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復讐鬼サラマンダー

693 名前:ACTIVE EVENT <サラマンダーその後3> 投稿日:2000/08/12(土) 05:31

こうしてカードゲームを延々と続けていくサラマンダーは、カードをするたびに
ラニの声が聞こえてくるようになってきた。声は大きくなる。
「サラマンダー」
「サラマンダー」
「あんたは」
「あんたは」
「あんたは」
「なんで」
「なんで」
「なさけない」
「なさけない」
「もう」
「しねば」
「しねば」
「しねば」
「しね」
「しね」
「しね」
「しね」
「しね」
・・・・・
気がつくと、サラマンダーは血まみれの手を握り締め立ち尽くしていた。
目の前には顔の原型の無い男の顔。そしてテーブルの上の血の斑点のついたラニのカード。
そのカード達は何だか自分に微笑んでくれているようだった。いや、きっとそうだ。彼女は微笑んでいる。
俺に向かって。そして言っている。「殺せ」と。全てを。
手についた血をぺろぺろぺろぺろ舐めながら彼は悟った。彼女の望んでいる事を。
そしておもむろにカードをつかみとりカードスタジアムを出た。
行き先は決まっている。手始めに彼女を殺させた張本人。ゾーンとソーン。
そして・・・
「・・・ガァァネッッットオォォォーーーー!!!!」
燃えるトレノと同じく、サラマンダーは復習の炎もまた燃え上がるのだった・・・。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

深刻な事態

736 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:2000/08/12(土) 11:57

黒魔導師の村を目指して天空をひた走る2隻の飛空挺。
本来の計画通りに事が運んでいれば、既に目的地についていた筈なのに。
一方の艦の操舵士を務めるエリンはそう思って歯噛みした。
自体はエリンたちの知らぬ間に深刻化していた。
エーコの子飼いのモーグリたちによってエリンらの
リンドブルムからの離反は上層部の知るところとなっており、
一時は今この場にいる者全員が逮捕される寸前だったのだ。
多くの同志の尊い犠牲により、一部の者は新型飛空挺での
脱出に成功したものの、それを予見していた追撃部隊の
迅速な行動によって、思いもよらぬ攻撃をくらった飛空挺は、
本来の性能の4割ほどの速度で航行するのが精一杯だった。
そして今まさに、エリンらにとどめの一撃を加える為、
飢えた猛禽のような執拗さで追撃隊の飛空挺が迫りつつあった。
通信が可能な距離まで到着した際に、黒魔導師の村のジタンに
救援を要請したが、それは彼らの力をもってしても恐らく適わぬ事だと、
前回の激戦を操舵士として生き延びたエリンは直感し、そして絶望した。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

迫り来る闇

737 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:2000/08/12(土) 11:59

「やはり失速していますね」
リンドブルム空軍高速飛空挺団第七分隊を
統率する巡洋艦「スウィニートッド」のブリッジで、
主観測官のピエット中尉が報告した。
「フフフ、いくら最新式の飛空挺と言えども、
あれだけの被害をこうむっては最早逃げ延びることはかなうまい。
そして奴らの逃げ先ももう分かった。この方向で連中を
受け入れてくれそうな場所は黒魔導師どもの集落しかないからな」
「では艦長?」
「うむ、よかろう。ウェッジ大尉、裏切り者どもの艦を撃墜せよ」
今度の任務の成功によって確約されたも同然の昇進を思ってか、
命令を下したビッグス艦長の口元は醜悪なまでに緩んでいた。
妄想に耽っていた艦長の意識を現実に振り向けたのは
かつて聞いた事がないほどに緊張したピエット中尉の声だった。
「ぜ、前方に何かが出現! い、いや何かが消えたのか?
バカな! そんな事はありえない!」
「あ…あれはなんなんだ…」
ウェッジ大尉の声は、荒野を彷徨う死霊が発したのかと
思われるほど生気というものが欠如していた。
「大尉、中尉、作戦行動中である! 不明瞭な会話は中止せよ!」
しかしブリッジ正面の窓から前方の光景を目撃した瞬間、
ビッグス艦長も又、言葉を失った。
「それ」をなんと表現したらよいのか。虚空に穿たれた
陥穽とでも呼ぶべき、普通の人間の知るどんな闇とも明確に
異なるが、それでもなお闇としか表現できない「何か」。
先行していた友軍機が「それ」と接触した刹那、消失した。
砕け散ったのでも爆発したのでもなく、
シャボン玉が弾けるかのように、一瞬の煌きとともに、
文字通り音も無く消失したのである。
「あ、『あれ』からは何の反応もないんです!
一切の計器の反応がちょうどゼロになる…正でも負でもない…
空気や熱といった何処にでもあるものも存在しない…いったい、
いったい『あれ』はなんなんですか!」
それに答えられる者はその場にはいなかった。
しかし、ビッグス艦長は人格は別として、
軍人としては優秀な部類に入る男だった。
「ピエット中尉、我が艦と前方の存在との予想接触時間は?」
「は…はい! 前方の存在は高速で領域を拡大しています。
その速度と当艦の航行速度から計算して、およそ57秒後です」
「よろしい。ウェッジ大尉、ジョムジョム弾の使用を許可する。
前方の存在との距離が接触10秒前になった時点で発射。
その直後、急速回頭し、最大船速で目標から離脱する」
「了解!」
そして物理的な重圧すら感じられる、重苦しい緊張の時間が過ぎた。
「てぇーッ!!」
一撃で幾百幾千の命を奪い得る灼熱の凶器が「存在」に殺到する。
そしてあっさりと消失した。初めから何も起きなかったかのように。
「駄目か…急速回頭」
「急速回頭!」
操舵士が復唱するのと緊急を告げる通信が
機関室から入ったのはほぼ同時だった。
「か、艦長! メインエンジンが止まっちまった!」
「なんだと! 詳しい状況を説明しろ! もしもし、もしもし!」
しかし今しがた機関長の声を伝えた
スピーカーは沈黙したきり何も答えなかった。
いや、それどころかブリッジから一切の音が
消失しているのに艦長は気がついた。
あたかも凍結した時間の中に迷い込んだように。
艦そのものが同胞たちと同じく消失した時、
艦長の心臓が既に鼓動を停止していたのはある意味幸運か。

かくしてリンドブルム空軍高速飛空挺団第七分隊は
異邦の空に全滅した。


 

 

 

 

 

 

 

 

「無」の力!?

738 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:2000/08/12(土) 12:02

「ジタン、うまくいったわ!」
珍しく興奮した様子のミコトは、ジタンが額に脂汗を滲ませながら
押し黙っているのに気がついて訝しげな表情になった。
「ジタン?」
「…ミコト…エリンたちと…回線を開け…」
「え? ええ…」
言われるままに通信機を調整するミコト。
「つながったわ」
ジタンは無言で通話管を掴むと、まるで本当は
人間の言葉をしゃべれないような肉体構造の魔物が、
無理やり搾り出したような掠れた声で一気に言った。
「今すぐ艦から脱出しろ! すぐにだ!」
「ジ、ジタン?」
しばらく荒い息をついていたジタンは苦しげにミコトに告げた。
「や…り…今の俺には『無の力』を操るだ…の能力は
…ない…よ…だ…そう…まだ、ない……こうな…事を恐…て…
可能な限り…小規模な…だが…な…とか…消……ばならない…
このままでは…すべてが…」
ジタンは再び沈黙し、目を閉じた。意識は失っていないようだが、
呼吸の乱れはいっかな治まらず、汗が滝のように滴り落ち、
こめかみに浮き出た血管が啄木鳥の嘴のような速さで脈打っている。
明らかに危険な状態だった。
「ど、どうしよう…なんとかしなくちゃ…」
ミコトは自分が狼狽している事にふと気がつき、同時にその事実に
驚愕したが、そのような驚きは堰を切ったように溢れ出す不安に
たちまち飲み込まれてしまった。
『そうだ…ジタンがクジャの後継者として作られたのと同じように、
私もジタンの代わりとなるべく作られた存在。私もジタンやクジャと
同じ事が出来るかも知れない…私は直接クリスタルの記憶と
接触する事はできないけど、ジタンとクジャの決戦の時のように
ジタンと意識をシンクロさせれば、私もクリスタルの記憶に
アクセス可能なはず。そうすればジタンの手助けができるかも…』
焦っていてもそんな考えが閃くあたり、
やはり非凡な才覚を秘めた娘だった。
すぐさま精神集中に入るミコト。しかし気ばかりが焦って
なかなか集中できない。非論理的だと分かっていても、
造物主、即ち神であり同時に父でもあったガーランドに、
今度の企てをやりおおせるだけの力を、己の創造の際に
付与しておいていてくれと祈らずにはいられなかった。
ようやくジタンとのシンクロが完成する直前、何処か遠くで
『安心しろ。それだけの力は与えている』と告げる声が
聞こえたような気がしたが、それについて考えている余裕は
今のミコトにはなかった。


 

 

 

 

 

 

 

 

狂気の疾駆

743 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:2000/08/12(土) 15:40

狂気に駆られ復讐の鬼と化したサラマンダーにもはや迷いはなかった。
愛しい恋人が頭の中で彼に語りかける。
(ゾーンとソーンはトレノにいる・・・
 少数のアレクサンドリア兵と一緒に宿屋でうたた寝・・・
 殺セ殺セ殺セ殺セ)
サラマンダーはバトルスタジアムを飛び出すと宿屋に向かって走り出した。
爆撃がそばをかすめる。
周りに人など歩いていない。
だが俺様に当たるはずがないでないか?
ラニに守られているこのサラマンダーに・・・・
宿屋の前には二人のアレクサンドリア兵が見張っており、サラマンダーの姿を見とがめた。
アレクサンドリア兵「と、とまりなさい。ここはアレクサンドリア軍の宿営として使用しています」
アレクサンドリア兵「こ、こいつどこかで・・・・」
それが彼女たちの最後の言葉だった。
ブシャアアッッッ!!!
二人のクビは胴と離れ、空中高く舞い上がる。
サラマンダーはあたかもそれをサッカーボールのように足で蹴り、
頭は二つとも壁にぶつかって粉々になった。

宿屋の中に入ると5人のアレクサンドリア兵が彼を止めようと攻撃してきた。
・・・瞬間、全員ノドを引き裂かれ息絶える。
(護衛の兵は今ので全員よ・・・二人は二階で寝ている・・・・)
階段を駆け上がるサラマンダー。
(その部屋よ・・・・)
ドアを開けると彼にラニを殺させた張本人が何の不安も恐怖もないといった
安らかな顔をして寝入っているではないか・・・
だが、残念だったな、ラニと俺とを引き離すことはできねえ。
サラマンダーは両手で二人のクビをつかみ、持ち上げて強く締め上げる。
二人の道化は泡を吹き、何が起こっているのかわからないまま合体もできずに絶命した・・・
まるでゴミクズのように窓から死体を放り捨てるサラマンダーに、「声」はささやいた。
(・・・余興は終わり。次はガーネットよ。彼女はあそこでエーコと戦っている・・・)
声の指し示す方向を見るサラマンダー。
そこはひときわ大きなエネルギーがあたかもフィールドに張り巡らせたバリヤのように
場所を包み込んでいた。
サラマンダー「待っていろ・・・ガーネット。俺達はすぐ行く」

 

 

 

 

 

 

 

 

戦神トット

745 名前:ガーネットはふねにいるようなので投稿日:2000/08/12(土) 16:26

(・・・ガーネットの乗っている飛空艇には・・・あそこに一時停泊中の飛空艇に忍び込んで
 乗り移るといいわ・・・)
「声」の命ずるまま、停泊中のリンドブルムの飛空挺に向かってトレノの街を走り抜けるサラマンダー。
その髪は更に焔色に燃え上がって輝きをまし、まさに焔色のサラマンダーの復活である。
数刻も走った頃、街路の真ん中、眼前に見覚えのある一人の老人の姿を見えた。
老人も失踪してくる彼に気づき、声をかける。
トット「あなたは確か・・・・?」
トットの声も無視して走り続けるサラマンダー。
トット「サラマンダー・・・でしたかな。
    あなたも女王を倒しに行こうとしておられるのか?
    だがやめたほうがよろしい。あなたでは勝てぬ。レベルが違いすぎる」
サラマンダーはもうトットから十数メートルのところに迫っている。
彼にはトットはもう見えていない。
乗り移るべき飛空挺、いや彼に見えているのは討つべき相手だけだった。
トット「しかたありません。あなたが無駄死にするのを黙って見過ごすわけには・・・」
トットはそういうなり剣を抜き、異様な構えをとった。
かつての「戦神」の剣技は、ベアトリクスすらも凌ぐという自負があった。
少なくともサラマンダー程度なら止められる。
二人の距離が数メートルに縮まる。
トットの剣がサラマンダーの腰をなぎはらおうかという刹那、
(右よ・・・サラマンダー・・・あいつの右足を狙うのよ・・)
トット「ぐはああっっっ!!」
トットの剣はサラマンダーの髪をかすめて空転し、
逆に自分の足に鋭い一撃を受けてたちまちのうちに戦闘不能に陥ってしまった。
走り去るサラマンダーを横目に見て、マスタートットは呟く・・・
トット「やれやれ・・・このトットも老いておりましたかな・・・・」


 

 

 

 

 

 

 

 

北へ向かって飛べ

746 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:2000/08/12(土) 16:26

夜明けの光に照らされながらグライダーは空を疾走する。
パック王子「フラットレイ、手の方は大丈夫か?もうちょっと風を利用しろ。
うん、よし。そうだ。もちょっと東。よし。」
パック王子の指示に的確な判断を見せ大凧を操縦するフラットレイ。
はじめて操る乗り物ではあったが自然のわずかな変化を敏感に感じ取れる感性を持つ
竜騎士にとって、操作に慣れることは容易いものであった。
グライダーがトレノ上空にさしかかった時!
フラットレイ「!!!!あれはッ!!!」何かを視界に捕らえ驚きの声を上げるフラットレイ。
パック王子も何事だ?と首を回しフラットレイの視線の先を見る。
そこには大量の飛空挺がトレノ方面へ向かっていっている光景が広がっていた。
パック王子「リンドブルムのエアーシップ・・・」
フラットレイ「・・トレノの方へ・・あの町で聞いた事は本当であったのか・・。なんと・・なんという事だ。」
また・・戦争か・・一体・・どうなってしまうのだろう・・。
世界各地での戦火の勃発はフラットレイも理解していたつもりではあったが・・あの・・あのリンドブルムが
今度はアレクサンドリアに・・あの両国がぶつかれば・・被害はブルメシアの時とは比べ物にならぬ程の物となろう。
遣る瀬無い気持ちになる。このままでは世界が・・民には・・民衆には何の罪もないというのに・・狂ってる・・
何かが・・世界中が・・狂ってる!!!!幾度となく戦火を潜り抜け戦争の悲惨さは嫌と言うほど経験している
フラットレイである。今まで目にしてきた戦争による最悪の結末が頭の中を過ぎりグッ・・と両眼と閉じる。
ましてや・・ましてやほんの前までは、本当に以前まではあれほど固い絆で結ばれて両国民兄弟同然であった・・あの国同士が・・
そんなフラットレイの心情を見透かしたかのようにパック王子は語りかける。
パック王子「・・・・北だ・・フラットレイ・・もう回り始めた歯車は、我々にはどうすることも出来はしない・・
・ただ・・我々は・・今出来ること・・やるべきことを・・精一杯・・やるだけだ。」
眼を閉じたままフラットレイはゆっくりと頷き、グライダーの空路を北へ向ける。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

「竜谷」

752 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:2000/08/12(土) 17:20

グライダーは空路を北西に進む。ユーノラス大平原を過ぎ眼前にはギザマルーク連峰。
このまま進めばブルメシア領だ。しかし・・今のブルメシアはすでにアレクサンドリアの手に渡ってしまっている。
アレクサンドリアの斥候がここかしこにいないとも限らない。(危険ではないのか?)
今、自国に戻る行為に疑問を感じるフラットレイはパック王子にたずねる。
フラットレイ「このまま行けば我等がブルメシア領ですが・・城の方へ向かわれるのですか?」
パック王子「確かに今のブルメシア領は危険だ。・・だが唯一敵の目に届かぬ、敵の手出しが出来ぬ場所が
我がブルメシア領にある。先の戦で大半の者をそこに避難させた。」
フラットレイ「・・?ブルメシア領の中に・・敵の手出しが出来ぬ・・所?」
パック王子「一度は耳にした事はないか?「竜谷」だ。」
フラットレイ「・・・・「竜谷」!!」
確かに聞いたことがある。「ブルメシアの竜の神、その聖なる力に守られし聖域。そこは常にブルメシア全体を
見渡す場所にあり、常にブルメシアを守っていてくれる」幼き頃その様な話を聞いた記憶が確かにあった。
フラットレイ「・・・・・・竜谷・・」
パック王子「見えてきたぞ!フラットレイ!降下準備に入れ!そのワイヤーをな・・とと・・そうそう。
これで後は・・風が・・連れていってくれる。」
ギザマルーク連峰の丁度中腹に緑の高原が広がっているのが眼に入る。
フラットレイ「・・・あれが。」
パック王子「そう。あれが竜谷。またの名をポーポス高原。我等の守護神たる
竜の守る聖域。ブルメシア医学最大の権威もあそこに避難している。はやくせねば
フライヤが心配だからな。」
フラットレイ「(・・そうだ!フライヤ!)」自分の背中に背負っているフライヤの事を思い出す。
フライヤは当然身体は冷たく・・死んでいる様に眼を閉じたまま。
フラットレイは心の中でフライヤに語りかける。
フラットレイ「(・・見えるかフライヤ。あれが我等が聖域ぞ。あの時・・アレクサンドリアの大広間で、
氷の中で眠るそなたに触れしとき・・確かに・・確かに・そなたは私に・・私に語りかけたであろう?
私の名を呼んでくれたであろう?あの声・・私は・・私は信ずるぞ!フライヤ!そなたは生きておる!
必ずや生きておる!!この私が・・この私が命に代えてもそなたを黄泉の眠りより救ってつかわす!!
・・だからまだ・・だからまだそなたも希望を捨てるでないぞ!フライヤ!ああ私のフライヤ!!)」
ーーーーーブルメシアの風に乗り、ゆっくりとグライダーは緑の竜谷に降下してゆく・・・・・・・。



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

潜伏

755 名前:「声」があると楽だ(笑)投稿日:2000/08/12(土) 17:27

サラマンダーは首尾良くリンドブルム飛空挺に忍び込むと船倉に潜り込んだ。
するとまもなく轟音を発して飛空挺は発進する。
ラニの「声」はカードから直接脳裏に語りかけてくる。
(・・・このフネはエーコが搭乗している母船の支援艇のひとつ・・・
 このままじっとしていればやがて母船と連結するわ・・・
 そうすればエーコと対しているガーネットに近づける・・・)
(ガーネットを引き裂いてその血をあたしに飲ませて頂戴。
 切り裂いたガーネットの死体を犯してトレノの街にぶちまけるのよ。
 あいつの悲鳴が聞きたい。あたしを殺したあいつをブチ殺して命の力を奪い取りたい・・・)
サラマンダー「ククク・・・心配ねえ。俺達は無敵だ。暗黒街の無敵のコンビさ。
       世間知らずのお嬢様なんて問題じゃねえ。
       クソガキのエーコともども皆殺しにしてやる」
その時、凄まじい衝撃が艦内を揺らし、続いて連結終了を告げるアナウンスがなされた。
サラマンダー「いくぜ、ラニ!クライマックスだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

サラマンダー乱入

759 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:2000/08/12(土) 17:46

エーコと激闘を繰り広げている最中のガーネットは、別の気配が接近しているのを感じた。
エーコ「どうした、ガーネット?戦いの最中に一休みするのがお前の流儀か?」
容赦せず、さらなる攻撃に移ろうとするエーコだったが、ガーネットは特に受けようともしない。
ガーネット「わからんのか・・・トカゲが一匹迷い込んだようだ。
      場違いな闖入者がな・・・」
そういいなり、彼女の指先から紅蓮の焔がエーコの飛空挺めがけて発射される。
エーコ「なに!?」
沸き立つ黒い煙の中に現れたのは狂気のまなざしを持ち不敵に笑うサラマンダーであった。
ガーネット「貴様か。刺客どもは全員失敗したというところか?
      しかし今の一撃よくぞかわしたな。お前程度にかわせるはずはないのだが・・・」
サラマンダー「餓鬼の喧嘩と一緒にするんじゃねえ。
       お前に俺達の攻撃が交わせるか?」
そういいなり大きくジャンプし、ガーネットに渾身の一撃を与えようとするサラマンダー。
ガーネット「戯れ言を・・・俺達だと?お前一人しかいないではないか?
      まあよい、肉弾戦が好みならそれで相手してやろうではないか」
エーコは薄笑いを浮かべて二人の戦闘を眺め、
ガーネットは武器を剣に持ち替えて襲いかかるサラマンダーを待ち受けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

復讐鬼サラマンダー VS 魔王ガーネット

760 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:2000/08/12(土) 18:04

サラマンダーの「ルーンの爪」がガーネットの頭上に襲いかかる。
しかしガーネットは余裕たっぷりにそれを交わし、
すぐさまがら空きとなったサラマンダーの背中に剣を振り下ろす。
ガーネット「終わりだ!!サラマンダー!!
      その程度で私に挑もうとは片腹痛いわ!!」
(サラマンダー・・・右で受けるのよ)
サラマンダーが咄嗟に右手で剣を受ける。
ブレイザーは粉々に砕けるが、彼自身にダメージは及ばず、
至近距離から振り向きざまに放ったウィングエッジがガーネットの首筋に迫る。
ガーネット「くっ・・・・・!!」
間一髪で何とか避けたものの、ウイングエッジはガーネットの首を傷つけ、一筋の血が流れる。
エーコ「ギャハハハハ!やるじゃないの!サラマンダー。
    どうしたのよ、帝王さん!?ネズミに引き続いてトカゲにも苦戦してるじゃない??」
ガーネットは指で静かに血を拭い、憤怒の形相をもってサラマンダーをにらみつける。
ガーネット「ゆ、ゆるさんぞ・・・。このドカスがああああっっっっ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Gトランスの秘密

762 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:2000/08/12(土) 18:28

フラットレイ一行は、無事、ポーポス高原に着陸した。すぐさまグライダーを乗り捨て、
フラットレイはフライヤを背負い2人は急いで竜谷の隠れ里にむかう。
パック王子「はっ・・はっ・・はっ・・よぉ〜し急げよフラットレイ。もうすぐだからな。
今のフライヤの状態は一刻を争うぞ。」
走りながらフラットレイはパック王子に今まで抱いていた疑問をぶつけてみる。
フラットレイ「・・・殿下。」
パック王子「・・・なんだ?」
フラットレイ「・・あの時・・何故・・アレクサンドリアの方へ・・参られて・・いたのでありますか?」
パック王子「・・おお・・それはな・・実は・・私は・・フライヤ・・フライヤを探し出す必要があった。」
フラットレイ「・・なんですと?殿下も・・フライヤを?」
パック王子「・・そうだ。・・フライヤには・・実はな・・この今起きている・・世界の戦乱を・・
止めることが・・出来るかも知れぬ・・秘密が・・フライヤの・・身体に・・隠されているのだ・・。」
フラットレイ「・・・フライヤの・・身体に・・秘密が隠されている??」
パック王子「・・そうだ・・以前・・今の戦争が始まった時・・私は・・ダゲレオにいた。急に各国の・・
長である者達の・・変貌の原因を・・研究していた。そして・・その原因の一つが・・「Gトランス」という
能力にあるということをつきとめた。」
フラットレイ「・・!Gトランス!」  そういえば・あの時・・ガーネットも・・Gトランス・・確かにそう言っていた。
パック王子「Gトランス能力とは・・我々の知る・・主に感情の昂ぶりによって発動するトランス能力ではなく・・
人の深層心理に直接作用し、その者の持つ能力以上の力を強引に引き出す。例えるならば幼い子供が急に巨大な岩を片手で持ち上げられるようになるとか・・。
当然常識的に人間に限らず動物全般はその身体、その器に合った力でしか出せない様に作られている。子供が片手で岩を持ち上げる事など出来ようはずが無い。
しかし。・・人は知らず知らずのうちに力をセーブして使い日々を生きている。
大体、本来持つ力の30〜40%とな。まだ、正確には空き容量が50も60%もあるというのにだ。それはなぜか?
無理をしない・・それは生命において最も重要な点。硬いものを多少強く殴ってもそうそう拳は壊れんだろう?
そういうふうに生き物には力を知らず知らずのうちに抑える、というプログラムが深層心理に働いているからだ。
本来、人が人を100%・・いや70%の力で殴ったとしたら殴られた方は粉々となってしまうであろうな・・。
無論・・無理をして力を必要以上に出し切った殴る方の者もその拳粉々となるであろうが・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

燃えゆくカード

763 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:2000/08/12(土) 18:29

怒り狂うガーネットはサラマンダーに魔法を放つ.
「ファイガァァァッッッ!!!」
ゴウッ!灼熱の炎がサラマンダーを焼き尽くそうとする.だが・・・
「無駄だぁ,ガーネットォ!そんな炎じゃ俺達二人蚊ほどもきかねぇ!!」
そういって反撃の構えをとるサラマンダー。その時。
肌身はなさず持っていようと,胸ポケットに入れていた彼女が・・・燃えていた。
「・・・ラニイィィイィィィィッッッッッ!!!!」
サラマンダーは彼女を助けようと必死に火を払うが、時既に遅く彼女は・・・灰と化してしまった。
ガーネット「そんなカードのどこが惜しいのじゃ、そんなクソ女のなああああ」
サラマンダー「・・・そうだな・・・」
ガーネット「なに?」
サラマンダー「ヤツはあんなやすっぽっちのカードなんかじゃねぇヤツはもっと崇高で気高くて美しく清らかでそしてそしてそしてでもでもそのヤツを俺はこの手で手で手で手でこここころしちまったあああぁぁぁぁああああああ」
ガーネット「…ふん,とうとう壊れたか,くっくっく・・・どこまでも楽しませてくれるヤツらじゃのう」
サラマンダー「ああああああああああああラニラニラニラニラニラニィィィィィ」
・・・・・声は、もう、聞こえない・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Gトランスとその代償

775 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:2000/08/12(土) 19:15

パック王子「・・それに力をセーブして生きているという事は、生き物の生命維持力にも
大きく関係がある。生き物には全てそれぞれの種にあった「寿命」というものがある。
その寿命を支えているのもこの力をセーブするという深層心理のプログラムだ。
30〜40%に力を抑えておいてくれるこのプログラムのお陰で生き物はその種にあった
生命を全うする事が出来うる。・・・がGトランス能力はその生き物の生命プログラムを根底から
否定するもの。生き物の心の中の力のセーブする能力を叩き壊し、残りの容量全ての力を
強引に引き出させる。しかもそれだけではない。Gトランスは更に容量以上、そう本来持つはずの無い
能力までも引き出す・・その本来あるはず無い容量以上の力の源・・それはその生き物の生命力そのもの。
おおいなる力を手に入れるその代償は・・己の生命力。命を強引に削らせて力をひきだす。
・・・・・それが「Gトランス能力」。

そのGトランス能力が目覚める能力のきっかけは主に「覚醒」といわれる。
そして覚醒の度合いの深さには少々時間が必要とされる。その速さには少々個人差があってな、
早く深く覚醒する者もいればいまだ中途の者、または深層にはあるが未だその兆しの現れない者
と、まあそれぞれであるが・・。覚醒の過程には思念、意識の変革が生ずる。それはGトランスにかかっている
者なら誰でも感じる感覚。これはGトランスのもう一つの恐ろしい作用。覚醒が進み、完全に覚醒の過程を終える、
これを「完全覚醒」というがその際にはGトランスの生み出す心理作用効果が現れる。すなわちそれは、
深層心理プログラムの破壊に伴う副作用、「根本思念の完全分離」。それは何だというと例えば生き物は生きて行く上で
それぞれ人格が形成されて行く。しかしその心の奥底には必ずもう一つの人格が隠れているともされる。それが表に出るかで無いかは
個人差があるが。さて、その形成され半ば完成した人格が根本思念。それは今の自分、性格、特徴、心のあり方・・その他もろもろ含めて。
そして深層心理のもう一つの人格とは・・その人格は実に曖昧なものでな、今の自分とまったく正反対のモノもあれば、
今の自分の人格と全く似かよる事もある。裏表のある性格などとはよく言ったもので
こういう事からきているのかもしれないな。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

反魂の呪法

776 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:2000/08/12(土) 19:27

完全に壊れてしまったサラマンダーを嘲笑うガーネット。
ガーネット「他愛のない。だがサラマンダーよ、お前の願いを一つ叶えてやろう。
      ラニを生き返らせてやろうではないか?」
サラマンダー「・・・・・・・??」
精神を集中し、呪文を唱え始めたガーネット。
エーコ「・・・反魂の呪法?でもあの魔法は・・・相変わらず恐ろしい女ね・・・」
まもなくサラマンダーの前にどす黒い物体が現れる。
物体は次第に人の形をとり・・・見覚えのある姿へと変貌する。
サラマンダー「・・・・・・ラニなのか??」
復活したラニのもとへと駆け寄るサラマンダー。
虚ろな表情をしたラニはゆっくりとサラマンダーの方に顔を向ける。
ラニ「・・・・・よくも殺したな・・・・・・」
瞬間、短剣をサラマンダーに向け、生前には思いもよらないスピードで突きを繰り出す。
恐怖で反撃することもできないサラマンダー。
息も尽かせぬ攻撃に、いつの間にか飛空挺の縁にまで追いつめられていた。
ガーネット「お前の望み通りになったな、サラマンダーよ。
      ラニと一緒に再び旅に出るがいい。永遠の旅にな」
ガーネットの唱えたコメテオがサラマンダーとラニのいる足場を崩した。
サラマンダー「あああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・!!!」
真っ逆様に落下し、次第に遠ざかったいくサラマンダーの叫び声を聞き、
ガーネットはエーコに向き直った。
ガーネット「さて、邪魔者は消えた。戦闘を再開するとしようか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トット先生起つ

783 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:2000/08/12(土) 20:00

>>745の続き トット編

トット「まさか、ここまで衰えておったとは」
サラマンダーに傷つけられた右足を引きずり、何とか立ち上がる。
かろうじて即死だけは免れたが、とてもではないが戦える状態では
なくなってしまった。
トット「じゃが…まだ終われん、終われんのじゃ!」
激痛が走る右足を引きずり、己のヤサを目指す。石畳にはドス黒い
線が引かれ、意識が朦朧とし始めた。それでもトットは歩きつづける。
螺旋階段を上りきり、己の部屋に辿り着いたトットは奥から二つの
長細い木箱と、立方体の木箱を引っ張り出した。いずれの箱にも
鎖で厳重に封がほどこしてある。
トット「すまぬ。少し重いじゃろうが、かんべんしてくれ」
それらをボコに縛り付け、トットはボコによじ登った。
トット「頼む…わ、私をクロマ族の村へ…」
額に流れる大粒の脂汗を拭い、トットは途切れ途切れに呟く。
可能性は全て失われてしまったのではない。いや、己で捨てさえしなければ
可能性が消え去ることなど決してない。
ボコ 「ク、クエー!」
一つ、鋭く鳴いてボコは窓と窓枠を蹴破り、空へと飛び立った。
トット「待っておれベアトリクス。おぬしは必ずこの私が…」
薄れ行く意識の中、トットはその干からびた小さな拳を握り締めた。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

助けた男

791 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:2000/08/12(土) 20:45

「あんたはワルぶっててもお人好しなんだからさ、気を付けなきゃダメだよ」
「ほら、また服破けてる。ちょっと貸しなよ。ったくしょうがないね」
「・・・サラマンダー、次はドコ行こうか?またトレノで一儲けするかい?」
「・・・サラマンダー・・・サラマンダー!!!」

・・・まず目に映ったのは古ぼけた天井の梁だった。
「・・・・ここは・・・俺は・・・・一体・・」
「よう、やっと気付いたのか。見かけ通り丈夫なヤツだな」
全身を包帯に巻かれたサラマンダーに声をかけたのは、
四本腕の男だった。鷹揚とした雰囲気だがその目は活力に溢れている。
「・・・・・ギルガメッシュ・・」
「辛気くせぇ声出してんじゃねえよ。おまえらしくもねえ」
「・・・ここは・・?」
「ダゲレオだ。おまえさん一週間もぶっ倒れたままだったんだぜ?感謝してくれよな。
半死半生のおまえを抱えて街から脱出すんのは骨が折れたぜまったく」
「・・・なんで俺を助けた?」
ギルガメッシュの目が一瞬何かを思い出すようすっと細くなったが、サラマンダーには
その意味を読みとることはできなかった。
「・・・・ラニとの約束だったからな」
「・・・ラニとの・・・?」
そこで初めてサラマンダーは、ずっと頭の中に聞こえていたラニの声が
聞こえなくなっていることに気付いたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウィルス

796 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:2000/08/12(土) 21:31

パック王子「・・Gトランスにおける副作用、「根本思念の分離」は生き物の表の人格、根本思念を
深層意識の奥底に封じもしくは完全に消し去り、そのかわりに不安定な裏のもう一つの人格が
自らの人格を支配するということだ。つまり表の人格と裏の人格が全く入れ替わってしまうということだ。
・・さてその新たに表の人格として入れ替わったもう一つの裏の人格、前に述べた様にもともと形成されて作られたもので無い
ということで非常に不安定な人格であるのだ。たいてい人の人格は変えろといわれても変えることは出来ない。
それは形成された確固たるものであるがゆえ。しかし、不安定な裏人格はそうはゆかない。
簡単にどのような人格にも形を変えてしまうことが出来る。虫も殺せぬような者が、急に大量殺人者となったりする様なもの。
さて、そのように力と人格を大きく変えてしまうGトランスであるが、さてGトランス能力は一般のトランスパワーの様な
誰にでも起こりうるようなものでなく、1種のウィルスのようなもので、この能力は
そのGトランスウィルスを持つものが特定の相手に植え付けて行くという方法をとらなければならない。
つまりGトランスはもともと生き物全ては持っては無く・・他のものより植え付けられる・・
という方法でしか発動しないということだ。・・一体それ(能力を持ちこんだ者)は誰なのか・・と言うことは未だ分かってはいない。
もともとGトランスなど我々の世界には無い別の世界の神話であったのだから。
しかし今確かに、誰だかわからんがこの世界にGトランスそのものを持ちこんだ奴がいるということだ。
・・さて今、我が国に来てもらっているある先生の予知能力で検索していただいたところ
現在Gトランスを埋め込まれているとされるものは7人。
ジタン、ガーネット、エーコ、クイナ、スタイナー、サラマンダー、そしてフライヤ。
驚くべきことだ・・。まるで選ばれたかの様にしっかりとこの7人が植え付けられておる。

しかし、まだ疑問点が残っていてな、今の傾向を見るにGトランスに完全覚醒しているとされるものは
以前の人格とは違う完全な暴虐思念に染まってるという事だ。恐らく共通して考えられることから
このGトランス能力を持ちこんだ何者かは彼ら能力者の人格を操作し
意図的にこの世界を戦争の世に導いているのでは・・・・・・?
また・・何故この7人なのか?というのもある。それにもともとこの世界に無い
能力をどの様にして持ちこんだのか?また彼らにいかに植え付けることが出来たのか?
まだまだ謎が多い。



 

 

 

 

 

 

 

 

800 名前:ザ・解説投稿日:2000/08/12(土) 21:57

まあGトランスっつーのを誰かさんがジタン、ガーネット、フライヤ等、
7人に植え付けたよと。
Gトランスは要するに凄い力を自分に引き出す代わりに
生命力が削られていくんだよと。さらに完全に覚醒したら副作用で人格が逆転して
全く今までとは違う自分になってしまうんだよと。

でもなぜか覚醒してるガーネットやクイナ、または半覚醒状態のエーコは
みんな暴力的になってしまっているのはおかしいんじゃないか?と。
これはそのGトランスを持ちこんだ奴が思念操作して
世界を戦争に持っていってるんではないか?と。
また、もともとこの世界に存在してなかったものをどうやって
あの7人にうめこめたんだろうか?と。
まあこんなところなんじゃないかな?と。



 

 

 

 

 

 

 

起きあがるサラマンダー

801 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:2000/08/12(土) 22:12

サラマンダーはふらふらと立ち上がった。あわててギルガメッシュがそれを遮る。
ギルガメッシュ「おいおい、どこへいこうってんだ、その体で?」
サラマンダーは、正気こそ保ったもののまだふらつく体をどうにか支えながらも
「ラニは・・・ラニの、死体は・・・」とギルガメッシュに聞いた。
ギルガメッシュ「え・・・奴の死体って・・・お前」
ククク、とサラマンダーは声を落として笑った。
サラマンダー「そんな目で見るなよ、俺はもう大丈夫だ。ただ・・・奴に、最後の挨拶をな・・・」
寂しそうに笑うサラマンダーをみて、ギルガメッシュはふうっと息をついた。
ギルガメッシュ「・・・奴の体はまだ外にある。いい顔で見送ってやれよ。お前の顔はいつも暗いからな。」
サラマンダー「ああ」
そう言ってサラマンダーは、かつて愛した女の元へ駆けていった・・・。

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