターが本当に次から次へとホテルの玄関へ歩いていく。
どきどきどきどき。ああ心臓に悪い(笑)。


で、その中にいたのだ。
男子シングルの中国代表二人、郭(ぐぉ)君と成江(ちゅんじゃん)君が!
オープニングドローの帰りなのか、二人ともネクタイなしのスーツ姿で結構おしゃれ(衣装と違って)。成江君にいたってはゴールドのネックレスまでつけている。いつもつけているのと多分同じ物。
まりりんにつられてつい成江君を呼んでしまうと、「あ、俺は関係ないのね」という様子で去っていこうとする郭君。あわてて呼び直して写真入りの封筒をプレゼント。封筒に書いた「郭 正新」の漢字に目をくるっとさせる反応あり(^^)。(結構目が大きい)
成江君がまりりん持参の写真にサインをしてあげている横で、郭君は成江君にちょっかいを出しつつ「コンバンハー」、「アリガトー」、「サヨナラー」を連発。結構お茶目なキャラクターだったのね(^^;)。試合中のキス&クライでもそういう所を出したらいいのに。
(今シーズンのスパルカッセンカップのキス&クライではカメラに少し反応していたけど)

「せっかくオフィシャルホテルに泊まるんだし、チャンスがあれば渡そうかな?」と一応二人の写真は用意していたが、まさかこうも簡単に渡せるとは思わなかったぞ!!二人を見送った後パニクりまくりの私。ごめんね>まりりん、かーさ、Rinaさん
うー、心臓に悪い…でも楽しかった♪

もちろんエルビスも見た。ただ私の後を通り過ぎたので、振り返るのも何だしあまりよく見ていない。くつろぎモードで背の高い男性と一緒。体つきがスティーブン・カズンズに似ていたような気がするのだが……まさかここにいるわけないよなあ。


ホテルのロビーには世界選手権用のボードと机が置いてあり、公開練習の時間が張り出されている。明日の男子の公開練習は練習用のリンクで朝6:30から。エルビスが何時からの練習なのかわからない以上、早起きして始めから行かないと。


長い一日だった。試合前からこんなに飛ばして最後までもつんだろうか。


(3へ続く)


追記:郭君と成江君のスーツ姿の写真撮らせてもらえばよかった。貴重だったのに…あの時は頭の中真っ白でそんなこと思いつかなかったんだよ〜(泣)

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