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双子の誘い

510 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:2000/08/11(金) 22:22

テントでは久しぶりに飲んだ酒に悪酔いしたサラマンダーが一人叫んでいた。
サラマンダー「くそっ!くそっ!!俺は一体誰なんだ!?
       泣く子も黙る焔色のサラマンダー様じゃなかったのか!?
       いつからあんな性悪女に言いたい放題されてうつむいているような
       馬鹿野郎になったんだ!?
       こんな調子だからラニのヤツにもなめられて・・・
       何言ってるんだ俺は!ラニなんかどうでもいい!
       女なんかにうつつを抜かしているからこんな腑抜けになっちまったんだ!
       酒にもこんなに弱くなっちまって・・・
       一度ビシっと言ってやらねば・・・いや!違うだろ!くそっ!」
その時、テントの幕に二つの大きな影が映った。
酒に酔っていようが女に溺れていようが何度も修羅場をくぐりぬけて培われた勘は、
瞬時に彼を戦闘準備に入らせた。
サラマンダー「ラニじゃねえな!?ガーネットの新たな刺客か?でてきやがれ」
ゆっくりと姿を現したのは、いつか顔を合わせたことのある道化であった。
ゾーン「久しぶりでおじゃる!」
ソーン「すっかりやつれたでごじゃるな!?」
サラマンダー「お前らは確か、俺達に倒されたはずの・・・」
ゾーン「細かいことはどうでもいいでおじゃる!」
ソーン「とにかくガーネット様のおかげで復活できたでごじゃる!」
サラマンダー「なるほどな、確かに細かいことはどうでもいいことだ。
       俺には言葉はいらねえ、お前らが新たな刺客ってんなら倒すまでだ」
サラマンダーはゆっくりと構える。その姿にどこにもスキはない。
ゾーン「ま、待つでおじゃる!戦いにきたのではないのでおじゃる!」
サラマンダー「なんだと?」
ソーン「喜ぶでごじゃる!ガーネット様はお前をお許しになるでごじゃる。
    ガーネット様に忠誠を誓えば許すと仰ってるでごじゃる」
ゾーン「忠誠を誓う証として相棒のラニのクビを差し出せば認めるでおじゃる」
サラマンダーは二人の話を黙って聞いていたが、やがて大声で笑い出した。
ゾーン「なにがおかしいでおじゃるか?」
サラマンダー「クッ!ハハハハハッ!!みくびんじゃねえよこのサラマンダー様をよ!?
       この俺が相棒を売って自分だけ助かろうって男だと思ったのか!?
       ラニを殺せば助けるだと?
       フン、世間知らずのお嬢様が企てそうなケチな陰謀だぜ?」
そういうとサラマンダーはゾーンの頭ぎりぎりに右ストレートを繰り出す。
ゾーンの帽子は風圧で吹っ飛び、さわらずとも本体も倒せるほどの強力な一撃である。
サラマンダー「とっとと帰ってケチなお嬢様に言ってやりな、俺の方針は変わったぜ。
       どぎたねえ手を使うようになったお前をぶったおすことに決めたってな」
しかしゾーンソーンは顔色一つ変えず、冷笑を浮かべている。
帽子を拾い上げ、ゾーンは薄ら笑いを浮かべて言い放った。
ゾーン「フン、それは残念でおじゃるな。
    でもラニの方はそうは考えないようでおじゃるがな」
サラマンダー「なんだと!?」

 

 

 

 

 

 

フラットレイ、アレクサンドリア城へ

511 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:2000/08/11(金) 22:23

アレクサンドリア城ーーー以前フライヤと共に来城した時以来となる。外観はまったく変わった様子は無い
が、かつてなかったこの邪悪な空気。竜騎士特有の肌でしっかりと感じ取れる。ピリピリと伝わってくる。
フラットレイ「(・・・いったいどうして・・?この城は・・・)」
トレノにて商人共が吐いていた言葉・・人形・・・赤い服・・ブルメシア・・槍・・
串刺し・・・・氷の中の・・装飾品・・・!!!!(まさか・・まさか・・まさか!!)
フラットレイ「・・フライヤ。信じられない・・が真実を確かめねばならぬ・・まさか・・間違いで・・間違いであってくれ!」
あれから当然の如く正体はモロバレし、追われる事となってしまったが今のフラットレイには
その様な事は最早どうでもよかった。信じられないほどの速さで追っ手を振り切り
気が付けばアレクサンドリア城の前に辿り着いていた。
例えようの無いぞくぞくとした感じがする。自分の心の中に最悪の状況がちらちらと意識する。
フラットレイ「・・・・・・・・フライヤ!」
それらのもやもやを強引に振り払う(逃げる?)ようにして最愛の者の名を一言口にし、
汗でにじむ手に握られる愛槍ランスオブカインを空に一閃し、高々とフラットレイは
深夜のアレクサンドリア城へ跳躍した。

ガシッ!バタッ!フラットレイの槍の柄で当身を食らった警護兵が声も無く崩れ落ちる。
目的地・・後はこの廊下・・この先に問題の大広間がある。
王女は寝室へ向かっているのかこちらの警備は意外と手薄だ。
思ったより軽々とここまで来ることが出来た。最後はあの扉の前の警備兵か・・。
先ほど気絶させた兵を抱き上げ警備に見える位置で倒してやる。ズンッ。
案の定走りよって来た。跳躍し死角の位置の天井に貼りつく。
そして間合いに入った瞬間急降下し最後の警護兵に一撃食らわせる。
フラットレイ「・・・・さて・・」
眼前に見える扉。あそこを開ければそこはもう玉座の間。
(・・何の為ここへ来たか十分わかってる。けれど・・怖い・・知るのが・・とてつもなく・・
しかし・・・・行かなくては・・・フライヤ・・・)
フラットレイは大広間への扉をゆっくりと開く・・・・・・・・・



 

 

 

 

 

 


双子の言葉

514 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:2000/08/11(金) 22:41

>>507
>>510の続きね

ソーン「ラニは別の選択をしたと言ったでごじゃるよ。
    黙っているつもりだったけどお前の悔しがる姿が見たいので言ってやるでごじゃる!
    ラニにお前と同じ条件で取引を持ちかけたらあっさりOKしたでごじゃる」
サラマンダー「う、うそをつけ!
       あいつのことは俺が一番分かる!
       あいつは口は汚いが、そんなことをする女じゃねえ!
       しかも、しかも、俺に対して、そんな・・・!」
ゾーン「はあ〜あ。すっかりはまってるでおじゃる。
    散々良いように利用されて最後に殺されるでおじゃる。
    裏家業ナンバー1の男も腑抜けたもんでおじゃる」
ソーン「ラニには最強の銃、ピースメーカーをくれてやったでごじゃる。
    それをポケットに忍ばせて、一撃でズドン!でごじゃる。
    さっさと殺されてしまいえばいいでごじゃる。
    好きな女に殺されてお前も本望でごじゃろう?
    キャキャキャキャキャ!!」
そう言うなり二人は後ろを向いた。
サラマンダー「待て!貴様ら!話は終わっちゃいねえ!」
しかし道化二人は逃げるのはお手の物、霧のように姿を消した。
一人残され、がっくりと膝をつくサラマンダー。
目の奥、脳の近くに、今まで感じたこともない熱いものを感じる。

(・・・・・・俺を裏切るのか?・・・・・・)



 

 

 

 

 

 

 

 

 

悲しい再開

516 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:2000/08/11(金) 23:14

(・・・・どうして?・・・・・・どうして・・・どうしてどうしてどうしてどうして・・
・・・ウソだ・・ウソだ・・・・ウソだウソだウソだウソだウソだ・・・)
フラットレイ「・・ウソだァァァァーーーーーーーーーーッ!!」
深夜のアレクサンドリア城大広間。この場所がどういう所なのかも忘れフラットレイは絶叫した。
目の前には確かに捜し求めていた者がいる・・確かに・・確かに間違い無い。
しかしそれが間違いであることをどれほど強くこの男は願っていたのだろう。
最愛の人・・生涯共に生きると誓い合い・・共に戦い共に笑い共に泣きそして・・共に愛し合った・・・フライヤ。
しかし今の彼女は表情一つ変える事無く目を閉じ・無言で・・その身体は彼女の・・
見覚えがあるあの彼女の愛槍ホーリーランスで石柱ごと貫かれ・・青白い妖しく光る氷の中で
眠ってる様に動かない。しかし、それは・・まさにあの商人達が言っていたとおり・・美しかった・・
フラットレイは身を引き裂かれる悲しみの中心に湧き上がったその「美しい」という感情に再び自虐の念を禁じ得なかった。
フラットレイ「ああ・・・・ああ・・・・ああ」
思いのあまりフラットレイは氷漬けのフライヤを抱きしめるかの様に触れる。
その時!!
フラットレイ「!!!な・・・に?」
フラットレイは何かを感じ取ったのか弾かれる様にして氷から離れる。
フラットレイ「・・!今・・のは・・まさか・・」
もう一度氷に触れてみようとするフラットレイ。

「その氷細工がお気に入りかな?」

フラットレイ「!!!!!!」  声に反応しハッと振り返るフラットレイ。
ギィィィ・・・・ゆっくりと・・自分が入ってきた大広間の扉が開き
一陣の風がビュウと大広間を通過する。みるみるあたりははちきれんばかりの邪気に覆われてゆく。
そして純白のドレスを纏った少女が厳かな所作で現れる。
「・・見るだけであるのならば見学料を貰わねばならんな。代金は・・少々足らぬかも知れぬが貴様の命などはどうじゃ?」
凍りつきそうな声が深夜の大広間にこだまする。
フラットレイ「・・・・・・ガー・・・・・ネットッ」
知らぬ間に滴り落ちていた汗を拭うことも忘れ、竜騎士はこの城の、この部屋の主の名を掠れた声で口にする。



 

 

 

 

 

 

変わり果てたクロマ族の村

517 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:2000/08/11(金) 23:19

>>475

ベアトリクス「これが…クロマ族の村なのか?」
       (のどかでとてもいい所なのである。いつか一緒に行くのである)
       いつか王宮のテラスでスタイナーから聞いたクロマ族の村の話。ただ、自分が
       思い描いていた村の姿はどこにもありはしなかった。
       奇妙な機械が黒い煙を上げ空を厚く覆っている。小川のせせらぎは淀み、異様な
       臭いを発していた。機械から生み出される多くの卵。うつろな瞳の魔道兵が村の
       広場に並べられている。
ベアトリクス「ジタンはどこに?」
       傍に立つビビの息子に問い掛けると、彼はただ黙って機械の前に立つ男を指さした。
ベアトリクス「ジタン!」
       男がゆっくりとこちらを向く。それは紛れもなくジタン・トライバルだった。ただ
       あの、人をくったような笑顔はなりを潜め、鈍い眼光をめんどくさそうにこちらに
       向けただけだった。
ベアトリクス「ジタン、何をしている! あの悲劇をまた繰り返すつもりか!」
ジタン   「誰かと思えばアレクサンドリアの騎士様じゃないか」
       ベアトリクスを侮蔑するように口元を歪めジタンが言う。
ジタン   「死んだんだってな、おっさん。ご愁傷様」
ベアトリクス「貴様ッ、我が夫を愚弄するつもりか!」
ジタン   「はぁ? 本気で悲しんでるって俺は。それより、『あの悲劇を繰り返すつもりか』って
       どういうことだよ。まさか、自分がプルメシアやその他の国々やったことを忘れたんじゃ
       ないだろうな?」
ベアトリクス「……」
ジタン   「いまさら平和の使者を気取るつもりかい? だったら止めた方がいい。
       この…偽善者が!」
       ジタンに強い口調で言われてもベアトリクスには返す言葉が無かった。
       そうだ、自分はこの手で数え切れないほどの人を斬った。そんな自分に今さら何が
       言えるだろうか。いつからだろう。自分の手が血に濡れていることを忘れたのは。
ジタン   「分かったら…さっさとこの村から出て行くんだ。俺は戦う。そして勝つ。それだけだ」
ビビjr1号「お姉ちゃん…」
ベアトリクス「いいんだ、ありがとう。それより…もしよければ空チョコボか海チョコボを貸して
       もらえないだろうか」
       ビビの息子はしばらくベアトリクスの顔を見上げていたが、やがて小さくうなずいた。
ビビjr1号「分かった…ボコ、おいで」  
       ビビの息子が呼びかけると一頭のチョコボが走り寄って来る。
ボコ    「クエー」
       首を曲げてビビの息子に頬擦りをするボコ。
ビビjr1号「ボコっていうんだ。本当はもっと長い名前なんだけど、みんなそう呼んでる」
ベアトリクス「そうか…よろしく、ボコ」
       ボコの頭を撫で、ベアトリクスはボコにまたがった。        
ビビjr1号「ねぇ、これからどうするつもりなの?」
ベアトリクス「トレノへ。そこである人に会おうと思う」
ビビjr1号「ある人って?」
ベアトリクス「私に道を示してくれた人だ」
       そう答え、手綱を引いたベアトリクスはボコを空へと舞い上がらせた。
       クエールに教えられた自分の運命、そしてジタンに突きつけられた己への矛盾。
       考えてみたところで頭にモヤがかかるだけ、一筋の光明すら見えてこなかった。
       自分は何のために剣を振っているのだろうか。誰の為に剣を振っているのだろうか。
       それが分からなかった。


 時系列がすこし狂いましたが、これはジタンが戦闘に入る前、クロマ族の村に到着したベアトリクス
 のお話です。      


 

 

 

 

 

 

 

 

召喚師エーコ

518 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:2000/08/11(金) 23:27

リンドブルム城エーコの寝室。
怒りに駆られたエーコは床に描かれた魔方陣の前に立っていた。
エーコ「出でよ! 聖天使アルテマの名を冠したる世界を混沌に帰せし者たちよ!」
エーコがそう叫ぶと、魔方陣が妖しく輝いて五体のアルテマデーモンが姿を現す。
そして、エーコの数倍の大きさの悪魔たちが、エーコに恭しく頭を下げる。
アルテマデーモン「これはこれは、召喚師の女公様。何の御用でしょう」
エーコ「まずは人間の格好をとってもらおう」
エーコがそう言うと、アルテマデーモンたちは、美女の姿をしたアサシンへと姿を変える。
エーコ「うぬらに与える役目は粛清だ。ここにリストアップされた者たちを殺せ。
    但し、騒ぎは大きくしないこと」
アルテマデーモン「はい、仰せのままに」
アルテマデーモンたちは、女の声でそう言うと部屋から姿を消した。
一人になったエーコは、窓から外を見る。
すると、夜のリンドブルムが目に入ってきた。
エーコ「随分と闇が濃くなった…。いずれ、闇一色へと塗りかえられるだろう。
    終わることのない、そして何も始まらない永遠の闇へと」

 

 

 

 

 

 

 

エリン亡命

521 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:2000/08/11(金) 23:52

518続き

小一時間ほど経っただろうか、静まりかえった寝室の空気を飛空挺のプロペラ音が破る。
エーコ「こんな時間に飛空挺? 一体何事?」
ベッドから飛び降りたエーコがそう呟くと、アサシンが姿を現す。
エーコ「終わったの?」
アサシン「申し訳ありません。エリンに逃げられてしまいました」
エーコ「何だと! この無能者め! 逃げられたのなら、何故追わない!」
アサシン「エリンは飛空挺で逃げました。あの最新の飛空挺の速さには、我らでは追いつけませぬ」
エーコ「…くっ。技術革新が逆にあざとなったか。
    あれがアレクサンドリアやジタンに渡るようなことがあったら…」
エーコはこめかみに血管を浮かび上がらせ、歯噛みする。
エーコ「こうなった以上は仕方あるまい。だが、最新型はまだふたつ残っている。明日のトレノ遠征は問題なかろう。
    うぬらの魔界の力はその時に発揮してもらおう」
アサシン「お任せあれ」
アサシンは音も無くエーコの前から姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

ベアトリクス、トレノ到着

525 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:2000/08/12(土) 00:09

>>517
       街の傍の森へとボコを下ろし、ベアトリクスは地面に降り立った。
ベアトリクス「ありがとう、助かった。村にお帰りなさい」
ボコ    「クエ…」
       が、ボコはベアトリクスを見つめたままその場を動こうとはしない。心配そうな
       瞳でベアトリクスを見つめるだけだった。
ベアトリクス「優しいんだな」
       呟きベアトリクスはボコに頬を寄せた。
ベアトリクス「分かった、すぐに戻ってくる。少しだけ待っていてくれ」
ボコ    「クエ、クエ」
       まるでこちらの言葉が理解できているかのように、ボコが首を縦に振る。
       そんなボコの様子に頬を微かに緩め、ベアトリクスはトレノの街へと足を
       踏み入れた。            

       華やかな貴族の街トレノ。この街が眠ることはない。カードにオークション。
       人々の喧騒が絶えることはなかった。
       心の隙間を埋めるように一段づつ螺旋階段を上って行く。
       階段の終点。扉をゆっくりと開ける。
????  「どなたかな、こんな夜更けに」
ベアトリクス「私です。ベアトリクスです」
????  「ベアトリクスとな」
       椅子を引く音がして声の主が迎えてくれる。


 

 

 

 

 

 

 

トット先生登場

526 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:2000/08/12(土) 00:12

>>525

ベアトリクス「お久しぶりです、トット先生。いえ…マスター・トット」
トット   「マスター(師匠)か。何年ぶりじゃろうな、そう呼ばれるのは。まぁとにかく入りなさい」
       小さく礼をして中に入る。
       ガーネットの教育係としてのトット。生き字引としてのトット。そんな彼にはもう一つ
       別の顔があった。
       まだアレクサンドリアの軍隊が騎士団と呼ばれていた頃の話。
       「戦神」と呼ばれた一人の騎士団長がいた。それがトットである。ベアトリクスは彼から
       剣と兵法を学び、騎士としての心構えを叩き込まれた。
       師匠ならば何か自分の前に道を示してくれるかもしれない。そんな想いが彼女の足を
       トレノへと向かわせたのだ。
トット   「何やら大変な事になっておるようじゃの。おぬしはこのような所におってよいのか?」
ベアトリクス「私は…将軍の職を剥奪されました」
トット   「何と…」
ベアトリクス「私はガーネット様をお止めしたかった。でも私の言葉など聞き入れて貰えませんでした。
       夫も処刑され…何よりプルメシアを陥とした私の言葉にどれだけの重さがあるでしょうか。
       私は誰の為に剣を振ればいいのでしょうか。そして…クエール様に教えられた私の運命。
       私は一体どうすれば!」
       心にかかった霧を振り払うかのように、ベアトリクスは息継ぎもせずに吐き出した。
       トットはしばらく何かを考えるようにうつむいていたが、やがて静かに口を開いた。
トット   「ふむ。おぬしの昔からの悪い癖じゃな。何事も難しい方難しい方に考えようとする」
ベアトリクス「どういう事ですか?」
トット   「誰の為に剣を振ればよいのか問うたな。ならば逆に問う。おぬしはどこの国の騎士じゃ」
ベアトリクス「アレクサンドリアです」
トット   「ならばアレクサンドリアの民のために剣を振ればよかろう。何も難しいことはない。
       おぬしはプルメシアを陥とした事に罪悪を感じておるようだが、それこそ偽善でしかない。
       おぬしは国の為を想い剣を振ったのであろう。だとすればそれが軍人の正義なのだ。
       悪いのは国を陥としたおぬしではない。国を、そして民を守れなかったプルメシアの
       騎士団なのだ。
       世界平和の為に剣を振ろうなどとは思わぬことじゃ。私たちはおぬしの夫や、その仲間
       達のような英雄ではない。英雄には英雄の、軍人には軍人の正義がある。
       おぬしはアレクサンドリアの民に刃を向けたことがあるか?」
ベアトリクス「いえ…」
トット   「ならばおぬしは最高の軍人じゃよ。アレクサンドリアにとって」
       言葉を切り、トットが小さく微笑む。
トット   「プルメシア竜騎士団のフライヤもその事を騎士として十分分かっていたが故におぬしを
       討とうとはしなかったのじゃろう」
       トットの言葉に気絶していた自分を助けてくれたフライヤのことを思い出す。
トット   「まぁ、そうは言っても民は中々理解してはくれぬもの。国内でもおぬしに対する批判は
       あるじゃろうし、プルメシアではおぬしは鬼と言われておろうな。
       じゃが、その程度の事で剣が鈍るのなら初めから軍人になどならぬ事じゃ。
       もう一度だけ言っておく。おぬしは英雄ではない。アレクサンドリアの騎士じゃ」
ベアトリクス「マスター…」
トット   「少しは気が晴れたかな。そうだ、最近手に入ったいいお茶がある。飲んで行きなさい。
       ついでに今晩は泊っていくといい」
ベアトリクス「ありがとうございます。あっ、実は連れがいるのですが一緒によろしいですか?」
トット   「連れとな?」
ベアトリクス「ええ、ボコというとても気の優しいイイ奴です」
       言って、ベアトリクスは微笑んだ。


 

 

 

 

 

 

トレノ爆撃

527 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:2000/08/12(土) 00:27

521続き

明朝、リンドブルム駐アレクサンドリア大使が通告を渡し。
その一時間後、最新型飛空挺ファルコンがトレノを爆撃していた。
華やかな貴族の街の情景は、阿鼻叫喚の地獄絵図と取って代わられた。
街の明かりは炎にとって変わられ、暗い街を紅く照らす。
エーコ「フフッ、良い眺めね。燃やせ、焼き尽くせ、惰眠と快楽を貪る愚昧な者どもの街を。
    ハッハッハッ…」
エーコが狂った笑い声を上げると、アサシンが部屋に入ってくる。
エーコ「何用だ」
アサシン「エーコ様。奴が来ました、如何致しましょう」
エーコ「そう…奴が来たか、面白い」
エーコが船窓をから外を眺めると、レッドローズが見えた。
そして、その中から強大な力のうねりが感じられる。
エーコ「ガーネット…決着をつけようではないか」
エーコはぽつりと呟くと、アサシンと共に甲板へとダテレポで移動した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スタイナー、アレクサンドリアへ

531 名前:ななしさん@おなかいっぱい投稿日:2000/08/12(土) 00:47

立ち上がったスタイナーはがまず最初に行わなければならなかったのは、
情報収集だった。自分が倒れている間に、世界は確実に動いているはずだ。
「少々危険だが、アレクサンドリアに戻るしかあるまい。自分は死んだことになっている。
顔を隠すなり何なりすれば、多少はごまかせるだろう。」
まだ、回復しきっていない体を引きずりながら、スタイナーは古巣アレクサンドリアに
足を向けた。歩くたびにかしゃかしゃと音の鳴るよろいを脱ぎ捨てた。身につけているのは、
木綿の肌着のようなものだけである。
また、ラグナロクをさやに収め、背中にしょう。帰るべき場所を持たない、流浪の山賊のような
姿になった。
「後は顔を覆うものがあれば…」
その大柄な体型は変えようもないが、かつては王宮の一、二を争う騎士だった男とは
想像もできない姿だった。
「まあ、さしあたりはこれでしょうがないであろう…」
かつては、城に戻れば英雄扱いだった自分が、今は、みすぼらしい姿に身を包まなければ、
そして、誰にも見咎められないように細心の注意を払わなければ、
城に入ることすらできないのか…。
スタイナーの目に、アレクサンドリアが映る。
心なしか、薄暗く、そして自分を拒絶しているかのように見えた…。

 

 

 

 


病める街並

541 名前:ななしさん@おなかいっぱい投稿日:2000/08/12(土) 01:16

スタイナーの目に、アレクサンドリアが映る。
心なしか、薄暗く、そして自分を拒絶しているかのように見えた…。

住み慣れた土地だけに、雰囲気の違いはすぐにわかる。
城下町に足を踏み入れたスタイナーの目に映ったのは、
栄華を極めたあのアレクサンドリアとは思えない町並みだった。
町のものたちは、明らかに疲弊し、陰気な空気に包まれている。
歩いている民にスタイナーは声をかけずに入られなかった。
「なぜこんなにもアレクサンドリアの空気はにごってしまっているのであるか?」
返事をするのがいかにも面どくさいという感じで、男は足を止めることなく小声で言い放った。
「そんなのあのお城にすんでる王家の人に言ってくれや。こっちは戦争だかなんだかのために
跳ね上がった税金のおかげで満足に飯も食ってないんだ。笑えってほうが無理だぜ」
自分が城から逃げ延びてから、そんなに時間がたったとも思えない。
自分は城に入り浸りだったので、アレクサンドリアの国民のことなど、
これっぽちも理解していなかったのだ…。いまさらながらに自分の視野の狭さを嫌悪した。
この様子では、国民たちは姫さまへの不満でいっぱいなのだろう。
酒場にでもいってみるか。なにか情報がつかめるかもしれない。
スタイナーは、酒場へと向かった。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブルメシア竜騎士団隊長フラットレイ

543 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:2000/08/12(土) 01:19

ガーネット「・・どうやら余程この部屋はネズミ共に好かれておる様じゃな。ククク・・
貴様等ネズミはネズミらしく厨房の片隅にてチーズの欠片でも齧りついておるがお似合いというに・・」
クックッと笑うガーネット。しかしいつにも増しその魔王の如き迫力は微塵も翳る事は無い。
(・・・違う・・まるで違う・・)
かつてフライヤと共に訪れた際の彼女ではまるでちがう。一体・・これは・・?
戦慄するフラットレイ。・・・しかし、最早今自分のすべきことは只!一つだけ!!
数々の戦場をくぐり抜けてきた歴戦の勇者はその魔王の迫力に怯む事無く
動揺する自らの精神を戦闘モードに切り替える。
あの・・あのフライヤの姿が全て!そしてフライヤをあのようにした張本人が目の前にいる!!
フラットレイ「・・・魔王。ブルメシアを滅ぼし・・そして・・そしてフライヤをあのようにしたのは
そなたに相違無いな。そのおぞましき形相・・そなたは断じて、王女では無いッ!!」
ランスオブカインを利き手に持ち替え槍の穂先をガーネットへと向ける。竜騎士戦闘の構え。
ガーネット「・・・ドブネズミ共を殺したことか?・・だとすればどうする・・?・・!」
ガーネットが言い終わるや否や槍の刃が彼女の頭上に閃く!
ヒュンッ!! 空で回転しながら着地するフラットレイ。
しかし流石にガーネットも不意を突かれたとはいえ楽々とかわす。さっきの一閃でかわしたとは言え
ガーネットの髪数本が槍の風圧によりパラとこぼれる。それを撫でながら微笑を返すガーネット。
再び対峙する両者。  ・・とそこへ、「王女様ッ!」
ドタドタドタッ親衛隊らしき警備兵がさすがに異常に気付いたのかこの大広間へと闖入してくる。
そしてフラットレイを見、剣を構えガーネットの周りを固めようとしたその時!
ガーネット「下がりおれッ!!貴様等ッ!!」凄まじい恫喝一閃。
今の一言で心臓をも止められる様な迫力。親衛隊は皆言うに及ばず無意識に顔を腕で隠す防御の体勢をとってしまう。
ガーネット「・・丁度クイナも居らぬ。今宵は私自ら久々に運動を致すとしよう。」
親衛隊「し・・しかし王女さ・・」
ガーネット「聞こえぬか・・邪魔だ!消えよと申しておるッ!!」
ビュウ!親衛隊達は言い終わらぬうちにガーネットの一喝と共に彼女の繰り出した
突風をうけ全員扉をぶち破り廊下のほうまで飛ばされて行った。
そして再び広間には2人だけが残った。
フラットレイ「・・良き覚悟よ。我が名はブルメシア竜騎士団隊長フラットレイ!!
ガーネット・フィル・アレクサンドロス・・いや魔王ガーネット!
我が祖国・・同胞・・そしてフライヤの仇ッ!!ゆくぞぉぉーーーっ!!」
突進するフラットレイ。 しかしそれもまたガーネットは軽やかにかわす。
槍を回転させ再びガーネットのほうに構えるフラットレイ。
ガーネット「・・フライヤの脇にいたあのときのネズミか。久しいぞフラットレイ!!」
瞬間ガーネットの身体が光り、ドレスが一瞬で弾け飛んだ。
ドレスの下のガーネットは胸に大きな宝石をあしらった上半身下半身ともつながったタイプの
漆黒の色のロングタイツ。見るからに軽快な衣装となる。
ガーネット「・・覚悟するは貴様のほうよ。今宵、存分に私を楽しませて見せよ!はっはぁーーっ!!」
ガーネットも戦闘の構えに入る!!


 

 

 

 

 

 

 

ネズミの噂

544 名前:ななしさん@おなかいっぱい投稿日:2000/08/12(土) 01:22


もしやと思った。ねずみが一匹城へ紛れ込んだらしい。
酒場でそんな兵士の言葉を耳にしたとき、スタイナーの脳裏に「フラットレイ」「フレイヤ」という
懐かしい二人の顔が浮かんだ。
きっと、どちらかに違いない。ブルメシアへの侵攻が行われたのだ。そして、
二人のうちのどちらかが、姫さまのもとを訪れたのだ!
いやな予感がした。
アレクサンドリアの地理ならば、自分ほど熟知しているものはいまい。
スタイナーは、一目散に城に向かった。
「まにあってくれ!事が起こる前に!!」

 

 

 

 

 

 

 

スタイナー到着

546 名前:ななしさん@おなかいっぱい投稿日:2000/08/12(土) 01:29

全力で走るスタイナーの耳に、フラットレイの声が聞こえた。
「・・・・・・ガー・・・・・ネットッ」
その、憎しみにあふれた声の理由は、角を曲がり視界が開けるとすぐにわかった。
「フライヤ殿!!」
声にならない声がのどにはりつく。
階下に、フレイヤが槍で貫かれ、そして氷付けになっている凄惨なオブジェが見えた。
そして、その近くで槍を構えるフラットレイ。ここからだと後姿しか見ることができないが、
向かい合っているのは、紛れもなくガーネットであった。
フラットレイは、かえるににらまれた蛇のように、動くことすらままならないようだ。
どうしたら、二人の戦いを避けられるのか。
今はまだ、見ることに絶えられそうもない。
姫さまの勝利も、そして姫さまの敗北も。
フラットレイ殿を連れて逃げる方法はないだろうか…

 

 

 

 

 

 

 

 

ガーネットのGトランス

548 名前:ななしさん@おなかいっぱい投稿日:2000/08/12(土) 01:36

今ここで、自分が降りていくのは得策ではないだろう。
自分はまだ死んだことにしておいたほうがなにかと都合がよい。
と、スタイナーが普段は働かせない頭をフル回転させているとき、
ガーネットが言い放った。
「さて。ねずみごときにはさっさと死んでもらわないと。私の城に伝染病でも
まきちらされたらたまらない。汚らわしいこと。失せなさい。この私、自ら
死を与えてあげるのだから、ねずみごときの身に余るほどの名誉なことよのう。」
ガーネットの体が、静かに光出した。
「あれは…あのときの自分と同じなのである」
「さっさとおまえをかたずけたら、私はリンドブルムに行かなくてはならない。
あの小ざかしいエイコを葬るためにね」

 

 

 

 

 

 

 

 

レッドローズ撃沈

550 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:2000/08/12(土) 01:45

527続き

甲板に現れたエーコは、兵士たちを船室に下がらせた。
そして、アサシンたちの方へ向き直る。
エーコ「うぬらはまずナノフレアを放って、レッドローズを破壊せよ。   
    そして、破壊したらトレノへ降りて、ベアトリクスを捕らえよ」
アサシン「ガーネットの始末は、私たちに任せてくださらないので?」
エーコ「エリンを逃がすような者たちが何を言うか…。
    それに奴の相手は、うぬらに荷が勝ちすぎる」
アサシン「…御意」
アサシンたちは、変身を解いてアルテマデーモンとなり詠唱を始めた。
アルテマデーモン「平行の空なす無限力潜む回廊へ
         扉開かん… ナノフレア!」
アルテマデーモンたちが力を放つと、レッドローズが大爆発を起こす。
そして、砕け散った破片と兵士たちが地面へと落ちていく。
エーコ「さぁ、行け! くれぐれもベアトリクスを殺すことのないよう」
アルテマデーモンたちはアサシンの姿に戻ると、ダテレポでトレノにワープする。
エーコはレッドローズのあった場所に目をやると、噴煙の中に凄まじい力のうねりを感じた。
そして、噴煙が風に流されると、そこには、中に浮きながら腕を組んで、無表情にエーコを見るガーネットの姿が現れる。
ガーネット「なかなか面白い事をするではないか。もっと楽しませてもらおうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暗黒に沈む心

551 名前:ああ〜話がすすまねえ・・・投稿日:2000/08/12(土) 01:58

>>514の続き
サラマンダーはゾーンソーンの言葉によって、いまや絶望の淵に立たされていた。
ラニを信じたい。
ラニにいくら罵倒されようが、心の奥底では繋がっているのだと信じたい。
尻にしかれようが、恐れられたかつての名が地に落ちようが、裏切りはないと信じたい。
だが・・・・・
彼女は確かに「別れたい」と言っていた。
「愛想が尽きた」とも「嫌々一緒にいる」とも言っていた。
それほどストレートに嫌悪感を示されているにも関わらず、逆に好意の現れと理解してきた俺は・・・?
サラマンダー(まるで・・まるで・・道化だ・・・)
彼の中に急激に二つの感情が沸き起こりはじめた。
一つは都合のいい考え方をして一人の女に振り回され続けた自分に対する怒り、
そしてもう一つは・・・ラニへの憎悪である。
サラマンダー「この俺を・・・コケにしやがって・・・」
もはや彼に正常な判断はできなかった。
どす黒い憎悪によって塗り固められた彼の心は・・・
まるでアトモスの胃袋のような暗黒空間であった。


 

 

 

 

 

フラットレイ VS ガーネット

554 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:2000/08/12(土) 02:07

フラットレイ「むううううううっ!!」
ガーネット「はああぁぁぁぁぁぁっ!!!」
キンッ!ガシィ!!ビシュッ!!深夜のアレクサンドリア城大広間にて激闘が続く。
フラットレイは槍でそしてガーネットは魔力を帯びたその徒手で。激しいつばぜり合いが続く。
フラットレイ「おおおおおっ!!」槍をガーネットの頭上に振りかざす。
ガーネット「ふん!遅い!でやぁぁっ!!」楽々とかわし逆に隙の出来たフラットレイの脇腹に
ガーネットの拳が深深とめりこむ!
フラットレイ「・・グッ・・ガハぁっ!!」ガクゥッ!!!ついにフラットレイは片膝を付いた。
いやよくこれまでもったと言うほうが正しいのかもしれない。
見ればフラットレイは攻撃を食らいまくりすでにボロボロの状態であるのに対し、
ガーネットはかすり傷も、いや衣服の破れすらも微塵に無く、しかも一滴の汗すら流してはいない。
力の差は・・・歴然であった。
(・・ッ強い・・!なんという強さだ・・。あの容姿で・・ばッ化け物か・・?)
今まで幾度と世界中の強者と戦ってきたフラットレイ。無論その中にも格闘家もいた。しかし、
今戦っているこの少女は桁がまるで違う。いや次元が違う。まるで空気を相手にして戦っている様だ。
一太刀すらも浴びせることが出来ぬまま・・驚愕と戦慄、身体の激痛そして・・かつてない恐怖!!
フラットレイ「うう・・・くっ」なんとか立ち上がろうとするがその眼にはもはや闘気が消え去りつつある。
ガーネット「・・・つまらぬ・・そなたの力は・・Gトランスは・・未だ覚醒しておらぬのか?」
フラットレイ「(・・・?Gトランス?覚醒・・?何の事だ・・?)」
残念そうな口調で語りかけるガーネットのその言葉を聞き一瞬困惑する。そして再びガーネットのほうを睨みつける。
丁度その目線の先・・ガーネットの後方・・そこには・・氷漬けのフライヤの姿が!(・・フライヤ!)
消え失せそうな闘気をもう一度呼び覚ます。力が抜けかけている身体に喝を入れる。
フラットレイ「(そうだ・・・私はッ!負けるわけに・・・いかないッ!!)」
力を振り絞り跳躍するフラットレイ。
獲物の姿を捕らえる。余裕の笑みを浮かべ自分を見上げているガーネット!!
ロックオン!!槍を目標に構え急降下体勢に入る。
フラットレイ「竜の神よ!願わくば我に最後の力与えたまえ!そして・・!フライヤ!!お前の力、私に貸してくれぇいッ!!」
疾風の様に今までにないスピードでスピードで急降下するフラットレイ。
フラットレイ「はああああああああああああああぁぁぁぁぁぁあッッ!!!!」



 

 

 

 

 

 

 

懐疑心

559 名前:ああ〜話がすすまねえ・・・投稿日:2000/08/12(土) 02:12

その時、テントに大きな影が映った。
今度こそはラニの影であった。
ラニが帰ってきたのだ。
サラマンダー(本当にこいつは俺を殺る気なのか・・・)
姿を現すラニ。
ラニ「・・・ああ、疲れたわねえ。
   あんたの顔見なくてすんだだけ気分は少し晴れたけどさ」
サラマンダー(・・・そういやこいつ、昔俺を狩ってやるとか言っていたな・・・)
ラニ「なに景気の悪いツラしてんのよ、まったく辛気くさいやつだねえ」
サラマンダー(・・・あの服のポケットに俺を殺すための銃があるというのか・・・?)
ラニ「ところであんた、傷だらけでマスマス不細工になったわね。
   そんなんじゃ生きてるのが恥ずかしいじゃない?」
そういいながら服のポケットに手を入れるラニ。
サラマンダー(やはり・・・こいつ・・・!!)
ラニがポケットから何かを取り出そうと下を向いた瞬間、
サラマンダーは発作的に彼女に飛びかかり、ミスリルクローがラニの喉笛を切り裂いた。

ヒュウッ・・・!

ラニの口から悲鳴とも空気の漏れる音ともつかぬ奇怪な音が発し、
その手からはポケットから取り出した物体が滑り落ち・・・大きな音を立てて割れた。

それは、サラマンダーを殺すための銃ではなく、小さな小瓶に入ったエリクサーであった・・・。


 

 

 

 

 

 

 

交錯する状況

560 名前:ななしさん@おなかいっぱい投稿日:2000/08/12(土) 02:12

「く…」
このままでは済まさん…せめて、道ずれにしてくれよう…
フラットレイは高く飛んだ。竜の紋章を繰り出すつもりだった。
「ちょこざいな。このくされねずみが…。何をしようと、私には勝てぬわ!」
見上げたガーネットの目に映ったのは、フラットレイが何物かに細長い物体をぶつけらるところだった。
一瞬ぐらついたフラットレイが上の階の手すりの上に着地したときに、すかさずその影が
フラットレイをつれて身を翻した。
ガーネットの位置からは、影になってしっかりと見ることはできなかったが、
かなり大柄の男のようだった。そう、スタイナーのような。
「逃すか!誰か、誰かある!!」
この城から、あやつらを脱出させてはならない。
駆け寄ってきたアレクサンドリア兵に「城に忍び込んだ不届きもの二人を始末なさい、
なんとしても。できなかったら、あなたの命はないと思いなさい。」
と命じた。
「はっ!」
緊張した面持ちで、命令を受けたアレクサンドリア兵が走り出す。
もし、失敗したら、本当に命はないだろう。
間違っても情けをかけてくれるようなガーネットではないことはわかっていた。
むしろ、どんな残虐な方法で葬るかを楽しんで考えることだろう。
「レッドローズの準備が整っていおりますが」
別のアレクサンドリア兵の言葉に、ガーネットは「いよいよ直接対決といきましょうか、
かわいいかわいい「ライバル」さん…」とあざけるように笑った。
そして、ふと、下に落ちている鞘を拾い上げ、
「あの影、まさか…いや、そんなはずはあるまい。すべては私の計画どおり。うふふ、ふふふふ」
といって、鞘を一瞬にして灰にしたのだった。

→エーコとの対決の話へ。

 

 

 

 

 

 

 

トレノ上空、極限魔法戦

581 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:2000/08/12(土) 02:40

551の続き

ガーネット「召喚師である貴様は、召喚獣で殺すのが良いだろう。
      出でよ! リヴァイアサン」
ガーネットがそう叫ぶと、巨大な水龍が姿を現す。
そして、大量の水がリヴァイアサンの周りに集まり出した。
エーコ「この程度で私を殺すつもりか? 随分と舐められた物だ。
    …ブリザジャ!
エーコが冷気を放つとリヴァイアサンの回りの水が一瞬で固まり、リヴァイアサンの氷像を作る。
駄目押しに、エーコはサンダジャを放ってそれを粉砕した。
ガーネット「ほぅ、なかなかやる物だな。一対一の勝負と洒落こむとしようではないか
      …バイオガ!
ガーネットのバイオガはファルコンを腐食させ、一瞬で朽ち果てさせた。
朽ち果てた飛空挺が、腐った兵士たちを運んで町へと落ちていく。
エーコは背中の羽根を広げて、飛空挺から飛び出した。
そして、懐からダークマターを取り出す。
ガーネット「フン、オーディンでも召喚するつもりか?
      それともそれを私にぶつけるのかな?」
エーコ「…出でよ。ライディーン!
ガーネット「ライディーンだと!?」
ガーネットが声を上げると同時に、ライディーンが二人の頭上から現れた。
そして、真・斬鉄剣でガーネットを切り裂く。
とはいっても、ガーネットは素早く身をかわした為、直撃は免れた。
ただ、髪を少し切り落としただけだ。
エーコ「…しくじったか」
ガーネット「髪を短くするとあの頃を思い出すな。なぁ、エーコよ。
      それにしても、私の知らぬ召喚獣を使いこなすとは成長した物だな。
      やはり貴様は生かしておけぬ! ダークホーリー!
エーコ「フレアジャ

 

 

 

 

 

 


返り討ち

583 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:2000/08/12(土) 02:43

ガーネット「・・・ヌルいわぁぁっ!!!」
グオオオォウッ!!!!ガーネットを中心に強烈な旋風が巻き起こる!
そこに最後の力を振り絞り仕掛けたフラットレイが急降下する!
交差!!!一瞬!!!
「うあああああああああああああああああああああああああッ!!!」
ズバ!!ズバ!!ズバ!!ズバァァッ!!!
悲鳴の声の主は・・フラットレイであった。まともにガーネットの放った真空旋風圏内に
捕まり、空中でこれでもか!これでもか!と言うぐらいズタズタに切り裂かれた。
フラットレイの、自分にとって期待外れな力にガーネットが業を煮やしたのか
初めて見せたガーネットの魔力による攻撃であった。
フラットレイ「ぐわっ!!ううっ!!ああ!!あがあぁっ!!」
ズバ!!ズバ!!ズバ!!!ズババァァ!!あたりはフラットレイの切り刻まれる悲鳴、そして
フラットレイの鮮血が旋風に混じり血の霧のシャワーとなって空間を真紅に染める。
恍惚の表情で血の霧のシャワーを浴びるガーネット。まさにそれは誰も見違う事無き魔王の姿。
ドサァァァッ!
存分切り裂かれまくり、ようやくフラットレイは地獄から開放され床に落ちる。
ガーネット「・・・・どうやら・・ここまでだな。今少し楽しみたかったが・・
そなたのGトランスは、戦闘中には・・どうやら目覚めぬか。・・・まぁよい。さて・・」
フラットレイ「・・・・ああぅ・・ぅぅ・・・ぅぅぅ」
最早フラットレイは声も出せず、耳も聞こえない。赤く染まる視界の片隅に・・・
氷漬けのフライヤの姿が見える。
フラットレイ「(フライヤ・・・無念だ・・私も・・もう・・すまぬ・・今お前のもとに・・。)」
フラットレイのランスオブカインを手にゆっくりとガーネットが近づいて来る。
ガーネット「・・2人並べて、この間に永遠に飾ってくれようぞ。」
フライヤと同じく串刺しにするつもりか。ガーネットがゆっくりと槍を振りかざす。
全てを諦め観念したフラットレイはゆっくりと眼を閉じる。


 

 

 

 

 

 

 

 

どうしようもない馬鹿

592 名前:コロシチマッタ・・・投稿日:2000/08/12(土) 02:53

>>559
ラニの喉にパックリと開いた傷口からは空気の漏れる音と血の吹き出る音が混ざり、
不快で奇妙な音が沸き立っている。
サラマンダーはエリクサーのこぼれ落ちた小瓶をじっと見つめている。
いまだにどういうことなのか理解できないのだ。
ラニ「う・・・ああ・・・・」
ラニの断末魔のうめき声にサラマンダーは我に帰り、彼女の端にかけよった。
サラマンダー「お・・おい。銃は?ガーネットに俺を売るんじゃなかったのか?」
ラニは呆気にとられた顔をしてサラマンダーの顔をじっと見つめていたが、
やがて、真っ赤に染まった口元にかすかな笑みを浮かべた。
ラニ「あ・・あんたって・・人は・・・ホントにだまさ・・れやすくて、
   どうしようも・・・・ない、馬・・鹿だよ・・・・」
サラマンダーはこのときすべてを悟った。
ラニにガーネットにつく話など持ちかけられていなかったのだ。
ただ彼女は彼にエリクサーを飲まそうと戻ってきた、それだけだったのだ。
サラマンダー「しっかりしろ、ラニ!いま治療してやる!!」
サラマンダーはあらゆる力を振り絞ってチャクラを行い、彼女の傷を癒そうとした。
だが、すべては遅すぎた。
彼女の命をこの世に結びつける力はどんな秘薬でも魔法でも不可能だった。
ラニ「ば、馬鹿だね・・あんたがやったくせに、しっかりしろなんて・・・。
   で、でも・・あんたを恨んじゃいない・・よ。
   た、楽しかったから・・・あ、あんたと一緒に旅できてさ・・・
   ゴブッッ!!!」
ラニの口から大量の血が流れた。致死量の出血である。
最後にラニは大粒の涙を流し、静かにこときれた。
サラマンダー「う・・うわああああっっ!!!
       ラニ!!ラニィィィィィ!!!!!!」

彼はその晩、全身の血が流れきってしまうほど、いつまでも体を床に打ちつけ続けた。
愛しい女の名を叫び続けながら・・・・



 

 

 

 

 

 

 

トレノ早朝

602 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:2000/08/12(土) 03:10

>>526の続き

明朝、鼓膜を突き破りそうなほどの爆音にベアトリクスは目を覚ま
した。
ベアトリクス「なっ、何事!」
トット   「ベアトリクス! 外じゃ!」
トットの怒声に慌ててベッドから跳ね起き、窓の外を仰ぎ見る。
ベアトリクス「リンドブルム飛空艇団…そしてあれは…レッドローズ!」
とうとう恐れていた事が起こってしまったのだ。間違いなかった。
対リンドブルム戦勃発。もう誰にも止められない、もうどうしようもない。
ベアトリクス「ガーネット様、ガーネットさま、ガーネットさ…まぁ」
最後はほとんど声にならなかった。
結局、自分には何もできはしなかった。
「兵を持たぬ将軍に何ができるのか、せいぜい足掻きなさい」
月夜の下、ガーネットに言われた一言が重く胸にのしかかる。
自分には何かできると信じていた。ガーネット様を止められると思って
いた。でも…
ベアトリクス「私には、何もできはしなかった」
トット   「ベアトリクス…」
ベアトリクス「エクスカリバーさえ振れるこの手は、ガーネット様
       の細い腕をつかんで引き止めることさえできなかった」
泣きたいのに、涙すら出てこない。
ベアトリクス「私は…役立たずだ」
街に轟く爆音がどこか遠くから聞こえ、肌で感じられるはずの感覚も
どこか鈍い。
トット   「とにかく、ここも安全ではない。避難しなければ」
トットに手を引かれ、ベアトリクスは力なく歩き出した。
後ろで鳴いているボコの声もほとんど耳に入ってはこない。
螺旋階段を降り、街に出る。
そこでベアトリクス達を迎えたのは、五人の謎の美女たちだった…


 

 

 

 

 

 

 

 

ガーネットの悲鳴

608 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:2000/08/12(土) 03:15

今まさにガーネットの槍がフラットレイの身体を貫かんとしたその刹那!!
カラン・・カラン・・    棒状の者が床に落ちるあの独特の音・・。
転がっているのは・・・ガーネットが手にしていたランスオブカイン!!
次の瞬間!   「が・・がああああぁぁぁあっぁ!!ぐわぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
悲鳴の主は・・・ガーネット!!!!  額とそして胸を押さえ急にのたうちまわり始める。
ガーネット「ぐぐうううううぅぅがぎゃぁぁぁぁぁっ!!止めろ!!貴様!!やぁめろぉぉ!!」
意味不明の言葉を発すガーネット。覚悟を決めじっと眼を閉じていたフラットレイも
なかなか襲ってこない死の感触に疑問を感じ、ふと眼を開けて見るとこの光景。
フラットレイも今の現状に何がなんだか解からず困惑の極みに達している。
その時!   「ケアルラァァーーーーーッ」
間に響き渡る聞き覚えのある声!みるみるうちに死にかけていたその身体に
生気がみなぎり意識もはっきりとしてくる。回復の呪文をフラットレイはうけたのだ。
フラットレイ「・・・あ、あの声は!!パック殿下!!!!」
パック王子「あきらめるなフラットレイ!!」
フラットレイ「殿下!!」
馴染み深いその小柄な体躯。それにあった黒装束を着込んでひょこひょこと不敵な面構えの少年ネズミが
現れた。パック王子の姿を見るや否やフラットレイは駆け寄りひざまずく。
フラットレイ「よっよくぞご無事で!!!・・こっこのフラット・・・」
フラットレイの話を遮るかのようにパック王子は捲くし立てる。
パック王子「話は後だ!今は逃げるぞフラットレイ!!!」
フラットレイ「は・・・・・し、しかし!フラ、フライヤが!!!」
パック王子「何ぃっ!!?」
ガーネット「あああああ!!!!ぐぅぅぅぅぅ・・・がぁぁぁぁぁつ!!!」
未だにガーネットのほうはのたうちまわっている!!!


 

 

 

 

 

 

 

 

さ迷うサラマンダー

624 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:2000/08/12(土) 03:44

サラマンダーは、ラニの遺体をリンドブルム南の平原に埋葬し、どこというあてもなく歩き始めた。
もはやその眼に生気はなく、傍目にはあたかも死人が闊歩しているかのように見えたことであろう。
何時間歩き続けたことだろうか?
彼はいつの間にかトレノの街の近くにまで舞い戻ってきていることに気づいた。
ふと顔をあげると黒いものが空を覆い尽くしている。
サラマンダー(鳥か?)
彼は凝視した。それは鳥などではなかった。
まごうことなき悪魔の兵器、リンドブルムの軍事用飛空艇大船団だったのである。
サラマンダー「いったい・・・世界でなにが起こっている?」
続く
 → honnmani naniga okotteruka wakaranai

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベアトリクス捕縛

]631 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:2000/08/12(土) 03:59

>>602の続き。

トット   「何者じゃ、おぬしら」
五人の美女に向かって視線を走らせ、トットは抑えた
声で問うた。目の前の女たちが発する気は間違いなく人外の物である
アサシン  「われらはエーコ様に仕えし者、我が主の命によりベアトリクス、
       そなたの身を貰い受ける」
トット   「何をたわけた事を…まさか、ベアトリクスの運命とやらに関係
       することか」
アサシン  「貴様にそれを知る必要はない」
       その言葉を最後に五人の女たちは戦闘態勢に入る。
トット   「やるしかないようじゃな」
       杖に仕込まれた刃。初めの抜刀で一人、返して二人…
       頭の中で何度も自分の動きを確認する。もはや体は芸術とすら
       言われた剣技を覚えてはいなかった。
       老いは恥ずべきことではない。だがもどかしい。
       と、その時だった。
ベアトリクス「私を…捕えるのですね」
仕込み刀を抜こうとしていたトットの前にベアトリクスの腕が差し出された。
ベアトリクス「分かりました。エーコの所に行きましょう」
トット   「血迷ったかベアトリクス」
       だがトットの言にベアトリクスは悲しげな表情で首を振るだけだった。
ベアトリクス「ここで戦闘を行えば街に被害が広がります。それに…マスターも無事では」
トット   「たわけ! 老いたとはいえ元アレクサンドリア騎士団長、おぬしの背中
       ぐらい守ってみせる!」
それでもベアトリクスはエクスカリバーを抜こうとはしなかった。
ベアトリクス「さぁ、私をエーコの所へ」
アサシン  「ふん、物分りのいい。少々拍子抜けしたがな」
ベアトリクス「マスター…御武運を」
トット   「ベアトリクス!」
アサシン  「ダテレポ!
五人の女とベアトリクスの姿は光の玉となり空高く上っていった。そしてリンドブルムの
飛空艇に吸い込まれるようにして消えてしまった。
トット   「何ということじゃ…私にもう少し力があれば、私がもう少し若ければ」
       老いは恥ずべきことではない。だがもどかしい。
ボコ    「クエー…」
       また遠くで大きな爆発音が一つした…。              
 

 

 

 

 

 

 

 

 

溶けた氷

633 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:2000/08/12(土) 04:02

ガーネット「がぁぁぁぁぁぁっ!!!わがっわぐわかがぁま!魔力が・・あああ!ぐぅぅええええ!!!
ぎぎぎ・・ぎえでぐぅぅぅぅ・・・・・ああああぐぬぇぇ!!おおおおおのれれれぇぇぇぇ!!」
その瞬間!広間の石柱に氷漬けとされていたフライヤが一瞬光り輝く!シュゥゥゥゥゥ!!次の瞬間!!
なんと!フライヤの身体を覆っていた氷が蒸発し始める!!
ガーネット「ぅぅぅっぅ・・がががが!わがっわがぁ・・!フリーズのっ!!呪いぐわぁぁぁぁぁ!!」
フラットレイ「!!!フライヤ!!!!」
ダッシュでフライヤのもとに駆け寄るフラットレイ。槍に貫かれた状態のまま自分に覆い被さってくるフライヤの身体を
しっかと受け止める。あの時以来の再開!自然にフラットレイの双眼から涙が流れ出す。
異常に冷たい。しかもまだ目も開いてない。槍も未だ身体に刺さったままだ生きてるのか死んでるのかさえわからない。
しかし!!ようやく、ようやくフラットレイは、この手でフライヤを抱くことが出来たのだ。
フラットレイ「ああ・・フライヤ、ああ!フライヤ!!」
その様子を苦笑して見ていたパック王子だったが、すぐさま気配を感じ振り返る!
ドタドタドタ!!これはたたごとではないと感じた城の警備兵がこちらに向かってきている!!
パック王子「・・・長居は無用!!行くぞ!こっちだ!!フラットレイ!!」
フラットレイ「は・・・はっ!!」フライヤを抱き抱えながらパック王子に続く!
警備兵「王女!!!ガーネット様!!!」警備兵が雪崩れ込んできた!
パック王子は軽く舌打ちし、懐から何やら小さな玉を数個取り出し、床に叩きつける!
警備兵「むうううううっこれはっ!!煙幕か!!おのれ・・ゴホゴホ・・」
ガーネット「うがががぁああああぁっ!!ぎぃぃぃひぃぃぃっ!!」今だ意味不明に苦しんでいるガーネット!!
UUUU〜〜〜〜UUUU〜〜城中に鳴り響く非常アラーム。  王女の姿に困惑する城兵。そして煙幕弾の煙。
まさに大混乱。パック王子達は玉座と反対側のバルコニーの方へ走る。
パック王子「い〜そげいそげいそげ〜〜」  バルコニーからの空は既に白ずんでいた。夜明けの光。
バルコニーには大きな凧の様なものが立てかけてある。
パック王子「よぉしフラットレイ!!私とフライヤを背負え!よし!次は・・そうだ!そのワイヤーを・・
むむ・・よし!そんじゃその取っ手をしっかり握れ!絶対離すなよ!よし今だ!!
思いっきり・・・・飛べぇぇぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ
混乱の城のバルコニーからグライダーで一気にフラットレイ達は飛び立った!!
地獄からの・・・脱出!!!!夜明けの光・・・
長い長い悪夢の時は今まさに終わった・・・・・・・・。



 

 

 

 

640 名前:必殺まとめ人投稿日:2000/08/12(土) 04:26

暴君ガーネット、ブルメシアを攻めようとする。
反対するスタイナーとベアトリクス。
ガーネットスタイナ―を殺害。
ベアトリクスはみのがす。
ベアトリクスクイナの差し向けた兵士に犯される。
フライヤに助けられ目を覚ますベアトリクス。
フライヤガーネットの元へ。フライヤクイナに敗れ氷付けに。
ジタン水面下で準備中。黒魔導師の村拠点
ガーネットは何者かにGトランスという能力を目覚めさせられた。クイナも同様。
サラマンダ―とラニはトレノにいる。
エーコトレノに軍派遣。
ベアトリクスビビJrとともにクロマ村に。そこでジタンと再会。その後トレノへ
サラマンダ―ガーネットの差し向けた刺客に追われる。
エーコはエクスかリバー2を探している模様。
ガーネットはクイナにベアトリクス生け捕り命じる。ベアには重大な秘密が。
ジタンと謎の人物の会話。ジタンはモグのほとんどを味方につけている。
ベアトリクスクエールと会う。トレノへ。
一方生きていたスタイナ―
ブルメシアはガーネットの軍によって陥落フラットレイはトレノへ。酒場でフライヤの噂を聞く。
サラマンダ―ゾーンソーンにそそのかされラ二を疑う。
フラットレイアレクサンドリアに到着。ガーネットと対決。
エーコアルテマデーモンに暗殺命じる。
ベアトリクストレノでトットと会う。トットは彼女の師であった。
スタイナ―アレクサンドリアへ。
フラットレイVSガーネット。ガーネット圧倒的に優性。
サラマンダ―疑った末ラ二を殺してしまうが勘違いであった。号泣するサラマンダ―。
スタイナ―フラットレイを救って逃げる。
エーコVSガーネット開始。トレノ上空にて。
エーコのトレノ進行が始まりトットの元を去ろうとするベアトリクスの前に現われるアルテマデーモンたち。

暇ね。私も。




 

 

 

 

 

 

 

 

カードバトラー・サラマンダー

641 名前:ACTIVE EVENT <サラマンダーその後>投稿日:2000/08/12(土) 04:26

トレノの街に再び足を踏み入れた
半死人のサラマンダーはふらふらと彷徨っているうち、
カードスタジアムの前までやってきてしまった。
サラマンダー「カードか。やったことねえけど・・・」
2時間後、彼は勝ちに勝ちまくり、テーブルにはレアカードの山が。
そしてその中に「ラニ」というカードがあるのに彼は気づいた。
サラマンダー「ラニ・・・ラニ・・・このカードは誰にも渡さねえ。
       いや他にまだ持っているヤツがいるはずだ。
       全部奪ってやる。ラニを所持できるのはこの俺、サラマンダー・コーラル様だけだ!」

 

 

 

 

 

 

 

真・ガーネット

645 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:2000/08/12(土) 04:35

ガーネット「ううううううううぅぅぐぐぐぐぐお・・おのっおっおんのれぅぅああああ!!
やめろ!!!ががが!!や・・・!!!めぇえ!!・・ろぉぉぉぉぉぉ!!
きさ・・貴様はも・・う・・き・・・え・・!!るぉぉぉぉぉぉぉおぉお!!」
ビクビクビクビクゥゥゥッ
出し抜けにガーネットの身体が激しい痙攣を起こしそして次の瞬間がくぅぅっと
うつ伏せに倒れこむ。周りで遠巻きにその現象を見ていた兵士達はどうすればよいのかわからず
混乱と困惑に固まっている。次の瞬間!
ガーネット「・・・・は・・・・・は・・はぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・」
とてつもなく長い息吹を行いゆっくりと立ちあがるガーネット。次に
腕を動かしてみたり指を動かしてみたり首を振ったりする動作を行う。まるで自分の身体なのかを確かめる様に。
かっと目を見開き周囲の様子を確認する。困惑している兵士達が不安げにそれを眺める。
次に己の手のひらをじっと見詰めそして次の瞬間
ガーネット「ははははははあはははははははあはっははあははははあはっは!!」
と狂った様に笑い声を上げ、今度は突如憤怒の形相と化し
ガーネット「ぅぅぅぅぅぅがああああああああああああああっッッ!!」
と雄叫びを上げ足もとの床面に魔力を宿した拳をを叩きこむ。ボッグヮァァァァ!!!
足元に巨大なクレーターが出来る。そしてガーネットはバルコニーの方向次にフライヤが
飾られてあった個所一瞥し「フン!」と不機嫌そうな息を漏らし玉座の方向へ向かう。
ドッカ!!とおもむろに腰掛ける。只それを一部始終口を空けて見ていた兵士達に口を開く。
ガーネット「・・・夜明けだ・・。エーコが・・リンドブルムが来る。全軍出撃準備!!
決戦場はトレノ!!!行けぇぇっ!!!」一喝。」その後固まっていた兵士達は我に帰ったかのように
蜘蛛の子を散らすが如くけたたましく退出してゆく。  玉座のガーネットは大きなため息をつきこう一人ごちる。

ガーネット「私が・・・・私こそが・・ガーネット・・貴様は・・貴様はもう死んだのだ。」


 

 

 

 

 

 

エーコ、トランス!

646 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:2000/08/12(土) 04:37

>>581 の続き

ガーネットは、リンドブルム飛空挺の一機にベアトリクスの気配を感じた。
ガーネット(ぬ…エーコめ奴の中に眠る物に気付いたか?
      だが、奴は私の物だ)
ガーネットがそれを考えた瞬間、それはほんの一瞬だったが隙が生まれた。
エーコ「メテオ」
ガーネット「なっ、しまった!」
ガーネットに巨大な隕石が激突する。
ガーネット「ぐあぁーっ」
ガーネットは絶叫を上げながら地へと落ちていく。
エーコ「以外と呆気なかったな。
    …いや、奴はまだ生きている。このドス黒い波動が消えてない」
エーコはガーネットと隕石が落ちた場所へ降り立った。
すると、隕石が爆破して中からガーネットが現れる。
ガーネット「この餓鬼が! 私の手に火傷を負わせるとは!」
そう言って前に出したガーネット手は、軽度の火傷があった。
だが、すぐにケアルで回復する。
ガーネット「まさかここまでとはな! 私も全力を出させてもらおう!」
エーコ「こちらも本気を出させてもらう! Wメテオ!
ガーネット「クイック!
エーコがWメテオを唱えたのと、ガーネットがクイックを唱えたのはほぼ同時であった。
時が止まり、ガーネットだけが動けるようになる。
ガーネット「死ね、ファイナルヘブン
止まった時の中で、ガーネットの闘気がエーコの身体を貫く。
ガーネット「…フン。私にクイックを使わせるとはな」
そう言って、倒れたエーコにガーネットが背を向けると後ろから声が聞こえた。
エーコ「フフフ…。これを待っていた。忘れたのか?
    我々は追い詰められるとトランス状態になると言う事をな」
その声にガーネットが驚いて振りかると、フルケアで傷を完全に回復させたエーコが立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

白熱!カードスタジアム

663 名前:ACTIVE EVENT <サラマンダーその後2>投稿日:2000/08/12(土) 04:59

戦火はすでにトレノの町中にまでおよび、至る所で両軍のゲリラ戦が繰り広げられていた。
カードスタジアムも何度か衝撃を受け、天井からは砂埃が降ってきている。
館内を爆音が鳴り響き、いつ崩れてもおかしくない状況である。
当然スタジアムの中にもほとんど人はいない。
そんな中で・・・
カード好きの親父「なんだよ、あんた!今負けただろう!カードよこせよ!
         卑怯じゃねえか!」
サラマンダー「やかましい!!誰もやらないとは言ってないだろう。
       ホラ、ゴブリンのカード5枚やるよ!
       おまけにトロールのカードも2枚つけてやるからさっさと次の勝負だ」
カード好きの親父「いらねえよ、そんな屑カード!
         大体、あんた今の勝負全部ラニカード使ってただろう?
         それをよこすのがルールだろうが!」
サラマンダー「なにぃ!?何でてめーなんかにラニカードをやらなきゃならねえんだ!
       大サービスにカエルカードもやるからさっさと次の勝負始めろ!」
         

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