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「世界選手権騒動記録8」


記録 8(3月30日(木)) 公開練習、アイスダンスオリジナル

昨日転倒したオベルタス組の男性は大丈夫なんだろうか。わからないなりに地元の新聞を広げる。アビトボル組の銅メダルの大きな写真がある横に別枠で小さいスペースがある。「ウクライナのオベルタス組が演技中に転倒して棄権した」という程度の長さの文章なので大丈夫なんだろうと思うことにする。


シェリルは早めに出かけていくが、私は今日もお散歩モード。ん?男子フリーなのにえらくのんびりしているなあ。花束を作らないとここまで時間に余裕ができるのか。
というのも今回のリンクは観客席との距離が遠くて飛びやすいぬいぐるみならともかく、花束を投げてもとても届きそうにないのだ。おかげで初日にあきらめがついた。
(余談だが初日のオープニングセレモニーで「花は全体にラップをして投げ入れてください」のアナウンスに「投げられないくらい遠くしておいて嫌味かい」と少しやさぐれ状態だったのは私)。
今日の天気はまあまあ。

二日前は気づかなかったが、スーパーから道を隔てた隣に花屋さんがある。スケート観戦期間に花を見るとうずうずしてくる花束フェチの性。ああっやっぱり花束作りたい!
しかしこの花屋さんは品ぞろえがいまいちで、郭君と成江君のに使える花はあってもエルビスのに使える花がない。四大陸やショートならともかく、フリーで妥協するのはフェチの誇りが許さない(何やねんそれ)。エルビスのが作れないのならやっぱりやめよう。もともと縁がなかったのだ。今は公開練習の方が大事。

大通り沿いにウェディングドレスを飾ってある店を発見。レースもフリルもない、シンプルなノースリーブで少し真珠色の入った白のドレスが飾ってある。実はこういうのって美人しか着られないんだよなあ。オリビアさん(キャンデローロの奥さん)で見てみたい。そういえば彼女どんなウェディングドレスだったんだろう?
で、新郎新婦の写真が飾ってあるのはいいが、そのうちの1枚、二人が立っている橋が少し弓なりになっていて、ついでに縁が赤くて欄干もどきになっている。で、バックにある木がどうも松のような気がする。
そういえばここから近いモナコには日本庭園があるんだったっけ。確かにガーデンウェディングには違いない。


オフィシャルホテルに掲げてある今年の優勝者の空欄、一番上にMaria Petrova and Alexei Tikhonov(RUS)の名前が入った。今日は男子シングルの欄が埋まる。
さて誰が入るのか。


今日の男子の公開練習は会場である。ジャッジの真後ろを目指し、まりりん+かーさ+Rinaさんのグループに混ぜてもらう。思ったより早い、第2グループの途中。
本田君の動きが何か違う。曲の通しはほとんど流したもののショートの日よりはジャンプを跳んでいたし、かなり無理やりながらクワド+3トゥもきめていた。
今日はいけるかも。


第3グループが始まってしばらくして見覚えのある姿を発見。ん?キャンデ?うわ―!生でオフアイスの姿を見るのは初めてなだけに判別(おいおい)するのに少し時間がかかった。何かものすごく新鮮。見学に来たあたり彼はアマチュアではないんだなあ…と妙な形で実感する。
ブルネイコーチの隣に座ってレスタンクールの練習を見ている。ここは一家全員の写真を撮るぞ!と狙ったものの、いかんせんこっちから見て二人が完全に後ろ向きであることとレスタンクールとキャンデの距離が離れすぎていていいショットが撮れなかった。

郭君はショートの練習に引き続き黒のトレーナー。よく見ると長野オリンピックのトレーナーだったりする。選手村で買ったんだろうか(笑)。始めのクワドを中心に跳べる時は跳べている。タイミングをはかるだけの時もあり。転びはしていないが相当気になるのかしょっちゅうコーチの所へ行っている。

第3グループで最後の方まで粘っていたゲイブル。アクセルがすっぽ抜けのシングルになり、テレビの映像では見たことのないぶ然とした表情。調子が悪いんだろうな。
そうだろう。予選もミスが多かったし、演技そのものはよかったとはいえショートでコンビネーションのセカンドジャンプがダブルになったのだから。力を出し切れているわけではない。


最終グループの練習で真っ先に出てきたのが成江君。エルビスもすぐに続いたのはいいが、珍しくリンクサイドにUschiさんがいない。エッジカバーを預ける相手がいないので練習が始められない様子。結局成江君のコーチに預かってもらっていた。すみませんね。その直後にUschiさんがやってくる。

エルビスの始めのポーズはちょうどTBSのブースの目の前になる。目が合ったのだろうか、曲がもう始まっていたのだが組んでいた手を前に合わせてカンフーのように一礼するエルビスと笑いながら礼を返すみどりさん。にーちゃん、そのお辞儀ちょっと違う(笑)。
通しは振り付けだけをずっとやっていた。振り付けを何もせずコースだけ滑っていた去年のフリー直前の公開練習を思い出す。

その後であっさりクワドがきまった。こうなるとエルビスのクワドが新鮮に見えるから不思議。無理やりながらクワド+3トゥもきめている。本田君といい、二日で変わるものなのか。

成江君にしろアプトにしろ曲の通しで振り付けはしないもののコースを滑っていたが、ワイスの曲の通しは見事なほど曲を無視してひたすらジャンプを跳んでいる。中盤でハバネラが流れ、観客から手拍子が起こっているのも完全に無視してコーチとディスカッション。あんたいい根性してるよ(笑)。去年と併せても公開練習でワイスが曲に合わせて滑っているのを見なかった。そういうタイプなのね。
この時曲に合った絶妙のタイミングでエルビスがジャンプ!……そして派手に転ぶ。

それからエルビスのジャンプが変になった。いくら跳んでもきまらない。それどころかしょっちゅう派手に転んでいる。今までの公開練習で転んだ所をほとんど見なかったのに。そういえばジャンプの位置がジャッジから見て手前に変わっているが、跳ぶ位置が違うだけでそんなに変わってくるものなんだろうか。調子がいいのか悪いのかわからなくなってきたぞ。
ただ、やっては転び、やっては転ぶという感じ。Uschiさんとディスカッションしていないのが雰囲気の暗さを感じさせない。今だから言えるけど四大陸はね…。

成江君はあまり動いていなかった。クワドもほとんど跳んでいなかったと思う。ヤグディンの曲の途中で真っ先に練習を切り上げた。
続いてエルビスがスピンをしてあいさつ、練習終了。なのはいいがスピンはフリーの中〜終盤にある頭を抱えて両足でぐるぐる回る一連の分で、その後はショートのラストの決めポーズ。にーちゃん、その組み合わせ何か妙。それぞれ単品はかっこいいのに本来の流れを知っているせいか違和感を感じる。
さて本番はどうなることやら。

エルビスが帰って初めて気がついたのだが、選手の出入り口付近にファンがいない。ファンに引き留められることもなく、全ての選手があっさり帰っていく。練習用リンクとえらい違い。


話がそれるがヤグディンのフリー、私これ本番で泣くな。さすがタラソワさん(?)、泣かせるパートのオンパレードで今でさえ既にうるっときているのだ。いかんテンションが高すぎる。
プルシェンコは自分の曲の直前に帰っていった。最後まで粘っていたのはアプトとヤグディン。この二人、公開練習ではいつも最後まで粘っていたような気がする。


オリジナルダンスの席はキス&クライより少しリンクよりの前から2列目にある。昨日のペアフリーよりは写真を撮る条件がいいかと思いきや、リンクサイドのカメラが目の前にある。それを避けると前の席に座っている二人組のどちらかの頭が入る。またこの二人、日本人にはめったにいないほど体が大きいのだ。
席の段差もっと大きくしてくれ!と言いたい所なのだが、ここの会場の階段はかなり段差が急で一段一段の間が長い。駆け登るのはけっこうきついしヒールのある靴だと駆け下りるのはかなり怖いと思う。年配の人になると手すりやいすにつかまりながら一歩一歩登らなければいけないくらいなのだ。日本とは違い70才を越えていそうな人も結構来ているこの会場、これ以上高くするわけにもいかない。それに普通の人なら頭がぜんぜん入らないのだ。日本に比べて体の大きい人が多いヨーロッパ、運が悪かったとあきらめるしかないか。


は〜〜〜〜〜。都築さんお美しいわ〜〜〜〜〜〜
都築さんに見とれているうちに第3グループのウォームアップが終わってしまう。カナダの組がいるのにメープルリーフ振り忘れた………

Megan Wing and Aaron Lowe(カナダ)
女性の名字に「中国系?」とチェックを入れていた。四大陸選手権ではフリーのものすごいスピード感とエキシビションでの女性の強烈なキャラクターが印象に残っている。
フリーで見当はついていたがこのペアにラテンはぴったり!(逆に去年のOD、ワルツを見てみたい…)情熱的というかパワフルというか、とにかくこのグループではスピード感がピカイチ。そして女性のメーガンさんが強烈! 「おーっほほほほほほ!」と高笑いしながらパートナーの首に縄を付けて引きずり回しているような感じなのだ。パートナーを食ってしまうこの強烈さはある意味パーシャ以上かもしれない。もうメーガンさん最高!
お美しい都築さんも好きだがこういう強烈な人、大好き。なんで都築さんと同じグループなのよ〜〜〜(泣)


Stephanie Rauer and Thomas Rauer(ドイツ)
「長身のかっこいい男性とすらりとした美しい女性の大人のムード」の二人がオンパレードのアイスダンスの中で、身長差があまりなく二人共小柄、兄妹ペアというのは珍しいのでは。去年のODはいかにも「ワルツ〜」という演技の中、おもちゃのロボットのようなかくかくっとした演技で異彩を放っていた二人。タキシード姿のエルビスの写真がある雑誌にパニックになりながらも覚えていたくらいだ。
今回もやってくれた。ラテンというよりは二人のピエロがはしゃいでいるような演技。くるくるくるくるよく動く。自分達の個性をしっかり把握しているのは強い。私の前の席のお姉さんはずっと笑っていた。
NHK杯に来てほしいなあ。日本の人達に演技を見てほしい。


都築さん、お美しいけどその緑の衣装いまいち…。
二人とも弾けてはいるのだが、弾ける方向が何かかみ合わなくてばらばらな印象。二人の衣装も統一感がないし、それ以上にしっとりしたものが残ってしまう。やはりこの組にラテンはきつかったか(^^;)。
え?ラウアー組に勝ってる!(コンパルソリー終了時点で19位と20位を分け合っていた)


それ以上にラテンがきつかっただろうと思うのが次のグループの第1滑走だった中国ペア(Zhang and Cao)。無難な衣装を着ているので安心したものの、とにかく音とずれ気味で危なっかしい。終盤の二人並んだストレートラインステップではアイスダンスオンチの私でもわかるほど動きがずれてしまい、結局順位が落ちてしまった。あの部分が減点対象になったか?場内はブーイング。

しかしモニターに映る二人の顔は笑顔。画面に向かって手まで振っている。ノーリアクションの多い中国勢にしては珍しい。
実はこの時の彼女達、キス&クライで写真を撮っていたのだ。コーチも入って楽しそうな3ショット。キス&クライで写真を撮る選手は結構いるが、ここまで記念撮影と化していたのは多分ここだけ。あんたら、何やってんねんっ(笑)!
四大陸では修学旅行状態で大はしゃぎの10代の選手(ペア2番手やアイスダンス3番手)を横にまじめに観戦していたのに…後輩がいない分ここではじけたか?さすが中国勢(笑)。
(ちなみに今回出ている中国勢はSiyinちゃんを除いて全員20代。意外にアダルトチームなのだ。)
しかしフリーに進めるんだろうか。


今さらながら今回のオリジナルダンスの課題は「ラテンリズム・コンビネーション」。ラテンといえば真っ先に思いつくのがあのサンバ隊。そして何が目につくかって、派手な衣装や踊りもそうだがリズムに乗ったあの「ふるふるふるふる」という細かい動き。そのふるふるを見事に氷の上に持ってきた組がいる。
ノバック andコラシンスキー組(ポーランド)

のっけからシルビアさんが弾け、そしてセバン君が弾ける。もうめちゃめちゃ楽しそう!同じグループの組と比べると少しスピードが落ちるのが後でわかったが、ふるふるがあるからいい(おいおい)
ふるふる、ふるふる〜〜ああっこれ、これが見たかったのよ!はしゃぎすぎて後半見ている私が疲れた。見るのにもパワーがいるものだったのか(^^;)
そのふるふる中国ペアに分けてください〜〜〜(泣)


一瞬「NHK杯からOD変えたの?」と思ったくらい印象が違ったデンコワandスタビスキー組(ブルガリア)。NHK杯ではかっこいいアルベナさんが引っ張っている印象があったが、今回は可愛いマキシム君ががんばった!
やっぱりラテンは二人そろって弾けてくれないとおもしろくない。これならNHK杯で一緒で今回も同じグループのグルシナ組(ウクライナ)とそんなに点数変わらないんじゃないか…と思っていたら本当に変わらない点数だった。





最後から2番目の滑走だったアニシナ組が先に滑ったフサポリ組を上回ることができずに会場が騒然とする。私としてはフサポリ組の方が断然おもしろかったからいたって普通の気分だったのだが、会場は本当に騒然としている。そこまでせんでも…と思うのは私がお気楽モードだからであって、確かに地元のファンとしてはえらいことだろう。
去年オリジナルダンスで1位を獲ってクリロワ組を追い詰めたアニシナ組が、今度は逆の立場に立っているのが不思議なもの。まあ素直にフリーで逆転すると思うのだが…って私、去年も似たようなセリフを言っていたような気がする。しかしNHK杯でアニシナ組のあのフリーを生で見た人間としては、オリジナルダンスがどうなろうが優勝は動きそうにない気がして仕方がないのだ。
こういう見方が本人達にはプレッシャーとなってのしかかるのだろう。悪いとは思うのだが…。でもあのフリー見てしまうとなあ…。

最終滑走がなぜかカナダのDubreuil and Lauson組。「なぜか」という言い方は語弊があるが、彼女達はコンパルソリーを終わって10位タイ。順位から言うと一つか二つ前のグループのはず。
オリジナルダンスのグループ分けは基本的にコンパルソリーの順位通りになっているものの、各グループに「なぜこの組が?」という組が一組くらいいる。きっちり予選の順位通りにグループを分けるシングルのショートと違い、アイスダンスはその辺のルールが違うのだろうか?
アニシナ組が終わって気が抜けた中で上位陣の順位に関係ない彼女達が滑ることになったのはなんとも気の毒。フリーといい外見といいおとなしい印象なのでラテンはきついかな…と思っていたら、衣装はおとなしいが意外に弾けていた。カナダの大応援団がついていたので会場もある程度のテンションは保てていたと思う。情は移っていないつもりだったがほっとした。


男子フリーまで1時間少しある。晩ごはんを食べて、少しみやげ物を物色しようか…と考えながらトイレに行くとシェリルとばったり。ここでまたもや彼女の言葉にブチ切れることになる。
たかが晩ごはんでなぜここまでもめねばならんのだとは思うのだが。

(9へ続く)

追記:覚えているうちにどうしても書いておきたかったペアフリー。「えい、書いてしまえ!」とオリジナルダンスの第1、第2グループの間点数が出るまでの間に原稿を書いていたのは私です。演技は見ていたのですが(^^;)。

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