バイリンガルの迷信 バイリンガルについて正しい知識を持ちましょう!
- 迷信その1
『第二言語の習得にはすぐ出来る。』他のセクションでも紹介しているように、会話で数年、思考や学習に必要な英語は5〜7年ぐらいは最低限必要。
- 迷信その2
『外国語は思春期までに習得させた方がよい。』英語習得レベルは、主にアメリカに来た年齢と滞在期間の関係によって随分差が出てきます(Flege, 1992)。第二言語の習得がいきなり困難になる年齢はありません。
- 迷信その3
『第一言語の全ての面(リスニング、スピーキング、リーディング、ライティング)の能力が第二言語にも同等に現れる。』第一言語のリーディングレベルが第二言語に最も現われやすい面です。
- 迷信その4
『言語間の転換(code switching)は言語障害の表われ。』両言語のレベルが高いことからも起こります。
- 迷信その5
『バイリンガルの人は両言語のバランスがとれていて、簡単にバランスを保つことが出来る。』バランスがとれている方が稀な例で、両言語とも高いレベルで保つには相当な努力が必要です。
- 迷信その6
『子供は第一言語は忘れない。』第一言語を忘れ、第二言語がきちんと発達しない場合もあり、普通の外国語学習者の言語にまつわる知的機能(又は、発達)の問題の表れと考えられています。
- 迷信その7
『英語環境にいれば英語を習得できる。』言語を習得するには、コミュニケーションの必要性、英語話者へのアクセス、英語でのやりとり、英語話者からのサポートとフィードバック、そして、時間が必要です。
- 迷信その8
『子供の英語習得を早めるために家庭では英語だけを話すべき。』英語を第二言語とするバイリンガルになるには、各言語を使う社会的環境があること、バイリンガルを家庭で重視すること、英語を学ぶ前に第一言語がしっかり発達していること、英語話者とやりとりする機会が多いこと、英語話者が英語をよく知っていること、適切な言語指導を受けること。
- 迷信その9
『第一言語での読書は英語のリーディングの妨げになる。』読み書き能力を高める家庭環境では、どちらの言語だろうと関係なく、基本的な読書力と読み書き関連のスキルの発達が英語のリーディング力につながります。
- 迷信その10
『二言語で育つ子供は普通の子供の半分しか学習できず、言語的な問題を起こしやすい。』別のセクションでも触れていますが、二言語教育を受けた子供達の方が普通の一言語の学校に通う子供達より全体的に成績がよいという調査結果があります。
05/21 updated